日伊相互文化普及協会

日伊相互文化普及協会のブログです。

第7回スローフード祭Orvieto con Gusto参加と食文化研修のお知らせ

2008-05-29 20:09:15 | Weblog
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ガルファニャーナのスローフード協会直営施設も訪問します。
ここには味の箱舟(庇護食品)に登録された全国の飲料や食材が置いてあります。
有機農業の生産者や販売者、スローフード協会や自治体を通した人たちだけが見学、取引を行うことができます。
一般の見学者やバイヤーは訪問できない施設です。

2008年10月2日(木)~10月13日(月)12泊13日 前泊延泊自由
          詳しくはこちらへ


参加者数の枠を広げてほしいとの声が多いのですが、今まで以上の人数を越えられないことの説明をさせていただきます。
ホテルと違い、文化型滞在を目的としたアグリトゥリズモは一般ツアーのような大型観光客を迎えるシステムになっておりません。
一人一人が生活文化に溶け込み、参加者同士、そして現地のイタリア人たちと親密なコミュニケーションをとりながら現地を体感し、イタリア文化が学べるような環境になっています。
アグリトゥリズモを訪れる全ての人に漏れなく気配りができるよう、大型グループを受け入れないのがアグリトゥリズモの特徴です。

大変申し訳ありませんが、今回も定員の9割までは先着順に受付を受理させていただきます。
その後は抽選とさせていただきますことをご了承ください。

スローフード祭Orvieto con Gusto に単独で参加されたい方は、当協会を通してチケットを提供させていただきますが、宿泊については独自でお探しの上、ご予約ください。
この祭典時はオルヴィエート市街のホテルの予約は難しく、他県や他国から訪問される方は、近隣のテルニやスポレート、トーディ、アッシジ、ペルージャなどに宿を取られる方が多いです。

お問い合わせは日伊相互文化普及協会、info@nichiibunka.com まで、ご遠慮なくお寄せください。



日伊相互文化普及協会      Emi

春季ネットワーク懇親会報告 「初夏の南イタリア」

2008-05-27 21:42:40 | Weblog
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会場となるベッラ・ヴィータのオーナーシェフが風邪をこじらせてダウンしたと連絡が入ったのは前々日でした。

「ヘルプ!!!」を引き受けたのは、佐野シェフと何かにつけてコンビを組んでいる村田尚隆シェフ。メニューはすばやく村田モードに作り替えられました。

北海道産アスパラガスのフリッタータ
Frittata di asparasi
フィノッキオとオレンジのサラダ
Insalata di finocchio e arancia
バジリカータ風ズッキーニのグリル
Griglia di zucchini alla Basiricata
ムール貝のオーブン焼き
Cozze alla leccese
トマトのリピエーノ オーブン焼き
Pomodoro ripieno
ナスのグリル シチリア風
Melanzane alla Siciliana
北海道産ホワイトアスパラのソテー
Saute di asparasi bianco
シチリア風カポナータ
Caponata alla Siciliana
自家製セミドライトマトのマリネ
Marinata di pomodori secchi
自家製黒胡椒のサラミ
Salame di pepe
千葉産鰯とジャガイモのサレルノ風重ね焼き
Sardine e patate alla Salernitana
能登産キンキのカルピオーネ カラブリア風
Carpione di scorfano alla Carabria
トラパニ風 茄子のパン粉揚げ
Meranzana alla Trapanese
千葉産鰯のパスタ シチリア風
Spaghetti con acciughe alla Siciliana
血鯛のシチリア風カルピオーネ
Carpione di pesce spadaalla Siciliana
静岡産背黒鰯のマリネ カプリ風
Marinata di acciughe alla Caprese
静岡産背黒鰯のマリネ シチリア風
Marinata di acciughe alla Siciliana
豪州産羊肩肉のマルサラ煮
Brasato di agnello con vin marsala
タラッリ
Taralli
季節の果物のピッツァ
Pizza di frutta




2004年の3月。オルヴィエートで異例の大雪が降った日に、大勢のイタリア人を招待してジャパンフェスタを行ったことがありました。
この時村田シェフは、ローマから来る高速道路の山中で何回も立ち往生しながら、会場にたどり着きました。
ジャパンフェスタでは、イタリア人たちがここで食べた料理が家庭でも作って食べれるようにと、イタリアの素材を活かした日本の料理を作りました。
村田シェフの料理は大好評で拍手喝さいを浴び、翌日彼は市庁舎に招待されました。
そしてオルヴィエートのコムーネとスローフード協会を代表して、オルヴィエート市長から賞賛と礼を受けました。



