宇宙戦艦ヤマト劇場版を見て40年経った今、考えるのはヤマトが
ブームになったのは劇場版のおかげかもしれないという事。
劇場版というのはTVシリーズのダイジェスト版になるわけだから
最もオイシイ部分を中心に作られており、ヤマトでいえばドメル艦隊
相手の七色星団の決戦とガミラス本星での最終決戦の2つは絶対に欠
かせないので2つのEPはノーカットで収録されている。
私は1話から見ていた事もあって劇場版のようなダイジェスト版は
伏線がないので面白味がないと感じてしまうのに対し、TVシリー
ズを見てない人達にとってはオイシイ所取りで楽しめたのではない
だろうか。
TVシリーズの場合1話のラストで戦艦大和の残骸が出てきて終
わり発進するのは3話のラストになるし4話でワープテスト、5話
で波動砲のテストなど場数を踏んで進んで行き7話から9話までが
冥王星基地攻防戦という形になる。
好きな人にはこういう展開は丁寧に作られているという事で嬉し
く感じるのに対し、ハイジや猿の軍団の合間にたまたまチャンネル
を変えて見た‘一見さん’にとってはまどろっこしいものだろう。
だからこそ途中視聴組が定着せずに視聴率自体も上がらず放送短
縮となったわけだが、ダイジェスト版ともいえる劇場版のテンポは
いいので途中から見ようとした層が食い付いたのではないか。
最近かつての名作小説のあらすじを書いた本が売れているという
話を聞くが、これらは最初から読んだら時間がかかるなどハードル
も高いのに対し あらすじだけを予め読んで どんな内容かを判断し
てから小説本体に行くというスタイルだ。
つまりヤマト劇場版はTVシリーズのあらすじ版ともいえるもの
だったので、それでTVシリーズ未見の層に見てもらい内容を掘り
下げるTVシリーズに行くというスタイルができたのではないだ
ろうか。