スーパーボウルのトム・ブレイディを見て思い出したのが

 今月初めに行われたNFLスーパーボウルではニューイングラン
ドがLAラムズに13-3というロースコアゲームの末に勝って、
5回目のスーパーボウル制覇となったのだが全てトム・ブレイディ
がQBを務めていた。

 つまりニューイングランドはブレイディがQBになってから黄金
時代を築いているわけで、いかにブレイディのQBとしての能力が
高いかが分かる。

 今回のスーパーボウルでは共にオフェンス能力の高いチーム同士
なので点の取り合いになると思われたのだが、意外にも両チームを
通じてタッチダウンは1で第3Q終了時点までタッチダウンなしの
3-0というのだからロースコアの程が分かるだろう。

 LAラムズDF陣のプレッシャーの前にパスをインターセプトさ
れたりするなど派手な活躍はできなかったし、唯一のTDも得意の
パスではなくゴール前でのTDランによるもの。

 この試合のブレイディは勝ち越しTDにつながるドライブを含め
TDを決めるまでに至ってなかったわけだがゴール前に迫るまでに
集中していた感が強く、これこそ百戦錬磨のキャリアのなせる業だ
し‘ここ一番の勝負強さ’という事になるのではないか。

 勝負強さを持った司令塔といえばラグビーで新日鉄釜石の7連覇
を達成したSOの松尾雄治を思い出す。

 松尾は華麗なステップで敵のDFをすり抜けるだけでなく優れた
戦術眼を持っており、精密なパントやロングキックを駆使する司
令塔だった。

 ただ松尾の凄さを別の意味で実感したのが85年1月3日に秩父宮
ラグビー場で行われた、全国社会人選手権準決勝の東芝府中戦。

 先制したのだが50分まで10-19と逆転を許したものの、53分・
57分・72分と立て続けに金野年明がPGを悉く決めて19-19に追
い付いて引き分け抽選で決勝に進出した試合。

 既に足首を痛めていた松尾は全盛時のようなステップが効かず
東芝の出足鋭い猛タックルの前に苦戦していたが、東芝の鋭い出
足を逆手に取ってオフサイドを誘発させて得たPGを金野が決めて
追い付いたのだった。

 優れた司令塔というのは得意のプレーができない時でも、それ
なりの対策でチームを勝利に導けるわけで今回のブレイディの姿
は東芝府中戦の松尾を髣髴させたのだった。

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