早大、東海大、帝京大が4強入り 明大散る/大学選手権(サンケイスポーツ) - goo ニュース
ラグビー大学選手権の第2ステージは今日が最終日。
4つに分かれた各グループの1位が1月2日のSファイナルに進出するのだが
注目だったグループCの最終戦でリーグ戦1位の東海と3位扱いながら対抗戦
優勝の明治の全勝対決は45-36で東海が勝ち帝京・筑波・早稲田の対抗戦
グループによる独占を阻止した。
一方で3位扱いとはいえ14年ぶりに帝京・筑波と対抗戦で同率優勝を飾った
明治は2年ぶりのベスト4進出すら逃してしまった。
ご存知のように明治大学は早稲田・慶應と並ぶ人気チームで特に北島忠治
監督の遺訓‘前へ’をチームの是として伝統の強力FWを全面に押し出して
これまで対抗戦優勝27回、大学選手権優勝12回を誇る名門だ。
ところが北島忠治監督が96年に死去してからスキャンダルなども噴出して
徐々に成績を落とし96年度の大学選手権優勝を最後に大学日本一から遠ざ
かり、対抗戦優勝も98年度を最後に2位が最高で08年度は6位に沈んで
しまったため再建の切り札として就任したのが吉田義人。
おりしも90年代に1度も大学選手権優勝がなかった早稲田が清宮克幸を
早稲田ラグビー初のフルタイム監督として迎えた01年から7年連続対抗戦
優勝を果たし大学選手権も5回優勝するなど復活を遂げていた。
北島忠治監督のカリスマ性が強烈だったため、それに互するカリスマ指導者
といえばキャプテンだった90年度は才能集団に‘努力’を植えつけて復活させ
黄金の90年代前半の礎を築いた吉田が適任だと誰もが思った。
そういうわけで満を持して08年の対抗戦6位から脱却するべく吉田義人を
フルタイムの監督に就任させ初年度こそ5位だったが一昨年3位、昨年は2位
と徐々に順位を上げ今年 遂に帝京に敗れたものの筑波に勝って3チームが
1敗で並ぶ同率優勝を果たしたのだ。
しかも優勝が かかった早明戦では残り10分を切って13点リードされながら
終了間際に逆転勝ちするという劇的な幕切れに‘メイジ復活!’とメディアは
盛り上がった。
決して健全な事ではないがラグビー人気は早・慶・明の3チーム人気に下支え
されていたので、昨年の大学選手権のベスト4以降 記録的な不入りになって
しまったのも この3チームが揃って敗退した影響がモロに出ていた。
また かつてのカリスマ・吉田が母校を復活させるというストーリーはマスコミ
好みだから、普段はラグビーを扱わないメディアまでが吉田監督就任と同時に
明治を取り上げ始めたのがいい例だろう。
今年は吉田監督就任から4年目で現在の4年生は吉田体制の一期生という事
で期待は膨らんでいたのだがリーグ戦優勝の東海に敗れて2年連続で年越し
ならずという屈辱を味わう事になる。
もっとも今年の対抗戦で優勝したとはいえ帝京には20-45で完敗しているし、
早稲田に終了間際に逆転勝ちとはいえ早稲田が自陣ゴール前でゲームを切る
事なく時間稼ぎをしていたところのターンオーバーからなので実質負けゲーム
だったわけで本当の‘復活’と喜ぶのは早かったとは思う。
ただし選手・吉田義人が大学選手権で日本一になったのは4年の時だけで
1年と3年ではベスト8敗退だったし、2年の時に対抗戦で優勝しながら選手権
ファイナルでは大東文化と引き分け優勝だったもののトライ数の差でNHK杯
への進出ならずという歯がゆい内容の末 最後に有終の美を飾る事ができた
のを考えると吉田監督の手によるメイジ復活には もう少し時間がかかるのかも
しれない。