イバラノツルヒコの華麗なる生活

ボンソワール、今夜も僕と素敵な話をしよう

手を振ること

2005-08-31 22:26:48 | Weblog


この前電車に乗っていたときのこと。窓からなんとなく外を眺めていたら、男の人が手を振っているのが見えた。へえ、いまどき電車に手を振るなんて、なんだかすごく素直な人かロマンチストかなあ、と思ってよくみたら、その人は小さい、まだ赤ちゃんくらいの子供と手をつないでいた。

そうか、子供に「あれが電車だよ」なんて言いながら、手を振っているんだな。
そう思ったら急に納得がいったんだけれど。

考えてみると、僕自身も最近すっかり遠くに向かって手を振るなんていうことをしなくなった気がする。友達がいたりすれば話は別だけど、それでも例えば姿が見えなくなってもいつまでも手を振ったり、ということはほとんどしていない。どうせみえないから、というのもあるし、周りに妙に思われる、っていう気持ちもあるんだと思う。

それで思い出したんだけれど、以前久しく会っていない友人からメールが来て、彼が見た印象的な光景、というのが書いてあった。バス停で、子供が友達を見送っていて、どうも相手の子供は目の見えない子で、やってきたバスに乗り込んだんだけど、見送った子供はバスにむかってずっと手を振っていたんだって。それで、僕の友人は、目の見えない友達にも手を振る子供の気持ちってすごい、って書いていたんだけど。僕はその光景に気づいて、感激している友人もすごいなあと思いながらそのメールを読んだんだっけ。

たまには電車かなにかにむかって、無心に手を振ってみるのもいいかもしれないね。