さて、懇親会での村田シェフの料理は特別にこったもの、奇抜なものはありませんでした。
どの料理もイタリア南部の地方都市に根付いた味そのもの。
村田シェフがイタリア修行中に身に滲みこませた、優しく安心感のある、食べるほどに心が和む味でした。



パーティ料理は何かしら少しは残るものですが、この夜の料理は20品目何一つとして残らなかったのです。ドルチェのひとかけらに至るまで。
お腹いっぱいでも、「うまくてやめられない」。
そう、久しぶりに食べたお母さんの料理のようにあとを引くんです。



村田シェフがカラブリアの修行中、夏の日の賄いで食べたものを一皿出してくれました。
ナスを目の細かいパン粉をつけてオリーブオイルで焼いて、生トマトを刻んで冷やしたソースを駆けて食べる、何気ない料理なのですが、これがなんとも・・・・。



キンキのマリネ。
これは豆キンキが手に入りました。
豆キンキは禁漁魚なので、わざわざ獲ったものではなく、村田シェフの知り合いの漁師さんの網にかかってしまったものを送ってもらったのだそうです。
味は抜群です。本来なら漁師さんたちにしか口にできないものを味わうことができました。



全部のメニューを書きたいのですが、ここで我慢。
次に移ります。
レシピを知りたい方はベッラ・ビータに電話をして村田シェフに聞いてください。
佐野シェフが復帰してくるまではいます。





今回の新しい参加者は
原さん
イタリアのコーヒーや大麦コーヒーのオルツォロ等、企業や団体の依頼に応じて営業を専門に行う日本セールスレップ協会に勤務。デザートの時には原さんの会社の製品をいただきました。オルツォロは健康飲料としてイタリアではとてもポピュラーです。整腸作用バッチリです。



市川さん、松本さん、芳賀さん
このお三方は株式会社コムテックの高橋さんの友人でもありイタリア大好き人間たちです。
高橋さんは今回も自社の洗剤を参加者全員に持ってきてくれました。
優れた洗浄力は大きな評価を得ています。
高橋さんはこの洗剤で世界遺産を洗って世界を周るのが夢だそうです。



井上さん
横浜スローフード協会会員。フードアドバイザーをしている方で、6月のルッカ商工会議所招待の視察に参加します。

白鳥さん
AIS認定ソムリエ。フリーで活躍をしています。
井上さんと同じく6月のルッカの視察に参加をします。

小倉さん
イタリアの蜂蜜やメープルシロップ、お菓子材料などを扱う(株)クインビーガーデンに勤務しています。
井上さん、白鳥さんと一緒に6月の研修に参加をします。


皆勤を重ねる人たちも増えてきました。
そのうちの一人、海産物加工食品を扱う(株)カネジョウの望月さんが、静岡から駆けつけてくれた時間は21時を回っていました。
望月さんは最新技術を導入した、新しい桜えびの凍結機を導入したばかり。
その機械を使った桜えびがすばらしく美味しいので、懇親会に参加をしたみんなにお土産に持たせたい、とこの日朝から用意を始めました。
しかし、入れたばかりの真新しい機械。調整などに時間もかかり、新幹線に飛び乗ったのは懇親会が始まってしまった時間。



会場に着いたのは21時を回っていました。でも、懇親会はまだまだおしゃべりの真っ只中。参加者全員が望月さんから「極上乾燥桜えび」を頂くことができました。
今までの乾燥桜えびとは味が格段に違います。また桜えびの髭が、折れることなくしっかりと付いたままです。
この髭には高い薬用効果があるといわれています。
この「極上桜えび」、まだ出回っていませんので、ぜひ望月さんに聞いてみてください。



北海道の高橋さんはアスパラの収穫に追われて懇親会に参加できない、アスパラを送るので皆さんで召し上がってください、とアスパラを送ってくれました。
高橋さんのオフィス・オッティモは無農薬有機の生産者と、良いものを求める消費者の窓口です。
イタリアで勉強した高橋さんは、独自のポリーシーを持っていて、ものを見る目は確かです。高橋さんのところで美味しいものを見つけてみては?

