プロでなければ勝てない

 昨日行われた福岡国際マラソンやバレーの世界選手権だが、
優勝したのはやはりプロだった。
 日本は基本的に企業アマで成功していたため、かつてはステ
ートアマの共産圏を相手にしていればよかった。
 ところがオリンピックでもバルセロナの頃からプロの参加が
認められると一気に凋落したのだ。
 たとえばアテネのボールゲームだが、まだ世界的にマイナー
な要素が残る女子種目は出場権を得ていたが男子は野球とサッ
カー、つまりプロが参加した種目でないと出場権は取れなかっ
たのだ。
 いみじくもシドニーの最終予選で敗れた男子バレーのエース・
加藤曜一は「アルゼンチンの選手はネット越しに気迫がビンビン
伝わって来た、彼らはオリンピックに出られなければ年俸が下が
るのに対し日本は出られなくても食いっぱぐれはない。その差が
モロに出た」とコメントし鎖国政策を取っていたバレー界の規程
を変えさせてプロになるべくイタリアへ旅立った。
 考えてみるとバレーとサッカー、競技人口が違うとはいえ男子
のボールゲームで唯一の金を取った事のあるバレーとE代表相手に
銅メダルを取ったサッカーでは平成の初めまではバレーの方が
圧倒的に人気があった。
 ところがサッカーはプロ化し、Jリーグを立ち上げたのに対して
バレーはプロ化に失敗しそれ以降オリンピックの出場権を獲得
できないでいる。
 ミュンヘンで金メダルを獲得した監督の松平康孝氏がバルセロナ
終了後にプロ化の話を出し「プロ化しなければメダルはおろか出場
すらできなくなる」と危機感をあらわにしていたのに対して、企業
はまだしも選手たちが「プロはイヤ」と不快感を示し最終的に頓挫
してしまった。
 それから松平氏の予言どおり3大会連続で出場権を逃しているし
日本リーグから看板だけ挿げ替えたVリーグも企業の休廃部が続出
したのだ。プロ化の話が出た頃はまだ企業も景気がよかったのだが
アトランタの頃は景気が悪化したのだ、川淵氏が「Jリーグの立ち
上げがあと数年遅れていたらJリーグはできなかったろう」と言って
いたが時期を誤るとこういった惨状になるのだ。
 結局同じ日本リーグでもサッカーの方がマイナーだったのに対し
それなりにメジャーだったバレーはそれだけに現状に満足していた
のだ。だから85年のメキシコW杯アジア最終予選で一足先にプロ化
していた韓国に完敗した時に「プロ化要望」を現場が出し、個人単
位ならプロOKという条件を勝ち取りW杯最終予選を戦ったメンバー
のほとんどが会社を辞めてプロ契約を結んだのだ。
 Jリーグの成功は決して一朝一夕にできたものではない。
 サッカーはある意味しょぼい親善試合でもTV中継があり会場も満杯
に近い状態が続いている、まだまだバレーのように世界のベスト8にも
入れてないがそれだけファンの期待が高い証拠だ。
 一方かつてバレーの国際親善試合はゴールデンタイムでなくても、
週末など放送はあったのに今では皆無だ。
 昨日と一昨日に代々木第一体育館出行われた順位決定戦は2階席でも
空席が目立ったしジャ○-ズなどのジャリタレを動員して、それらを
目当ての客を呼ぼうとしているが心あるファンからはヒンシュクを買っ
ているだけだ。
 サッカーとバレーの違いは結局プロであるかどうかの違いに集約する。
 選手がプロではない競技はもはや国際競争力はないと言っていいだろう。
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