さあ、気持ちを入れ替えて、なんて心は微塵もない。SWIMが中止になった。運営の判断は正しい。が、泳ぎたかったと思う選手は少なくないだろう。『俺たちはデュアスロンにきたんぢゃねーーー!トライアスロンに来たんだ!!』と心で叫んでいたに違いない。黒い集団はトランジットに戻り再び準備をし直した。ウエットを脱ぐと寒さが一気に急上昇。RUNの準備を終えたちょうどその時、ビックサプライズが訪れた。なんとtwitterで知りあって最近親しく(?)やり取りさせてもらっていた、The Bike Journal作成者でもあるジャーナリストのケンジラ選手と海外を連戦しているエクステラ日本チャンプのプロ小笠原選手が自分のバイクを見つけて会いにきてくれた。『ぱねえ、ぱねえ、はんぱねえええええええ!!!!!』初めましてと今日の健闘を祈り、2人と固い握手を交わす。計り知れないネットのパワーを体感した。
早くも渋滞、皆『?』となり進んで行くと左側に数人のかたまり。脚から流血している選手をみた。落車だった。舗装路の勾配が少しずつ上がってくる。後を振り返らなかったが、SHINは見える位置にいたらしい。最後尾だったので抜かされる選手はいない。どんどん抜かしてゆく。約8km地点で、舗装路が終わった。さらにクライム。抜かすバイクを1台1台checkする。1人ゲイリーFの29erに抜かされた。最後まで彼を抜き返すことはなかった。特に調子が悪い事もなく進む。「This Is 王滝!wow!」的な景色が見え始め一気にテンションがあがる。『キターーーーッッ』 路面は基本ドライで快適だ。手足が長くてかなりキマっているBMCチームのジンガイ選手に抜かされる。スタートしてすぐパンクか何かでタイヤに空気を入れていた選手だ。12kmを過ぎた地点で下りが始まった。コーナリングが下手すぎる。タイヤの空気圧が高いのか下手なのか、何度もこけそうになる。慎重に進みながらも徐々にペースを上げてゆく。どんどん抜かす。BMC選手が見えた。下りが苦手らしい。おっそい。数人まとめてパスする。テンションが上がり早くも泣きたくなる。登り返しは20km過ぎ。頭の中ではストーンズが流れ、キースが俺の穴を叩く。BMCにガツンと抜き返される。