日伊相互文化普及協会

日伊相互文化普及協会のブログです。

電子レンジとイタリア人

2007-12-20 15:52:01 | Weblog
日伊相互文化普及協会 HPはこちら

美津子さんという女性はオルヴィエートの男性と結婚して、12歳のかわいい息子をもうけました。
その息子の学校では毎年校外授業の一環で日本文化の勉強をしに、私や私の一行の泊まるアグリトゥリズムへ来ます。
日本食や日本人が懐かしい美津子さんは、息子に付き添うという名目で毎年一緒にきます。



美津子さんは結婚した当初、生活習慣の違いにずいぶん戸惑ったそうです。
一番最初に彼女が嘆いたのは、結婚祝いに美津子さんのお父さんが新婚の二人に送った電子レンジ。
夫は「いらない!」と言って拒んだことだそうです。
理由は「いらない」のが理由だそう。
「日本では毎日使ってたのに・・・。ああ、電子レンジが欲しいわあ」と美津子さん。



私は36年間、日本とイタリアを行き来していましたが、先々月の10月まで、電子レンジを見たのは1度だけでした。
日本人ビジネスマンがよく泊まる、ミラノのビジネスホテルの一室、そこは共同で冷蔵庫が使えるようになっていて、電子レンジが置いてありました。
他のホテルでは見たことがありません。
どこの料理学校でも見たことがありません。

私の友人たちの家庭でも見たことがありません。
友人たちは中流家庭です。
中には家の中にエレベーターがあって、お手伝いさんを雇っている家庭もあります。
大学教授や高給取りの医者、財産持ちの貴族たちもいます。
そう、電子レンジが買えないわけではないんです。またケチだというわけでもありません。



イタリア人は臆病です。
日本と同様に、外国の企業から農薬を使って生産性を高めるよう薦められた事がありました。そしてやってみました。
通常の育成期間が大幅に短縮、倍増する作物。これを見てイタリア人は得体の知れない不安に駆られたといいます。
そして、従来の農法に帰ったそうです。



防衛本能が優れているともいえますね。
電子レンジは異型蛋白を作る、とイタリアで聞いたことがあります。
全てのイタリア人がこのことを知っているわけではないと思いますが。
金属の箱に入れるだけ、あっという間に野菜が煮える。あっという間に冷たい料理に湯気が立つ・・・。
このことに得体の知れない不安を抱くのかもしれません。

ミラノの腐れ縁のばあさん、マリアンジェラに「電子レンジ買う気ないの?」
というと、ギロッ、と上目遣いで私を睨んで「オンダ・ミクロンデーッ?(マイクロ波かいっ)」と言い「フンッ」鼻息をならしました。



ボローニアのアンナは最初、質問の意味が分からないといった顔をしました。
そして「美味しくないんじゃないの、料理じゃないような気がするけど」と言いました。
料理学校の先生たちもきっと同じことを言うんじゃないかしら。



日伊学院でイタリア語講師をしていたエリアーナは、お医者さんの娘です。
彼女が「日本の幼稚園で電子レンジを見た」と驚くので「どこにでもあるわよ」と言いました。
「病院にもあるのか?」とエリアーナ。
「ある!」と私。
彼女は黙ってしまいました。

イタリアで電子レンジとの2度目の遭遇をしました。
10月のイタリア文化研修で、カターニアのアグリトゥリズモに泊まった時。
広大な封建貴族の別荘の敷地内には母屋と離れの屋敷がいくつも点在していて、私たちメンバーはいくつかのグループに分かれて敷地内の離れの屋敷に寝泊りをしました。



ある朝、母屋での朝食時に私たちのメンバーの一人がパック入りご飯を持ってきて、アグリのセニョーラに「温められますか」と聞きました。
シンヨーラは「あら、あなたの泊まってる屋敷のキッチンに電子レンジがあるのよ」と答えました。

「えええーっ!」と私。
そして「あなたたちは電子レンジを使うのか」とシニョーラに訊くとシニョーラは「まさか」。
シニョーラによると、このアグリには日本人がよく泊まり、パックご飯を電子レンジで温めてくれというのだそうです。
それで離れの屋敷に1台だけ置いたのだそうです。



電子レンジをフル活用する日本人、関心のないイタリア人。
日本人とイタリア人は似ているという人もいますが、根底に流れる思想や生活文化は全く違うように思えます。

日伊相互文化普及協会          Emi.