会場がそう大きくないので参加者人数が制限されてしまいましたが、そのおかげか全員が全員とコミュニケーションをとることができ、いっそう親密な会となりました。



参加者の皆さん、村田シェフ、ベッラ・ヴィータスタッフのゆうすけ君とミコトちゃん、美味しくて楽しい時間をありがとうございました。

日伊相互文化普及協会       emi

春季ネットワーク懇親会 メニュー発表

2008-05-23 20:42:51 | Weblog
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春季ネットワーク懇親会のメニューが決まりました。
今回のテーマは「初夏の南イタリア」

懇親会についての詳細はこちら




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北海道産アスパラガスのフリッタータ
Frittata di asparasi

フィノッキオとオレンジのサラダ
Insalata di finocchio e arancia

バジリカータ風ズッキーニのグリル
Griglia di zucchini alla Basiricata

ムール貝のオーブン焼き
Cozze alla leccese

トマトのリピエーノ オーブン焼き
Pomodoro ripieno

ナスのグリル シチリア風
Melanzane alla Siciliana

北海道産ホワイトアスパラのソテー
Saute di asparasi bianco

シチリア風カポナータ
Caponata alla Siciliana

自家製セミドライトマトのマリネ
Marinata di pomodori secchi

自家製黒胡椒のサラミ
Salame di pepe

千葉産鰯とジャガイモのサレルノ風重ね焼き
Sardine e patate alla Salernitana

能登産キンキのカルピオーネ カラブリア風
Carpione di scorfano alla Carabria

トラパニ風 茄子のパン粉揚げ
Meranzana alla Trapanese

千葉産鰯のパスタ シチリア風
Spaghetti con acciughe alla Siciliana

仙台産メカジキのシチリア風カルピオーネ
Carpione di pesce spadaalla Siciliana

静岡産背黒鰯のマリネ カプリ風
Marinata di acciughe alla Caprese

静岡産背黒鰯のマリネ シチリア風
Marinata di acciughe alla Siciliana

豪州産羊肩肉のマルサラ煮
Brasato di agnello con vin marsala

タラッリ
Taralli

季節の果物のピッツァ
Pizza di frutta



日伊相互文化普及協会

スローフード詣で

2008-05-01 15:35:38 | Weblog
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スロー、ナチュラル、グリーン、ロハス、などなどといった言葉に関わっている日本の団体の中には、「近寄りたくないなあ」と思えるような人がたくさんいます。

「今年はスローフードの大会があるからねえ、いや~、たいへんだわ!!」、
「そりゃあ、行かないわけにはならんだろうね!」
「忙しいのよ、大会に行くから!!!」
鬼の首を取りに行くようですねえ。よほどのことをしに行くつもりでいるのでしょうか。
彼らの言う大会とは偶数年にトリノで行われるスローフード協会主催の食品見本市、サローネ・コン・グストのことです。



スローフードのイベントはいろいろありますが、ここではサローネ・デル・グストのような屋内イベントと、町全体の屋外や屋内を会場にしてしまうオルヴィエート・コン・グストのようなイベントについて触れてみます。

まず、サローネ・デル・グストの評判ですが、最近はマイナーな噂を多く聞きます。
巨大企業がスポンサーになってからスローフードの趣旨がずれてきた、出展食品の質が低下してきた、イヴェントに来る人たちも・・・(行った人たちに申し訳ないので書きません)。



ある賞を受賞したという、サローネ・デル・グストの出展オリーブオイルを試飲した時のこと。
日本の人たちは口々に「美味しい!」「さすが!!」と褒め称えていました。
でも、私は「まさか?!」と思いました。
私のほかにもう一人「全然いいと思わないけどなあ・・」とつぶやいた日本人が一人いました。その人はイタリアに住んで、で食について学んだ人です。



また、このイヴェントを見に来るたくさんの人達がかっぱらいや置き引き、スリなどの被害にあっています。
近隣諸国で、普段良からぬことをしている人達が、かきいれ時とばかりに寄ってくるのです。
今や被害は甚大で、警察も手が回らないほどだそうです。
私の知り合いの日本人たちも被害にあってます。

けれどもこのイヴェントは「スローフード詣で」をするには便利です。
誰でも世話なく行けるのですから。





町全体が会場になるイヴェントの内、オルヴィエートで催されるオルヴィエート・コン・グストの場合。
ゆったりと落ち着いて、文化的、学術的な雰囲気に包まれています。
城壁の中の、町全体が博物館といわれる中世の面影をそっくり残す、街全体が会場となります。
このイヴェントに来るのは文化人や食品関係者、教育関係者、「まとも?」なスローフーダーが主です。



食品や食材の展示はドゥオーモ広場です。
料理を食べる会場となるのは、ローマ時代に建てられた市庁舎だったり、もと貴族の館や枢機卿の屋敷、修道院といったところの庭園です。




