夜明け前から3637mのマルダイピークで
まわりの景色が見えるのを待っていた。
ネパール。
マイナス五度くらい。
はあって手袋の手先を握りしめながら
暗闇から光のあるほうを眺めていた。
霜が下りてあたりの足元は白く、ヘッドライトで照らしても
白い霧が流れていて、
東のほうも、コバルトブルーからピンクが
霞んだりはっきり出たり、目が離せない光景だった。
アンナプルナ南峰
何色というんだろ。
右側はマチャプチャレ
ダウラギリ 8167m
いつも青空じゃなくて
いくら祈っても何も見えないときがあった。
でも突然、
雲が晴れて想像していたよりはるかに
美しくて心奪われる、心ときめく景色がそこにあった。
(やだ。やはり人生と同じ)
コプラダンダから3900mあたりへ稜線の
展望トレッキング。
すごいよね、魅せ方が。
マチャプチャレ 神聖な山で登山は禁止されている6993m
ガスっててなかなかダウラギリが見えなかったけど
最後の朝に見えた時はみんなすごい笑顔だった。
見たかったもの、それ以上のものが
見えた。
神様ありがとう
って自然に言いたくなる。
右上は雲がかかってて星がない。
今回は、天の川がダウラギリにかかっているところを
わたしは見損ねたの。お客さんの中には見れた方もいらしたみたい。
なので星の写真はまあまあ。これらは、アンナプルナ方面。(撮影を早々と切り上げたわたし)
でも、満点の星は、ずーっと眺めていた。
なんて綺麗なんだろうと。
私たちは毎晩こんな星天の下にいるのに、東京からは見えない。笑
なんてちっぽけな自分。ちっぽけな心。ちっぽけな悩み。
笑いたくなるし、どうしようもないことは考えるのをやめて
忘れよう。と。笑
ティハールの最終日にロッジの中庭で。
この美しい神々のいらっしゃる山々のふもとは
またほんとーーに素朴であたたかい。
だからみんなネパールにまた戻ってくるんだと思う。
毎日、薪ストーブで各国のトレッカーたちと語り合った。
このひとはネパール人で、いろんな歌を歌ってくれた。
この横顔と長いまつげ、誰かに似てるとか思いつつ。隣にすわって
眺めてた。笑
そこへ、スペイン人の若いカップルがきて、一緒に話した。
ワイルドな風貌だったわ。
アンダルシア出身という彼女のほうが、このギターで
ひきはじめると、こんどはそこにアンダルシアの別の風が流れたの。
はーたんと同い年の子供たちが野外活動のいっかんで
3660mのコプラダンダにゴミ拾いに上がってきていた。
一緒に歌を歌ったり、絵を描いたわたしたちのテーブル。
日本のことは知らないと言ってた。
もう少しふもとの2200mくらいの村に住んでいる。
夜21時頃にキッチンの(こんなふうな)片隅で
カレーを食べている男の子たちもいた。4600mの湖まで上がってきたとか。
なんか、集団とか規律を重んじる日本の学生たちとは
全然雰囲気が違ってて、みんなバラバラに
自由に楽しそうだった。