日伊相互文化普及協会

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谷本英雄シェフのエッセンス

2007-02-21 18:49:18 | Weblog
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共にイタリアへ行った人たち、また、当協会にゆかりのある人たち30人が集まった。
料理講師や料理カメラマン、コックさん、デザイナー、オペラ歌手、OL、執筆家、食品生産者、温泉やエステティックの関係者など職種は様々。

料理に当たってくれた谷本シェフは、パーティ会場となったレストラン、イザベラ・フェッラーラのオーナー。
20種類の料理と多種類のデザートを紹介。
【アンティパスト】
・パルマ産生ハム、サラミ、モルタデッラの盛り合わせ
・岩のりとイカのイタリア風オムレツ
・蛸とゼラチンテリーヌの薄切り
・ソーセージとほうれん草のパイ包み
・甘エビとイカ、帆立のマリネ
・仔牛と豚、鳥のパテ
・マルケのブリオーシュ
・アンティパストの盛り合わせ
・ペペローネのマリネ







【プリモピアット】
・スパゲッティ・ペスカトーレ
・ポルチーニ茸の手打ちタリアテッレ
・和牛入りスパゲッティ・アーリオ・オーリオ
・生ハムとほうれん草のタリアテッレ、ババリーナ風
・ピッツァ・マルゲリータ
・ピッツァ・ジェノヴェーゼ



【セコンドピアット】
・アリスタ、ローストポテト添え
・ゴルゴンゾーラを詰めたポレンタ





【ドルチェ】
・3種のデリーツィア(リモーネ、ババ、ボネ)
・パンナコッタ
・4種のシャーベット(ラズベリー、焼きリンゴ、バジリコ、バニラ)


「みなさん、いかがですか?」
と谷本シェフがイザベラの間に入ってきた。

「おいしいですよっ」「最高!」「ボーノッ」「ボニッシモ!」とみんな。
谷本シェフを知らない人もいるので私は改めて紹介をした。

イタリアのフェッラーラでは両親のいない子供たちのために、毎年チャリティーで日本料理を紹介していること、そして日本の各地でも子供たちのために無料で料理を作っていることも。
谷本シェフは「いや、それは・・・・・」とモジモジと下を向いた。
そして、ふた呼吸ほどのあと、「私は・・・・」とつぶやくように言いだした。

谷本シェフは1歳のときに両親を亡くしていた。のちイタリア料理のシェフを志してイタリアへ渡り、修行を積んで、イタリア政府から名誉賞を授けられるまでに、歴史あるアルトゥージ司厨士協会の日本支局長を任命されるほどの優れたシェフとなった。



谷本シェフは言う。親のない自分は多くの人に支えられてきて、今日がある、感謝の気持ちを伝えるには、自分ができることをして、喜んでいただきたいのだと。
温和で優しい性格の谷本シェフのまなざしには、彼がたくさんの人に愛されているのがうかがえる。
そして谷本シェフの料理には優しさが溢れている。

イザベラ・フェッラーラ
千代田区神田小川町2-8 03-3259-9933

                                 Emi

2007年6月度 イタリア アグリトゥリズモと食文化研修旅行のお知らせ

2007-02-12 12:25:01 | Weblog
日伊相互文化普及協会20周年記念・日本とイタリアの共同企画
イタリア研修・アグリトゥリズモと食文化
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16期イタリア研修のお知らせ 

テーマは「アグリトゥリズモと食文化」です

ワクワクの足跡を残しませんか?

イタリア人は日本食にとても関心を持っています。訪問先でお料理を作ってみませんか?

歓喜すること間違いなしです。

納豆や梅干は苦手なようですが、大好きというイタリア人も中にはいます。たいていの人が喜んで食べそうな納豆調理法はありますか?

イタリアで流行らせてみたいお料理もご紹介ください。

また、書道や空手、漫画など日本独特の文化のご紹介も大歓迎です。




期間2007年6月25日(月)~7月3日(火) 9日間 前泊、延泊自由

訪問先 
ピエモンテ州(テッラ・マードレ金賞受賞ワイナリー宿泊)  
トスカーナ州(ルッカ国際イタリア料理学院宿泊)  
ウンブリア州(スローフード協会オルヴィエート会長運営アグリトゥリズモ宿泊)

・ スローシティ認定都市の見学。
(ブラ、オルヴィエート、カサルベルトラメ、トーディ)
・ スローフード大学の見学。(協会本部役員のレクチャー)
・ スローフード館の見学。(カサルベルトラメ市長の案内)
・ スローフード協会本部レストランにて会食
・ トスカーナ料理講習。
(グランデ・マエストロ・ディ・クチーナ、ルッカ学院校長による指導)
・ ワイナリーの見学と試飲会。(イタリア政府公認ソムリエの案内と説明)
・ オリーブオイル精製所の家族との昼食会(典型的トスカーナ農家料理体験)
・ 生ハム、サラミ、ソーセージ製造所の見学(食育協会役員の案内)
・ 養豚農家の見学、米農家の見学、チーズ工場の見学
・ トスカーナ食材店の見学、古代地下都市の見学天空村チヴィタの見学
・ 古城の見学、サン・バレンタイン教会の見学
・ モンテカティーニ・テルメの見学、温泉入浴、ほか

研修旅行の様子は、こちらでご覧になれます。
日伊相互文化普及協会







                

協力
イタリアスローフード協会 イタリアアグリトゥリズモ協会 ルッカ・イタリア料理学院
オルヴィエート市  カサルベルトラメ市  モンテカティーニ市  イタリアワイン協会


