日伊相互文化普及協会

日伊相互文化普及協会のブログです。

ネットワーク懇親会のお知らせ

2007-01-24 15:08:39 | Weblog
皆様のネットワークを広げていただきたく、イタリア料理を囲んで談話会を催すことになりました。
場所は御茶ノ水のイタリアレストラン、イザベラ・フェッラーラです。



料理講師やソムリエさん、料理カメラマン、芸術家や文学家、食文化研究家、ワイン好きやイタリア好き、食いしん坊などの集まりです。
この会での出会いが、未来へのご活躍につながれば幸いと存じます。


料理担当はレストランのオーナーシェフ、谷本英雄さんです。
谷本さんはイタリアで最も古い歴史と権威のある、アルトゥージ司厨士協会の日本支部の会長を勤めておられますが、腰の低い柔和な、質問には優しく答えてくれる人です。
イタリア料理の腕ではイタリア政府から名誉賞を受賞しています。
またモンテ物産の料理教室で講師を勤めておられます。



日本料理もお得意で、毎年エミリア・ロマーニャのテアトロ・ベルディでは懐石料理のイヴェントを催され、売上金を事故や病気で親を失った子供たちの就学援助金に当てています。この催しのファンは年々増え続けています。

楽しいこと大好き、食べること大好き人間、歓迎です。

参加ご希望は2月5日(月)までにメールか電話、ファクスでお知らせください。
日伊相互文化普及協会 Tel&Fax 047-462-1583 uc-japan@m9.dion.ne.jp

2月10日(土)18:00~
参加費用 9,000円 イタリア料理、ワイン、コーヒー付
場所 リストランテ・イザベラ・フェッラーラ イザベラの間
東京都千代田区神田小川町2-6 Tel 03-3259-9933
JR御茶ノ水駅聖橋口 徒歩5分
地下鉄千代田線新御茶ノ水駅B3-B5出口 徒歩3分

【スローフード・古代麦ファッロ】

2007-01-19 16:52:50 | Weblog


「雑草はすんぐ伸びるが。だども、きれーな花あ、咲きようなあ」
トスカーナのオリーブ林の脇の小道、ジュゼッペ爺さんは薄紫色の花ダイコンに目を細めた。
「おんや、こりゃあ」花ダイコンの陰から爺さんを見ている雑草があった。
「昔ぁ、こりでパン焼えたし、ミネストラん中も入れと。だあ、あちい日、トマトといっしょんしたサラダはうめかったの、パスタもええが。はあ、絶滅しとんでなかったのかいの」
それはスペルト小麦、イタリアではファッロと呼ばれていた古代麦だった
食卓にでも飾ろうかと、ジュゼッペ爺さんはファッロを手折って家路に向かった。



大学で農科学を教えている息子と市役所で働いている息子の妻が昼食に戻り、二人の子供も小学校から帰ってきた。
ジュゼッペ爺さん一家の昼食が始まった。
「週末はいんげん豆畑の雑草を抜くぞ、お前たちも手伝えよ」息子は子供たちに言った。
「種蒔きん時期、当たったでなあ」ジュゼッペ爺さんはほほえんだ。

リボリータを食べ終えると、息子の妻が鶉の炭火焼を取りにキッチンへ立った。
子供たちはパンを千切ってはじき飛ばし始めた。パンはテッラコッタの花刺しのファッロに当たった。
息子は子供たちをなだめようとして花刺しに眼を留めた。
「じっちゃん、これ・・・」息子は父親を見た。
「この麦は香りがいいけえの」と爺さん。
「香りだけじゃないよ、栄養価もメチャクチャ高いんだよ」と息子。
「あら・・・」鶉を持ってキッチンから戻った息子の妻がファッロに眼を近づけて小さな声を上げた。
この日のジュゼッペ爺さんの家族の昼食は夕方の4時まで続いた。
「早速、大学で話すよ」息子は腰を上げた。
「私は市役所で会議を開くわ」妻は車の鍵を探しながら言った。
子供たちは部屋で宿題を始めるふりをし、ジュゼッペ爺さんはファッロの生えていた小道に自転車に乗って急いだ。
ファッロを復活させる活動が始まった。



ファッロは1万年前から栽培されていた。土壌や天候の影響を受けず、強靭な性質で害虫を寄せ付けない。肥料をやらずともよく育つ。
しかし生産量が現在の流通麦に比べて低く、殻が厚いため精製に手間がかかる。
量産の利点と安易さに押され、いつしかファッロの姿は見られなくなっていった。
絶滅したと思われていたが、このたくましい古代麦は雑草と共に生き残っていた。
この素晴らしい小麦を復活させようという活動は瞬く間に燐州のウンブリアにまで広がり、やがてイタリア全土で復活のために人々が力を注ぐようになった。
今では様々な料理法で、食卓に上っている。

ファッロの栄養価は普通の麦と比べると抜きん出て高い。栄養は麦の中心にあるため脱穀をしても栄養はそっくり残る。普通の麦には含まれない栄養やミネラルも豊富だ。
香りが良いのと健康や美容に良いこと、また食感が豊かでおいしいと、現在多くの人たちに好んで食べられている。
医師たちは健康を害した人たちに、免疫機能をあげるために積極的に摂るようにと指導をしている。
最近ではエイズなどの感染症治療やがん治療の副作用の治療食としても注目を浴びている。