エノテカ・ディ・シチリア

2007-12-17 14:48:30 | Weblog
日伊相互文化普及協会 HPはこちら



魚市場で遊んだらお腹が減りました。
で、楽しみにしていたエノテカへ。
フェデリコとフェデリコのお父さんのアルドが待っていました。
フェデリコは早速Zibibboの白を抜きました。





料理は全てシチリアの伝統的な料理です。
前菜はチーズの盛り合わせ。フィオーレ・シカーノとラグサーノ、カプラのチーズ、ジャム添えです。
フィオーレ・シカーノにはオレンジのジャム、ラグサーノには木苺、カプラには葡萄のジャムがよく合います。
ラグサーノチーズは6ヶ月熟成させたものが一番美味しいそうで、これはその6ヶ月ものです。
私はラグサーノチーズが一番好きでした。



プリモピアッティはスパゲッティ・コン・アッチューガとパスタ・ディ・トラパネーゼ。
スパゲッティにはアンチョビが絡めてあって、ソースはチーズのクリームです。
これってそうめんをコンガリと揚げたような麺なんです。
お代わりしたいほど美味しかったのですが、まだまだ先があるのでやめました。



パスタ・ディ・トラパネーゼはパレルモ近郊にある塩で有名なトラパニの料理です。
にんにくと砕いたアーモンド、トマト、バジリコを使ってます。
トラパニには私の協会の現地サポートスタッフの礼子さんが住んでいて、ラ・ターボラというお料理教室をやっています。とてもステキな人です。パレルモに行ったらトラパニまで足を延ばして礼子さんを訪ねてみてください。



セコンドピアットはカポナータとサルデ・モリーナ。
カポナータには茄子、ピーマン、セロリ、トマト、松の実、オリーブを使ってます。

サルデ・モリーナ、これはパン粉とチーズを混ぜたものを小鰯で挟んで揚げたもの。
これはほとんどの日本人が好きでしょう。最高です。



デザートはシチリア名物のカッサータとフィーコ・ディ・インディア(サボテンの実)、そしてヴィーノ・コット、モスタルダ・ディ・ヴィーノ・コット。
ヴィーノ・コットは葡萄汁を煮詰めて作るもの、10ℓの葡萄の液から2ℓが取れるそう。気長に、気長に煮るそうです。
葡萄の収穫期限定もののデザートです。
これらのデザートにはヴィーノ・ドルチェ・ジビッボがよく合います。





フェデリコは日本にもいたことがあって、家族ともども日本びいきです。
Enoteca di Sicilia 、カターニアに行ったら寄ってみたらいいでしょう。親切にしてくれますよ。

日伊相互文化普及協会         Emi

ジャンルーカ先生来日・トスカーナ料理講習会のお知らせ

2007-12-06 17:16:37 | Weblog
日伊相互文化普及協会 HPはこちら

当日伊相互文化普及協会の顧問であり、ルッカ・イタリア料理学院、校長のジャンルーカ・パルディーニ先生が来日し、料理講習会を行います。




             トスカーナ料理講習会
            
             2008年1月14日(月)祭日

             主催;ホームメイド協会
            協力;日伊相互文化普及協会

           場所;ホームメイド協会有楽町教室
   午前の部 10:30~13:30 受講料、試食共10,000円
   午後の部 14:00~17:00 受講料、試食共10,000円

講習会後にジャンルーカ先生との懇親を図る、イブニングパーティを行います。
18:00~20:00 参加費用 5,000円 (食事、デザート、お茶、コーヒー、ワイン)

パーティ時にジャンルーカ先生関連の著書とイタリア食材の紹介、販売をいたします。


著書:イタリア食文化の紀元と流れ 2,200円
   パスタ手打ち道 1,533円

食材:野生ハーブティ
   カラブリアの岩肌に自生する野生のオレガノとローズマリーのブレンド。
   血行を良くし、代謝を促進。美肌、デトックス、冷え性改善などにイタリアの俳優さんたちが愛飲。2,940円

   ポルチーニ茸
   生を冷凍した使いやすい角ダイスです。一袋500g入り1,200円

   パルマ産生ハム 50g×3パック6,800円

   スペイン・イベリコ豚骨付き 約750g6,800円

  その他、南イタリアDivwlla社のパスタ類、Memos社のワインなど



申し込みはホームメイド協会ファクス、03-3276-0567まで。
参加希望の内容を書いて送ってください。
お名前、ご住所、連絡先をお忘れないよう。


午前の部の講習会とイブニングパーティに参加を希望します。
伊太利亜 伊太子
274-1111千葉県市川市市川町市川○-XX-△ 電話、ファクス048-***-****


午後の部の講習会に参加を希望します。
伊太利亜 伊太男
588-8888神奈川県川崎群狢村字狐○○△ 電話、ファクス069-***-****

12月21日までにホームメイド協会より、郵便にて当選通知をお届けします。




ジャンルーカ先生について。
若干21歳でフランス、オルレアンのイタリア料理店の総料理長に就任。
のちルッカ学院の紀元となるシエナのチェンニーナ料理学院の校長を務める傍ら、アメリカ、ヨーロッパ、日本でイタリア料理の普及活動を行う。
チェンニーナ料理学院はルッカに移転、引き続き校長を務める。
2004年、イタリア政府司厨士協会より、グランデ・マエストロ・ディ・クチーナ(料理の巨匠)の称号を与えられる。
現在、この称号はイタリア国内で10人が認定されています。

寒くなってきましたので、お風邪をひかないよう気をつけてくださいね。


日伊相互文化普及協会       Emi