今となっては意味がなかった‘公式戦0節’

 新型コロナウィルス騒動で世界中のスポーツが休止に追い込まれ
ている今年だが、この騒動さえなければ今頃はセンバツ高校野球の
優勝校が決まりプロ野球は3カードを終えマスコミは‘開幕ダッシュ
成功’‘開幕ダッシュに失敗’などと大騒ぎしているに違いない。

 それにしても年間140試合以上を戦って順位を決めるプロ野球で
開幕ダッシュに成功したからといって好成績が保証されるものでは
ないし、失敗したからといってもシーズンが終わるわけでもなく優
勝候補からAクラス入りを狙うチーム全てに‘開幕ダッシュ’を意識さ
せる日本のマスコミの報道体制には呆れるほかはない。

 たしかにAクラス進出を目指すチームや前年の不成績から巻き返し
を図るチームにとって開幕ダッシュは必要だろうが、優勝候補筆頭の
チームにまで開幕ダッシュに失敗すると優勝が絶望になるような雰囲
気を醸し出すのはいかがなものか。

 今でこそ開幕ダッシュに関しては‘GWまでは5割で十分’と余裕を持
つチームのファンも同じような感覚ではあるが、昭和の時代にまこと
しやかに言われていたのが‘公式戦0節’という理論。

 これは開幕ダッシュを仕かけるためにプレシーズンゲームを公式
戦0節と見なしプレシーズンゲームから勝ちに行くというもので、
当時多くのファンが今にしてみると単なる調整の場であるはずのプ
レシーズンゲームの勝敗に一喜一憂していたのを思い出す。

 例えば熱烈なジャイアンツファンだった祖父は3月初めに熊本で
行われたクラウンライターライオンズ戦で雪が降るコンディション
の中、先発した横山忠男が1回に7失点し2番手の定岡正二が打ち込
まれて大量失点して大敗すると‘例えプレシーズンゲームでもライオ
ンズにこんな負け方をするようでは開幕が思いやられる、なぜ横山
などを投げさせるのか?せめて堀内恒夫や小林繁を投げさせなけれ
ば寒い中で詰めかけた観客に失礼’と憤っていた。

 今にして思うと3月初めの時期にはローテ候補や1軍残留レースを
試す時期であり本気で勝ちに行く時期ではないというのが共通の考
えになっているのだが、当時は例えプレシーズンゲームでも全勝を
目指す的な事を言う監督がいたのを考えるとファンもそれを望んで
いたのだろうからファンの気質もかなり違う。

 あれから40年以上経った今では公式戦0節的な事を言う監督は絶
好調氏ぐらいだろうし、氏が監督した時のチームは恐ろしく弱かっ
たのだから開幕ダッシュに拘りまくるのがいかに愚策かよく分かる。

 

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