酔漢のくだまき

半落語的エッセイ未満。
難しい事は抜き。
単に「くだまき」なのでございます。

I won`t to raid my bicycle! 「ささやぁ」ごおぇ~ 最終回

2008-03-31 10:43:25 | 自転車の話
「酔漢、もうすぐ最高地点だっちゃ」
南側のカーブを曲がったとき、なかがわ君がこう言いました。
このあたりになりますと、酔漢、もう100m走ると、自転車を止めるという状態です。流石のなかがわ君もバテております。道はやや北側に続いております。
地図を確かめますと、そろそろ峠の頂上に近づいていることは確かでした。ただし、思っていた以上に、最後の登りは急高配でした。
「やっぱし、自転車、戻すんだな」
「こればっかしはね」
止まった地点から、やはり1mほど戻してからまた自転車にまたがります。
「酔漢、ちょっとあれ見ろや!」
なかがわ君が、曲がり道先の大木に掲げられている看板のようなものを指さしておりました。
「ほんとかや?」と、なかがわ君。
「なにっしゃ?」と、酔漢。
「ほれ、あそこさぁ何書いてあっかみたらいいっちゃ」
「どれ・・・・『くま出没地点』なぁにぃぃぃぃぃ」
くまの絵とそんな文句がかいてある看板でした。
「くまって、熊だっちゃな」と酔漢
「他に何かあっか?」となかがわ君。
「案外、近くさぁいたりしてなや・・」
「んで、いぐか」「いぐべ」
疲れが吹き飛びました。熊はやはりいるのでした。
(話は変わりますが、「ツキノワグマ」との遭遇は、花山のトザワ林道でした。いやー恐かった。大学の頃です)
ガッツを振り絞り自転車で走行。時間は12時30分近くでした。
「あれっ?」これは二人しての感想です。
「登り道がなくなってっちゃ」
「んだ」
「ってことは。『峠の頂上』だべ」
やったぁぁぁぁ。山頂制覇!完全走破!   まてよ。。。
「普通『峠の標識』ってねぇか?」
「あるよな。『二口』にはあったっちゃ」
そうなのです。標識がありません。
「なんか面食らったなや」
僕らはボトルの水を飲みながら、頂上で休憩。これから先登りがないという安心感はありました。(何よりそれが先の感想でした)
ですが  
「やったっちゃな」「うん、やったっちゃ」
達成感は、少しずつ湧き上がってまいりました。
「んで出発すっぺ。下りは、かなりハードだべ」
その通りでした。山形側の道は宮城側に比べて、急な下りでした。(逆に山形側からだったら登りはもっとキツイのです)
ガードレールがなく、曲がり道の先が見えません。反対側は、谷底です。
しかも、トラックの轍があちこちに、でこぼこを作っております。タイヤを取られないように注意しなくてはなりません。しかも、トラックの轍が新しいことから、休日とはいえ、トラックが現れないかとも限りません。
関沢の町が見えてきました。その町が見えてきたカーブを曲がった瞬間。(本当に瞬間でした)道がアスファルト舗装に変わりました。
タイヤの音がこんなにも静かなものなのだろうか。いつも走っている感覚がなんとも贅沢に思えてくるのでした。
関沢の町中にある、一件の雑貨屋に立ち寄り、自販機でコーラ。乾杯!
「笹谷は越えたけれど。まだ半分行程が残ってっちゃ」
なかがわ君の言う通りでした。
僕らは国道13号線を天道市へと自転車を走らせました。途中、少し遅いお昼を街道沿いのラーメン屋で取りました。
お馴染みの48号線を関山トンネルで。いつもの釣堀が見えてきました。
「ニジマス釣ったっちゃ」
仙山線沿い、作並「グリーングリ-ン」を左手に見て、鉄橋で有名な熊ヶ根へ、愛子を過ぎ、仙台市街地へ。帰りは本当に快適な行程でした。
仙台市内到着が午後3時。思っていたより早く到着です。
「んで、俺ここから帰っから」
「今日は、どうも。俺は塩竈まであと20km走んねぇくてねぇおん」

45号線を塩竈への帰路。自宅到着。午後4時半。
「どうだった」と最初に親父に会いました。
「自転車無事だったのか?」
おいおい、息子より先に自転車の心配かい?
「きつかったんだべ?」
「思ったよりきつかったっちゃ。んでも、今度は『二口』ばぁ狙ってんのっしゃ」
「風呂あっと。へえったらいいっちゃ」
風呂へ。足も腰もほとんど痛くはありませんでした。
「また、行きてぇなや」
峠登り途中「なして、こげなことしてんだべ」と考えていたことなど忘れております。

昨年夏。家族で帰省。車で蔵王へ。刈田へ向いました。
山形自動車を走ります。途中笹谷トンネル入り口。
「おめぇ、この上だべ。自転車で越えたのや」
「んだよ。高校のときっしゃ」
「親父、この山の上。自転車で越えたのか。よくそんな事思いつくもんだね」
と長男です。
「そこに峠があるからだっちゃ・・・てか」

走行距離約160km。高低差約900m。今では出来ないことです。ですが、この小さなチャレンジは、自分の糧として活きております。それと、自転車という人力を使った乗り物のすばらしさを再発見できましたのも、このおかげかとも思うのでした。

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2 コメント

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Bicycle race (六花)
2008-04-06 12:10:10
すごいです峠越え。これが自転車ツーリングなんですね~思わず地図で確認してしまいました。
この前初めて熊ヶ根・定義山まで数十キロ運転したのですが、それだけでも大変でした(^_^;)
どこまでもいけた十代の頃は永遠の思い出ですね…!
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六花様へ コメント御礼 (酔漢です)
2008-04-06 17:55:46
その通りですね。結局「二口峠」へは行く事ができませんでした。もし、行くことがありましたら、自転車と一緒はもう無理ですね。山歩きのほうがよいのかもしれません。
若いときにしかできない事はあるのですね。
さて、このブログにコメントを頂いております「丹治氏」ですが、同氏の話によれば、川崎町中から歩いて国道286号線を笹谷峠を越えて、山形市内から仙山線で仙台に戻ったそうです。
いやはや、歩いての峠越え。こっちの方が大変だと思うのです。 また六花様のブログにおじゃまいたします。よろしくお願いいたします
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