イバラノツルヒコの華麗なる生活

ボンソワール、今夜も僕と素敵な話をしよう

またしても亀

2005-08-04 19:40:28 | Weblog


この暑さでどこにも出かけたくないとは思ったんだけど、昨日銀行に行ったら忘れていたバイト代が振り込まれていて、それを見たらお金が入ったら買おうと思っていた本があったことを思い出した。そんな訳で今日は例の古書店まで行って、幸いなことにまだ僕が動かした場所にあった画集を買うことができた。

その帰り、駅前を少しふらついていたら、通りに横断幕やのぼりがたっていて、路上にちょっとした市場ができていた。手作りのガラス食器とか、鉢植えの植物とかが並んでいるむこうに、小さな人だかりができているのでのぞいてみると、そこでは亀を売っていた。小さな子供にまじって、なんだか見覚えのある後姿がしゃがみこんでいるので、もしかして…と思ったら、やっぱり「高橋製パン」の高橋さんだった。そういえば今日は定休日だっけ。奥さんが「すっかり亀にはまっちゃって」って言っていたけれど、本当にそうなんだなあ。というか、はまっていたのは「亀グッズ」かと思ったけど、とうとう本物にまで興味がうつったのか。

高橋さんは買うでもなくじーっと亀を見つめている。僕が横に行っても気づかないみたいなので、「亀、飼うんですか?」と声をかけると、「…ああ、ツルちゃんか。うん、飼いたいけどねえ。うちのがねえ」とかなんとか言っている。
なるほど、奥さんに反対されてるのか、と察しがついたので、僕はそれ以上は何も言わずに一緒になって金だらいの中の亀をながめた。中に一匹大きいのがいて、それがのそのそとたらいの外まで這い出してきて僕のほうにも前足(っていうのかな)をのばしてくる。よく見ると亀も結構可愛いかも。と思ったら店のおじさんに「指を噛まれんようにな」と言われた。

ひとしきり亀ウォッチを堪能すると、僕はさすがに暑くてそこを離れたんだけど、高橋さんはまだその場を動かなかった。大丈夫かなあと思ったけど、なんだか幸せそうなのでいいことにした。

それにしても、ちゃんとパン屋のほうは続けてくれるんだろうな、というのが常連としての心配ではあるのだけど。