日伊相互文化普及協会 HPはこちら
ギリシャやアラビア半島、南ヨーロッパではヨモギは古くからあって、エジプトではピラミッドを建てた時の際の奴隷たちのスタミナ源になったんだだそうです。
小麦に混ぜてパンみたいに食べたんでしょうかね。
砂糖やオイルは貴重、奴隷の口に入るものではないから、お菓子や天麩羅ではないでしょう。
イタリアではヨモギはアッセンチオといいます。俗語ではサン・ピエトロの草なんだそうですが、この俗語を知っている現代人はあまりいません。
イタリアでの食べ方ですが、カンパーニャ地方の田舎ではフリットにして食べるそうです。
北では蕎麦粉に混ぜたり、南ではパスタに入れたり、またお菓子に使う地方もあるそうです。
日本と同じで伝統的なものが遠くなっていく今、私はイタリアでヨモギの料理を食べたことがありません。
ベローナ郊外、アディジェ川のほとりでヨモギの群生を見て、「食べようよ」と一緒にいたミラノの腐れ縁の世話焼きばあさんに言ったことがあります。
ばあさんはめんどくさい、という顔をしました。
そして「薬効のあるものは毒もあるんだよ、背丈のあるヨモギの上から15センチより下は肝臓に刺激が強すぎるんだ」
一番一般的な食用はリキュールです。
「健康にかけて、ヨモギは万能だよ」とジャンピエロはいいます。
険しい道や山歩きの時には、ヨモギの葉を靴に敷くと足が疲れないそうです。
でも、靴や靴下がヨモギ色に染まりそうですねえ。
またヨモギは悪魔よけの草ともいわれます。
「ヨモギはタリスマーノなんだよ」とジャンピエロは言います。タリスマーノとは災いを遠ざけることなんだそうです。
アルト・アディジェ地方、ドロミテ山中の避暑地で友人のベッピの家族とひと夏を過ごしたことがありました。
用があってふもとのベッピの家に下りた時、近所のおばあさんと話をしました。
背筋は真っ直ぐ、シャンと歩き、ハキハキ話すおばあさんは98歳でした。
話は魔女のことになりました。
「このあたりは箒に乗った魔女が夜、空を飛ぶんだよ」
その種の魔女の名前も聞いたのですが忘れました。(思い出したいです。誰か知ってたら教えてください)
「悪魔よけの草を軒に吊るしておくと家の中を覗かれないんだ」
その草はヨモギ。
こんなことを語る人は消えつつあります。
昨日、オルヴィエートのシモーナから、イタリアスローフード協会プロジェクトのひとつ、「味の箱舟(庇護食品)」にピックアップされた、最新版イタリアの食品リストが送られてきました。
196種の中には「ナポリのサンマルツァーノ」も入っていて、あれ? と思いました。
消えていきそうなものを庇護しようというのがこのプロジェクトなんですが、ナポリにはサンマルツァーノ・トマトは溢れていて、膨大な量を輸出してます。
イタリア人が、ナポリ人が、サンマルトァーノ・トマトを手放すかしら?
サンマルツァーノなしではイタリア人は生活をやってけないのでは。
消そうと思っても消えませんよ、これは。
サンマルツァーノを選ぶ前に庇護した方がいいものはいっぱいある、それは食の文化でも・・・・。
過去にたくさんの人たちの役に立ってきたヨモギの文化。
イタリアでもう一度返り咲いてほしい。
日伊相互文化普及協会 Emi
ギリシャやアラビア半島、南ヨーロッパではヨモギは古くからあって、エジプトではピラミッドを建てた時の際の奴隷たちのスタミナ源になったんだだそうです。
小麦に混ぜてパンみたいに食べたんでしょうかね。
砂糖やオイルは貴重、奴隷の口に入るものではないから、お菓子や天麩羅ではないでしょう。
イタリアではヨモギはアッセンチオといいます。俗語ではサン・ピエトロの草なんだそうですが、この俗語を知っている現代人はあまりいません。
イタリアでの食べ方ですが、カンパーニャ地方の田舎ではフリットにして食べるそうです。
北では蕎麦粉に混ぜたり、南ではパスタに入れたり、またお菓子に使う地方もあるそうです。
日本と同じで伝統的なものが遠くなっていく今、私はイタリアでヨモギの料理を食べたことがありません。
ベローナ郊外、アディジェ川のほとりでヨモギの群生を見て、「食べようよ」と一緒にいたミラノの腐れ縁の世話焼きばあさんに言ったことがあります。
ばあさんはめんどくさい、という顔をしました。
そして「薬効のあるものは毒もあるんだよ、背丈のあるヨモギの上から15センチより下は肝臓に刺激が強すぎるんだ」
一番一般的な食用はリキュールです。
「健康にかけて、ヨモギは万能だよ」とジャンピエロはいいます。
険しい道や山歩きの時には、ヨモギの葉を靴に敷くと足が疲れないそうです。
でも、靴や靴下がヨモギ色に染まりそうですねえ。
またヨモギは悪魔よけの草ともいわれます。
「ヨモギはタリスマーノなんだよ」とジャンピエロは言います。タリスマーノとは災いを遠ざけることなんだそうです。
アルト・アディジェ地方、ドロミテ山中の避暑地で友人のベッピの家族とひと夏を過ごしたことがありました。
用があってふもとのベッピの家に下りた時、近所のおばあさんと話をしました。
背筋は真っ直ぐ、シャンと歩き、ハキハキ話すおばあさんは98歳でした。
話は魔女のことになりました。
「このあたりは箒に乗った魔女が夜、空を飛ぶんだよ」
その種の魔女の名前も聞いたのですが忘れました。(思い出したいです。誰か知ってたら教えてください)
「悪魔よけの草を軒に吊るしておくと家の中を覗かれないんだ」
その草はヨモギ。
こんなことを語る人は消えつつあります。
昨日、オルヴィエートのシモーナから、イタリアスローフード協会プロジェクトのひとつ、「味の箱舟(庇護食品)」にピックアップされた、最新版イタリアの食品リストが送られてきました。
196種の中には「ナポリのサンマルツァーノ」も入っていて、あれ? と思いました。
消えていきそうなものを庇護しようというのがこのプロジェクトなんですが、ナポリにはサンマルツァーノ・トマトは溢れていて、膨大な量を輸出してます。
イタリア人が、ナポリ人が、サンマルトァーノ・トマトを手放すかしら?
サンマルツァーノなしではイタリア人は生活をやってけないのでは。
消そうと思っても消えませんよ、これは。
サンマルツァーノを選ぶ前に庇護した方がいいものはいっぱいある、それは食の文化でも・・・・。
過去にたくさんの人たちの役に立ってきたヨモギの文化。
イタリアでもう一度返り咲いてほしい。
日伊相互文化普及協会 Emi