西野朗は現実論と理想論のどちらでW杯に臨むのか

(中西哲生コラム)ハリル氏と矛盾、協会に説明義務あり

 日本サッカー協会はロシアW杯出場を決めたヴァイド・ハリルホ
ジッチ監督を選手とのコミュニケーション不足を理由に先日解任
して、技術委員長としてハリル体制をサポートしていた西野朗を
監督に就任させた。

 西野朗といえば今から22年前のアトランタ五輪でブラジル相手に
一方的に攻め込まれながら乾坤一擲の攻撃で挙げた1点を守り切って
勝った‘マイアミの奇跡’を起こした人物で有名だからイメージ的
にも受けがよく2000年にフィリップ・トゥルシエ監督が解任された
場合は後任に噂されていた人物で、その企てを画策していた協会の
人々にとっては18年越しの西野ジャパン誕生という事になる。

 マスゴミはG大阪を含めたJリーグの監督時代にパスをつなぐ攻撃
サッカーを標榜していた事から早速‘日本らしいスタイル’の復権
を声高に求めているようだが、現実論者の西野監督がマスゴミの額
面通りに采配を振るうのかは未知数だという事を忘れてはいけない。

 代表チームは時間がある代わりに与えられた戦力で結果を残さな
ければいけないクラブチームと違い時間がない代わりに自らの標榜
するスタイルに合う選手を選べるので、Jリーグの監督時代より代
表チームだったアトランタ五輪の時の采配を参考にした方がいい
だろう。

 アトランタ五輪では前園真聖や中田英寿に城彰二らの攻撃陣に
GK川口能活やDF田中誠に松田直樹、中盤は服部年宏や伊東輝悦ら
を揃えて臨んだわけだがブラジル・ナイジェリア・ハンガリーの
順に対戦する組み合わせだからグループステージ突破のためには
少なくともブラジルやナイジェリアとは引き分けで勝ち点1を取
らなければいけないため引いて守るスタイルで戦う事に。

 ところが前園ら前線の選手達にとって引いて守るスタイルは受け
入れがたくブラジルに勝ったにも拘わらず‘例え負けてもいいから
自分達のスタイルで戦いたかった’と言う始末。

 2試合目のナイジェリア戦のハーフタイムで守備的な戦い方に不
満を唱えた中田を西野監督は3試合目のハンガリー戦では使わない
という荒療治に出て3-2で逆転勝ちしたものの、2勝1敗で3か国が
並んだ末に得失点差で3位となりグループステージ敗退となった。

 ただ大会終了後に技術委員会は‘守備的な戦い方では将来につな
がらない’と厳しい評価をされているわけで、今回も本田圭佑らが
標榜する‘自分達のスタイル’で臨むのかアトランタの時同様に現
実的な戦いで臨むのか大いに注目される。

 だから協会も西野氏の考えを尊重し間違ってもアトランタの後の
ような後出し的な批判はするべきではないだろう。 

 

 
 

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