【ファッロの食べ方】
●粉にしてパンやパスタに。
●サラダに
・ファッロを1時間水に漬け、柔らかくなるまで茹でる。茹で上がったら水気を切る。(栄養は茹で汁に流れ出ない)
・きゅうり、トマト、ピーマン、さらし玉ねぎなどを加え、オリーブオイル、酢、塩、胡椒で味を調える。(野菜は好みのものを。ハムを加えても良い)
*ポイント。モチモチ感を残すため、茹ですぎないこと。
●スープ
・ファッロが九文目ほど柔らかくなったら、好みの野菜と肉、又は魚介類を入れ、塩や胡椒で味を調える。トマトベースのスープも良い。
●ミックス野菜や好みの野菜のカポナータと混ぜても。





古代麦ファッロについて詳しくはこちら
日伊相互文化普及協会 公式HPはこちら
                             Emi

【健康・レオナルド・ダ・ヴィンチの薦め】

2007-01-09 19:14:41 | Weblog


レオナルドは菜食だったとする説がある中、定期的に肉を食べていたとレオナルドの友人たちは書き残している。彼の発明品の中には挽き肉機もある。
健康に気を使っていた彼はアトランティコ手稿に健康法を記している。

・食べたくないときには食べてはいけない。
・夕食はよく煮たもの、素朴な料理をよく噛んで食べること。
・腹を立てたり暗い顔をしない。
・食卓を離れたら横にならず昼寝はしない。
・ワインは軽めを食事とともに少しずつ。
・ワインは胃が空の時には飲まない。
・トイレは我慢をせずに、ためらわず。
・運動をするなら小さな動きを。
・腹ばいになったり、頭を低くしない。
・夜は寝具をよく掛けて眠ること。
・頭は休め、心は爽快に。
・色欲を避け、食養生をすること。

ふんふん、なるほど・・・・・、違う、違う、なるほどじゃないものもひとつある。
食べたら「ふ~、喰った、喰った」と言って横になりたい。そのまま昼寝ができたら天国だ。牛になってもいいとさえ思う。
第一、イタリア人はお昼ご飯のあと眠るじゃないの。私の知り合いはみんな寝室へ行きたがるけど。
レオナルドはお昼ご飯のあと、何をしていたのかなあ。勉強?絵を描く?発明?
レオナルドはイタリアのエコノミックアニマルだったのかしら。

それと色欲を避け、とあるけどみんなが色欲を避けたらこの世に人間がいなくなってしまう。
私生児のレオナルドは子供の頃に言っている。結婚によってできた子は不浄だと。
密会の果てに生まれた自分こそが正しい子供なのだと。
なんだかよく分からなくなってきた。
とにかく、子供の頃のレオナルドは、かなりひねくれた子供だったらしい。


     レオナルドの生家
彼はここで生まれ、5歳まで育った。母親に置き去りにされたレオナルドは、村の中心地にある領主の父親の館に引き取られ、育てられた。


                                   Emi


【スローフード・黒米ビーナスのリゾット】

2007-01-04 12:08:47 | Weblog
三が日も過ぎて、おいしいお米が食べたくなった。
お酒も飲んだし、このあたりで健康を考えてもいいのでは、と私はビーナスという名の黒米でリゾットを作ることにした。
冷蔵庫をゴソゴソ、シイタケと玉ねぎ、乾燥トマトを入れる。パルメザンチーズは切れていたので振り掛けないことにした。

リゾットが出来上がった。
一口食べるごとに、身体がきれいになって力が湧いてくる気が。国内産の黒米に比べると断然コクも甘みもある。

黒米には大きな健康効果があって、イタリアではお医者さんが薦める自然食だ。
このビーナスは黒米の中でも特に群を抜いて栄養価が高いことが、世界各国の黒米の調査結果で証明されている。

ビーナスは世界のスローシティに指定されているカサルベルトラメの、「米の父」と呼ばれているチリオさんだけに生産が許されている。
もうすぐ100歳になるチリオさんのお父さんは背筋がすっきりと伸び、現役で田んぼに出ていて、収穫期にも大活躍だ。毎日チリオさんと同じように動いている。

カサルベルトラメの市長も毎日のようにビーナスを食べるという。70代の彼は20代の若者のように颯爽と歩き、頭も切れる。実に精力的で、私はいつも付いて行くのがやっと。

今年からせっせとビーナスを食べよう。ビーナスのようにきれいになるよ、とチリオさんも市長も言っていたし。
                                 Emi

黒米ビーナスは日本へ輸出をしていません。入手を希望される方は、こちらにご住所や量をお知らせください。

uc-japan@m9.dion.ne.jp

生産者のチリオさん、又はカサルベルトラメのスローフード館から直送します。


黒米の健康への作用はこちらをご参照ください。

【スローフード・レンズ豆】

2007-01-01 12:06:06 | Weblog
1月1日日本時間の朝8時6分、オルヴィエートにいるSちゃんから電話がかかってきた。
8時間遅れのイタリアは今新年を迎えたばかり。
「プロントッ(もしもし)」
何がプロントよ、あなたは日本人でしょ、で、私も日本人よ。彼女が浮かれまくっているのがよく分かる。
「キャーッ、聞こえるーっ? 爆竹の音、聞こえるーっ? キャーッ、キャーーーーーッ」
起きたばかりでまだボーッとしている私にSちゃんは嬌声をあびせて一方的に電話を切った。きっと彼女は今から家に帰って、みんなでお正月料理を食べるのだろう。

お正月の伝統料理は地方によって様々だけれど、レンズ豆はどこでもよく食べられる。
豆の形をお金に見立てて、食べることで縁起を担ぐのだ。
食べ方はズッパにしたり、野菜や肉と一緒に煮たり。
私は牛蒡や大根、人参などと煮て、和風味で食べたことがある。

皆さん、今年もよろしくね。お便りやメールをお待ちしています。
                               Emi