参加費用32万円(渡航費用別途)宿泊費、食事代金、専用バスチャーター費、料理講習費、ほか試飲や見学に伴う費用を含む。
定員:12名厳守 申し込み〆切:2007年4月末日(但し定員になり次第締切らせていただきます)

問い合わせ・申し込み先  日伊相互文化普及協会
274-0822千葉県船橋市飯山満町3-112-100-701 
Tel&Fax 047-462-1583
e-mail : uc-japan@m9.dion.ne.jp
HP : http://www.h6.dion.ne.jp/~uc-japan/

ミラノ 治外法権? 神の家

2007-02-03 15:42:51 | Weblog
ミラノやローマなどの都会には、さまよう人々を庇護する施設があって、そこはカトリックのサン・フランチェスコ派が運営してます。
運営費は国内や世界中の企業や個人からの寄付金だけど、日本の企業や個人からの寄付は今も昔もありません。
小額でかまわないので寄付を募ってくれといわれて、何社かの日本の大企業に口をきいたことがありましたねえ。最初にコンタクトを持った担当者は以後訪ねても、永久に「多忙のため不在」の人となりました。



この施設には、出稼ぎ先を求めて来て見つかる前にお金が底を尽きた人、旅行中にパスポートやお金を盗まれた人、アパートを追い出されて行くあてのない人、仕事を失ってどん底生活にいる人、貧しくて治療を受けられない人、仕事をクビになってお金のない人、働く意欲を無くして社会からリタイアした人、社会復帰のために心の安らぎを求める人、リタイアを何度も繰り返す人など様々。国籍は問わない。もちろん日本人だってOKです。

ここは二週間がワンサイクルの受け入れ期間なので、その間に仕事や寝るところ見つけたり、送金を待ったりします。事情で期間が過ぎたら再申請も可。
ここのコトレッタ・ミラネーゼがあまりにもおいしくて、もうちょっと食べたいなあ、と思ったときも再申請をしてもいい、らしいですが、分かりません。



例えば、ある男がニセのパスポートで入国、就労ビザもなしに土木作業をやっていて首になったとする。祖国へ送金したあとだったので、一文無しになって、アパートも追い出されたりします。ニセのパスポートと就労ビザ無しなので、めったなところに仕事を求めて頼るわけにはいきません。彼はうなだれてここへやってきます。

ここはとても清潔で温まる雰囲気を持っています。ここの人たちは彼の身なりを見て、さぞ下着がボロで汚れているのだろうと、彼に新品の下着を渡します。靴もセーターもコートもくたびれて見る影も無い。「シニョール、今日は遅いので明日の朝にしましょうね、シニョールのサイズは?」と彼は言われて、自分のサイズを告げます。
彼は何日ぶりかのシャワーを浴びて、清潔な寝具でぐっすり眠りにつきます。


*人物撮影厳禁の為、この写真はイメージです

朝起きると、「昨夜のサイズものたち」が彼を待っていました。
彼はゆっくりと典型的なイタリアの朝食を食べます。
彼は「髪、伸びたなあ、くがみらくづめ、苦髪楽爪、」と2階の床屋さんへ。そのあと歯の治療室で、穴のあいた歯に詰め物をしてもらいます。
昼食の時間。彼は「30分間は食べてはいけませんよ」という歯科医の忠告を忘れて豊富なメニューの中から、サフラン入りのリゾットとリングイーネのアラビアータ、鶉のギオッタソース煮、モッツアレッラ・カッロッッア、茹でたブロッコリーとミックス焼き野菜、デザートには人参のチーズケーキとプディーノ、最後にコーヒーをいただきます。いただきながら「やっぱ、赤ワインの方が良かったかなあ」と迷いの眼でつぶやくのです。



食後に彼がゴロンとするとお腹がパンパンに張っていました。不安に思った彼は2階の診療所へ。食べすぎと分かって彼は安心しながら、去年、盲腸の手術をしたここの手術室を思い出して顔をしかめます。

「今日はゆっくりするか」と彼は図書室へ。イタリア語があまり読めない彼は自国語の漫画を見つけました。彼は自国語を読むのもあんまり得意じゃなけど、漫画は好きです。
夕食時、「昼、食い過ぎたからなあ、ちょっとにしとこ」と言いながらピッツァとラザーニャ、鶏のロースト、ポテトのロースト、ティラミスをダブルでチョイス。「ワインは身体にいいもんな」とつぶやいてグイッ。

これらは全部、完璧タダ。寝泊り、飲み食い、散髪や診察、治療、手術もタダ。
衣料品や帽子、靴は新品に近いお古ですが、ボランティア企業から新品をもらえることも多いのです。





ここにはいろんな事情の人が来ます。秘密を持ってる人たち、警官の前で顔を伏せる人たち、絶対に警察署の前を歩かない人・・・。
そんな人たちに配慮して、この施設には一般の市民は入れてもらえません。ここの施設が「見学してほしい」という人は入れてもらえるのですが「見学してほしい人」であったって絶対に、絶対に写真を撮ってはいけないんです。

警察の人は嫌われます。どんなに立派な理由があってもシャットアウト。ここにいるみんなのプライバシーはガッチリ守られていて、質問にもNO。もっともここでは個人のプライバシーに踏み込んでいませんが。

ここは神の家なんだそうですよ。神の家では不法入国者も指名手配者も他の人たちと平等なんですと。
しかし、断っておきますが、ここは警察に追われる人を警察から守るところではないんです。
ここに来る人たちの、心の平和と尊厳を守る「神の家」なんだそうです。

日伊相互文化普及協会
                                 Emi