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月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

過保護?のはなし

2011年05月30日 22時30分43秒 | ふうわりふわり(坊守日記)

晩ごはんの仕度中、

わたしがアスパラガスの茎の根元の方の皮を丁寧に削いでいるのを息子が見て笑います。

「ん?どうしたん?」と言うと、

「この間は可笑しかったね」って息子。

 

実は少し前のこと・・・

ご院さんが、色鮮やかに茹でたアスパラガスをパクッといただかれたと思いきや

口の中でもそもそもそもそ・・・・

どうやら、取り残した皮の硬い部分がいつまでもお口の中に残っていて、飲みこみにくいようです。

出すわけにもいかず、飲みこむこともできず・・・

ご院さんは必死なのですが、わたしや息子から見ると「それくらいのことで・・・」とすこし可笑しい感じがしたのです。(ご院さん、ごめんなさい!)

でも、この様子ではご院さんはアスパラガス嫌いになってしまうだろうな・・・とも思えたほどでした。

 

そんなことがあったものですから、硬い皮が残らぬように丁寧に丁寧に削いでいたのです。

それを見て、「なかなか、気をつかうねえ」と息子が傍で可笑しがったというわけです。

 

できあがったお料理を(恐る恐る)食卓にならべて・・・「いただきます!」

気になるご院さんは、といえば、

なんのためらいもなく、おいしそうに、パクパクとアスパラガスをいただいています。

「あれ?この前懲りたんじゃないの?大丈夫?」とたずねると

「ああ、すっかり忘れとった!そんなこともあったねえ!」とご院さん。

拍子抜けするわたしと息子・・・

「けっこう、こまかいことまで気をつかってるのにねえ!」

 

「親の心、子知らず」ならぬ、「妻の心、ご院さん知らず」かしら・・・(笑)

 

阿弥陀さまが一心に私たち衆生を救わんがためにおはたらきくださるのに

衆生の方といえばその親心を忘れて背を向けて・・・

けれども阿弥陀さまは決して衆生のことを忘れてはくださらないのです。

そんなことをちらっと思いだし

“いくら衆生が忘れようとも、忘れてくださらぬ親ごころ”をもじって

「“忘れてくださらぬ妻ごころ”ですよ」

と恩着せがましく言ってみたのですが・・・

「ははは・・・どっかで聞いたことある言葉だねえ」とさらり・・・

そもそも、阿弥陀さまは恩は着せないのですから、浅はかなのはこのわたしでしたね。

 

なにはともあれ、ご院さんがアスパラガス嫌いにならなくて、よかった、よかった!

え?少し過保護じゃないか・・・って?

ええ、相当の過保護でしょうね(笑)

息子とお義母さんが呆れるくらいに・・・


供物感謝

2011年05月30日 20時48分34秒 | 仏々相念(住職日記)

お下がりさんを・・・

 

午前中坊守と二人でご縁をいただきました。

間の休みにお参りになられていたご門徒さんが、

「先日、孫がお世話になりました。メロン頂いたと喜んでいました。すいません、図々しく・・・」

寺子屋に来ている子のおばあちゃんでした。

「いえいえ、ウチはご門徒さんがお供えをさげてはことづけてくださるので、そのままを仏さまからお下げしているだけですから何の心配もいりませんよ。どうぞ、これからも心配なく遊びに来るように言ってくださ~い。」って坊守。

全くその通りで、ご門徒さんのお供えして下さるお仏飯をいただき、お供物をいただいてお育ていただくことです。

仏さまからのいただきものなのです。

だから、「有難くいただきます」なのです。

 

遠方からお参りされる方は、その土地のお菓子等をお供えされては、「どうぞ直ぐに召しあがってください」っておっしゃってくださいます。

お言葉に甘えて、包み紙を開けながら、

「珍しいお菓子だね」とか、「こんなお菓子があるんだね」「わぁ~、これ美味しそう!」ってそれぞれに感想をつぶやきながらいただいています。

 

土曜日にお参りして下さった大好きなご門徒さんは、折に触れてはお供え物を送ってくださるのです。

いつも丁寧に電話までいただき、「心ばかりのものをお送りしましたので召し上がってください。」

その度にお供えさせていただいた後、子どもと一緒に喜んで開けていたことです、

「うわ~、Sさんからだ~」って・・・

 

先日、そのSさんとお話しさせていただくのに、こうおっしゃいました、

「お嬢さんにお荷物をお送りなされるのもまた楽しみでしょうね」って仏さまのように微笑まれます。

あ~、そうなんや!やっぱり、そんな気持ちでお供え物を送ってくださっていたんだと確信したことです。

これを送ったら喜ぶだろうか・・・

キラキラ目を輝かせながら箱を開ける子どもや私たちを思い送ってくださっていたんだって・・・

勿論、愛するご主人様への想いもあるのでしょう・・・

有難いことです・・・

 

ご法要にと沢山のお供え物をあげていただきました。

なかには娘の大好きなモノもあり送らせていただこうと荷造りをしたことです。

これを開けたら喜ぼうか・・・

これ好きだったよね~・・・

食べてる顔が見えそうだよね~・・・

お子ちゃま住職は結構好きなものが娘とかぶる為大変です。

後でいただこうってキープしようと箱から出した「モンブランプリン」・・・

「3個組のプリン買ったのよ」って電話で聞くと泣く泣く箱に戻したことです。

 

ありがとうございます、ウチの仏の子もすくすくとお育ていただいていることです。

勿論、私も・・・