日伊相互文化普及協会

日伊相互文化普及協会のブログです。

【トスカーナ料理講習】 ルッカ 10月5日(木)

2006-11-05 16:54:31 | Weblog
約束の時間を1時間遅れ、夕刻5時にルッカイタリア料理学院に着いた。
「待ってたよ」とジャンルーカ先生や森田さん、マリエーラが出てきてハグ。
宮崎でもジャンルーカ先生のお世話になった浜田さんや潤子さんは嬉しさひとしおだ。
「遅くなっちゃったからすぐ講習に入るね」と日本語で言うジャンルーカ先生。
みんなで机に座る。
季節感を大事にするジャンルーカ先生と助手のマリエーラ、日本人スタッフの森田さんで決めた今日の料理。
・Crocchette di patate fritte con ragu di frattaglie
ジャガイモのクロケット・鶏の内臓のソース掛け
・Fettocine al ragu d’anatra e profumo di porcini
 ポルチーニと鴨のソースのフェットチーネ
・Quaglie in camicia di spek con cipolle di certaldo stufate
 スペックを着た鶉、チェルタルド玉ねぎの蒸し煮添え
・Scuriacciata con uva
 葡萄のフォッカッチャ
講義のあとは厨房へ。にこやかだったジャンルーカ先生の顔が引き締まる。ちょっと怖いかな。

ジャンルーカ先生は3月の参加者、人夢さんがインターネットで全国に流した金魚のパンツをはいていた。日本全国にジャンルーカ先生のファンは多い。みんなこのパンツが好きだと言う。

と見ると浜田さんと荏原君が厨房にいない。
浜田さんはサロンのバールで、今にも眠りそうな顔で、荏原君はドライバーのジャンルーカ君と和やかにビールを飲んでいた。
私は森田さんと深々とソファーに腰を降ろして世間話を。
森田さんは国立エノテカ・シエナのワインガイドの翻訳を手がけている。改訂版がよく出るので忙しいと言う。
今年の6月、(株)文流の西村先生が丸善から「イタリアの食文化の起源と流れ」という本を出版した。この出版にあたっても森田さんの並ならぬ努力があった。彼女がいなかったら実現できなかっただろう。永久保存版として持っていたい本だ。

当相互文化普及協会から、その「イタリアの食文化の起源と流れ」を10名の方にプレゼント。(先着順)uc-japan@m9.dion.ne.jp

ジャンルーカ先生は12月に来日する。今まで受講した人やジャンルーカ先生のファンが集まって親睦会を開く。初めての人も参加OK。uc-japan@m9.dion.ne.jp まで。
Emi

【ルッカ】

2006-11-05 16:46:42 | Weblog
トスカーナ州に属する。フィレンツェから電車で40分、ピサからは20分、世界一といわれる温泉モンテカティーニからは15分の場所に位置する。また30分ほど車を走らせるとピノキオの故郷コッローディ、レオナルド・ダ・ヴィンチの生誕村がある。
ルッカは戦争によって破壊されていないので、至る所にローマ時代や中世の遺産が残っていて、ローマ時代の円形劇場は人々の住居となっている。
音楽家のプッチーニはこの町で生まれた。
産物はオリーブオイルやワイン
Emi

【スローフード館・ポデリア】 カサルベルトラメ 10月5日(木)

2006-11-05 16:44:54 | Weblog
スローフード館では市の歓迎のウエルカム昼食会の用意ができて、我々を待っていた。
手を延ばそうとすると待ったがかかった。テレジオ市長が農業博物館を見せると言う。スローフード館の広大な中庭にはを農家があり、16世紀ごろからの農耕器具が展示してあった。田を耕す耕運機、脱穀機、精米機、鋤、鍬、鎌など今のものと少し似ているものもある。
膨大な展示品を披露して、テレジオ市長は満足し、我々はスローフード館に戻った。
私たちは次々に開けられる全国各地の優良ワインや食事を堪能しながらテレーサ市長やピエトロのレクチャーを聞いた。

ここの名物の黒米のパニーシャが出てこないのでノヴェッラ市長に不満を込めて聞く。
すると「10月8日のオルヴィエートのスローフード祭で食え」。
カサルベルトラメからは10人のシェフがオルヴィエートに行き、大量のパニーシャを作るそうだ。
「今回は短すぎる、この次は腰をすえて来い、もっといろんなところに連れてってやる」
と言う、テレジオ市長やテレーサ、スローフードの役員たちや地元の人たちに別れを告げてルッカへ向かう。
                                  Emi

【養豚場、生ハム、サラミ、ソーセージ工場】 カサルベルトラメ 10月5日(木)

2006-11-05 16:28:16 | Weblog
クラウディオさんの所でゆっくりしていた我々を二人の市長とスローフード協会の役員たちが首を長くして待っていた。
「スローフードの豚、スローフードのハム、サラミ、ソーセージをとくと見てもらおうじゃないか」と胸を張って言うテレジオ市長。
彼はいつも我々の滞在を仕切る。「こんなのはどうかなあ」と私が提案しても「うん、うん」とは言うが、ことは全て彼の思惑で進む。
市庁舎前から豚さんたちの住むハムやサラミ、ソーセージの加工工場へ。イタリアの乗用車に乗りたいという坂口君と荏原君を心優しいテレーサ市長は自分の車に招き入れる。
彼女の運転は穏やかなので安心だ。


ここで暮らす1500頭の豚さんたちはオランダ種。1500頭が暮らしている。お食事の飼料は全て豚舎の周りの畑で無農薬、有機で育てている。そのお食事には抗生物質などは混ぜない。豚舎は毎日洗い、豚さんたちの健康管理には厳しく注意を払う。
良いお食事を食べて、薬さえ飲まなければ豚さんたちはとても健康に育つのだという。
それでも体調が優れない豚さんもまれには出るそうで、ここでは3日間食欲が落ちると4日目にはハムやサラミ、ソーセージになってもらうそうだ。豚さんは薬をもらえない。

