日伊相互文化普及協会

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秋季懇親会のお知らせ

2008-10-29 17:06:33 | Weblog
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10月のイタリア研修が終わり、もう11月に入ろうとしています。
日にちのたつのは早いですね。



11月29日(土)に秋季懇親会を行います。
また皆さんとお会いできるのが楽しみです。



今回の会場はお茶の水のイタリアレストラン、イザベッラ・フェッラーラのオーナーシェフだった谷本英雄さんが、銀座に新しく開いたばかりのお店です。
生パスタに重きを置いていてお店の名前はパステランテ・ノンニーノ。
ノンニーノにしたのは谷本さんが自分はおじいさんだからだと。

このお店には谷本さんのサポーターがいます。
イタリアのフェッラーラ市からきたシェフのエミリオさん。
今後二人で仲良くやっていくそうです。

開店後のパーティは私たちの懇親会が最初だそうで、二人は張り切ってメニューを考案中とのことです。
メニューが決まりましたらブログ上にて発表しますので楽しみにしていてください。

詳細はこちらのページをご覧下さい。

日伊相互文化普及協会         Emi

異常に低い電子レンジの普及率

2008-10-24 11:42:02 | Weblog
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前回の研修ブログを書き終えないうちに、また、食文化研修を終えてしまいました。
10月2日から10月14日までだったのですが、私は一人、9月の29日からみんなより先にオルヴィエートへ。
成田を出てローマ、そしてロカンダ・ロサーティに着いたのは夜10時になっていました。



道すがらの高速道路、日本と同じで夜間は食料を積んだトラック、トラック、トラック・・・。
同じじゃないのは連なる長さ。追い越し車線を走り、抜いても抜いても終わらない。
「300メートルくらい続くこともあるよ」とハンドルを握りながらエンリコは言いました。
食べ物の国という実際をマジマジと見ました。



今回の研修中に、私はウンブリア州、トスカーナ州、ロンバルディア州のあちこちで電子レンジについての意見をいろんな人に聞きました。
電子レンジの普及率が異常に低いイタリア。
37年間で私が見たのはたった2回だけです。
見てはいませんが、
「私、電子レンジ持ってるの、使ってるのよ」
と言ったのはシチリア在住の礼子さん。

イタリア人のコメント。
「この頃冷凍の食材を解凍するのに使う人も出てきたわ」
「若い人で使う人もいるそうよ、都会では」
「電子レンジに料理させるの? ハハハ」
「まずそうだな」
「めんどくさそう」
「俺たちの文化にはいらないさ、オーブンがあるもの」
オーブンと電子レンジとは別物だと思うのですが。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
・・・の人はなんてこたえていいか分からない、または興味の範疇には全くないので聞かれていることの的が分からない人達です。



電子レンジ、ロカンダ・ロサーティにあったんです。
「え?」と思わず好奇心をそそられました。
シェフのパオロの奥さん、アルバが友人からもらったそうです。
その友人は他の友人から。みんないらないと言って最後にアルバのところに来たのです。



アルバはロカンダの厨房の役に立つかもと思ったようですが、パオロは2度ほど使ってみて「つまらない」と言ったそうです。
しばらくは調理代の上に置かれていたものの、誰も見向きもしないので、調理代の下の収納場所の奥にしまわれてしまいました。

イタリア人に電子レンジの人気がない訳、分かった気がします。
料理にはスリルが伴います。自分の勘次第で傑作も駄作もできます。
食材、グラム数、タイムが同じであれば、誰もが同じ結果を出せるような解凍や調理は退屈なのかもしれません。



プライドの高いシェフたちや、食べる人を思いやる母親にとって、料理は自分の力を最大限に発揮することのできる生きがいでもあるでしょう。
そしてその時、その時の料理は唯一限りのもので命を注ぐといってもオーバーではないかもしれません。
簡単な解凍にしたって、自分の能力のもとで管理したいのではないでしょうか。

また家族がバラバラではなく一緒に食事をするイタリア、そして、温かな料理の残り物は、手を加えて新しく生まれ変わらせてからテーブルにのるイタリアでは温め機能をあてにした電子レンジは必要ないのでしょう。

最近は都会で電子レンジを使う人も出てきたと聞きました。
遠距離通勤などで昼食休みに家に帰る時間が短くなった家庭で使っているのでしょうか。

日伊相互文化普及協会       Emi