3600年前にエトルリア人が建設した、オルヴィエートの真下にある古代地下都市の一部も料理会場になります。
前菜からデザートまで毎年内容は違い、その年のテーマを表現します。
参加するには事前に手続きを踏んで、届け出る必要があります。
チケットは市庁舎やスローフード協会の把握している人たちに渡されます。




スライドや同時通訳機を使う講演会やセミナーは屋内会場で行われます。
こちらも招待された人たちや、事前に聴講を申し込んだ人たちが入れます。
講演が終わった後、世界中からピックアップしたツマミやワインがふるまわれます。

料理会場や講演会会場、セミナー会場には混雑はありません。
以前、管理がゆるかったのか、料理会場に長蛇の列ができ、食べる時間が大きくずれ込んだことがありました。
以後、そうならないようにしています。





自治体の管理が行き届いているのでとても安全です。
かっぱらいやスリ、置き引きなどにハラハラせず、ゆったりと楽しめます。

このようなイヴェントには「スローフード詣で」タイプの日本人はいません。
日本からの登録の方法を知らない人がほとんどのようです。
また方法を探ろうという人たちもいないようです。
めんどくさいから、簡単に誰でもいけるところへ行けば楽です。






スローフード協会本部のあるブラの町も、参詣客がたくさんいます。
サヴォイア王家の影響を受けたブラの町の景観はかわいくて、田舎町特有の落ち着きがあります。
歴史の好きな人にはいいですが、大型観光目的の人にはマイナーな所かもしれません。
ブラに来る日本の人たちは、ただ町をブラついて帰っているようですが、中には本部の建物前に来て、なんとか本部の中に入れないものかとウロチョロします。

中に入っても特に何もなく、どうってことがないんですが。
木製の、ギシギシと音の鳴るような階段を上ると、スローフード協会の本部事務室があって、中にはコンピゥタと本、スタッフがパラパラ。
一般的な事務所とは特に変わったものはありません。いえ、もっとノホホン、のんびりとした、素朴な雰囲気です。
中には入れてくれません。お仕事の邪魔になりますから。



一階のレセプションのカタツムリマークの前で、日本から持参した自分の生産物を手に写真を撮る人もいます。
その写真、何に使うのかなあ・・・。

イタリア人に聞いたのですが、お昼ごはんのワインで酔っ払った日本人たちが本部の前で大声を出したり、1階のレセプションで空威張りをしたりしたそうです。
また、女を連れて来いと、同伴の通訳に言い、通訳を困らせたこともあったそうです。
女とは「お商売の人」。その日本人は官庁の方だったそうです。





世界70ヶ所のスローシティに指定されているカサルベルトラメ市は豊かな水田地帯、町の中心にはスローフード館があります。
スローフード館に入るにはあらかじめ市に申し込みをする手続きが必要で、突然行っても入れません。

そのカサルベルトラメの市長室でテレジオ市長から「こんな人たち知ってる?」と何枚かの名刺を見せられました。日本語だけで、ローマ字印刷はありません。
「日本語はさっぱりだし、持っててもねえ。あげるよ」とテレジオ市長がいうのですが、私も持っててもしょうがないです。

この名刺の人たちは、ある日いきなり市庁舎に来て「スローフード館の前で市長と写真を撮りたい」と。
テレジオ市長は写真くらいならと、応じました。



彼らは市長と一緒の写真を撮ると、すぐにカサルベルトラメから去ったそうです。
市長は町が誇りにしている農業博物館と、世界中から傑作を集めた屋外美術館の見学を薦めたのだそうですが、彼らには関心がなかったようです。
その後、挨拶の葉書などはないそうです。

その後日本で、ある全国の食関係イヴェントがあって、覗いてみたことがありました。
ひとつのブースで一人の女性から名刺をもらいました。
「はて?」
テレジオ市長が私に見せた名刺の日本人だったのです。
「カサルベルトラメへ行って市長と写真を撮ったのはあなたたちだったのですか?」と私。
「しちょお~? はあ~、あの田舎のじいちゃんねえ~、はははっ」と彼女。

私は言葉を失って彼女のブースを去りました。
写真を撮るために、日本語しか書いていない名刺を平然と残してきた人たちに「田舎のじいちゃん」と呼ばれたテレジア市長・・・・。


スローフードは伊勢神宮やバチカン、メッカのように詣でるものではないと思います。
「スローフード詣で」がステータスになるとでも・・・?

笑われるだけで、まともな日本人の邪魔になるだけではありませぬか?

日伊相互文化普及協会       Emi