ここでは週に一度、体重が160kgになった15頭の豚さんたちがハムやサラミ、ソーセージに変身する。豚さんたちは変身の前に、まず快適なシャワールームに入れられる。ナチのシャワー室と違うのは毒ガスではなく、本当に水が出る。
豚さんたちはシャワーが大好きだそうで、シャワーを浴びると、それまで「何が起こるのかな、なんか怖いな」という心配やドキドキがすっかりなくなって、まったりとくつろぐそうだ。興奮した豚さんのお肉はおいしいハムやサラミ、ソーセージにならないそうです。

シャワーを浴びた豚さんは、ちょうど身体がひとつ入るくらいの鉄の格子の箱の中に押されます。豚さんは素直に入ります。そして耳にピンセットを当てられ、軽い電流を受けて気絶します。感電死はしません。感電死は肉や血の味が極端に落ちて、血のソーセージなどは絶対に作れないそうです。
気絶した豚さんは格子の箱から出されて、顔を上にして天井から吊るされます。そして喉の大動脈めがけて、お口の中から長いホースの付いた、太~いドリルが突っ込まれます。突っ込む人はほかを傷つけないように一箇所だけを目指します。ドリルにつながる太いホースから豚さんの大量の血が伝って流れ、大きなバケツに集められます。豚さんは体から大量の血が無くなるのでこの世にさよならします。
集められた血はお肉と一緒に再びソーセージになってこの世によみがえります。
よみがえっても、もうかっての姿はありません。が、ソーセージには豚さんの心が詰まっていているでしょう。

ここで何人かが外へ逃げた。私もその口だが、見届けなければいけないという責任感で戻ったり出たりを繰り返す。

次に豚さんたちの住む豚舎へ。元気よく鼻を鳴らす豚さんとさっきのスペシャルルームが重なる。
オーナーは一頭一頭をとてもいとおしそうに見つめる。
持田さんがオーナーに「豚さんたちがかわいいですか?」と聞いた。「もちろんさ、みんな私の子供たちだよ」とオーナーは嬉しそうに答えた。 週1回、子供たちに変身を求める親……..。いろんな親がいる。
中庭ではスローフード協会役員のクラウディオとピエトロが、大きなテーブルにたくさんの生ハムやサラミ、ソーセージ、そしてチーズも並べて、私たちが戻るのを待っていた。
私たちは豚舎の周りで育った葡萄で作られたワインで乾杯をして「おいしい!」豚さんたちを食べた。とってもBuono!!

                                   Emi

【人・お米の父】 カサルベルトラメ 10月5日(木)

2006-11-05 16:19:18 | Weblog
あたり一面が水田。日本の風景に似ているが、違うのは1枚の田んぼが日本よりずっと大
きいこと、そして雄大なアルプスの峰々が望めること。
「アルプスの水が米作りに最適なんだよ」と言うクラウディオ・チリオさんは全国の人からゴッドファーザーならず、ライスファーザー、「お米の父」と呼ばれている。
400ヘクタールを耕作、ヘリコプターも駆使する。生産米は黒米、赤米、高級米のカルナローリを含めて360種類。黒米ビーナス(金星)は法律でクラウディオさんだけに生産が許可されているそうだ。
他にも火星、水星、木星、土星など惑星の名が付いた米がある。
また日本食に合うおいしいお米もある。我々はイタリア人とのパーティやジャパンフェスタの時によくクラウディオさんからお米をもらう。
クラウディオさんのお父さんは82歳。元気に田んぼに出ていて、我々が訪ねてくるのを心待ちにしている。
カサルベルトラメのスローフード館で寿司パーティをやりたいと二人は言う。
中央左が米の父・チリオ

Emi

【二人の市長】 カサルベルトラメ 10月5日(木)

2006-11-05 16:07:23 | Weblog
カサルベルトラメには市長が二人いる。市の王様といわれるテレジオ・ノヴェッラさんと女王のテレーサ・ペヴェローネさんだ。
昨年までテレジオさんは市長として35年間勤め上げ、テレーサさんは25年間テレジオさんを補佐してきた。
「こんなに長く市長やってるなんて、あんただけよ、もうそろそろではないの」とテレジオさんは国から耳打ちされて、昨年副市長に退き、テレーサさんが副の外れた市長に持ち上がった。
しかし、本人たちの長年の立場の蓄積や、住民の意識がそう簡単に変わるはずはない。
王様のテレジオさんは変わることなく采配を振るい、女王のテレーサさんはテレジオさんに指示を仰いでいる。
人々はこの二人の両方ともに「市長」の敬称をつけて呼ぶ。
Emi

第14期短期イタリア留学報告 ピエモンテ州 カサルベルトラメ 10月5日(木)

2006-11-05 15:54:04 | Weblog
ピエモンテ州に属するカサルベルトラメの歴史は深く、十字軍の出征時には要所となった。その頃の美術品は今でも発掘が続いている。
世界70ヶ所のスローシティのひとつに認定されており、スローフード館がある。
人口は1,000人足らずのこの小さな町は、イタリアの米倉として重要な町であり、年間を通してイヴェントが多い。人口を遥かに上回る5,000人以上の外部者が集まる収穫祭も行われる。果てしなく続く水田の向こうにはアルプスが望め、美しい。
このあたりの潅漑システムは世界的にも有名で、世界中から見学者が訪れている。
また、農業の勉強で長期滞在をする人たちも多い。
産業は米や米加工品、肉加工品、チーズ製品だ。