日本の花・花を詠んだ句

日本に咲いている四季の花・花を詠んだ句を紹介します♪

御地蔵や 花なでしこの 真ん中に

2017年07月26日 | 夏の花


暑い日が続いていますね。
昨日は土用の丑の日でしたね。
焼きたて鰻(うなぎ)と、炊きたてご飯で美味しくいただきました。
夏バテをしないように、食生活にも注意してお過ごしくださいね。

画像は、毎年たくさんの花を咲かせてくれている撫子です。
河原撫子(かわらなでしこ)という品種で、昔からある品種だそうです。
撫子といえば、可愛らしいピンク色のイメージがありますが、
白色は、とても清楚な感じで・・・
私は気に入っています♡

「御地蔵や 花なでしこの 真ん中に」

江戸時代を代表する俳人「小林 一茶(こばやし いっさ)」が詠んだ句です。

一茶は長い間、俳句修行の旅をされていたそうです。
当時の旅は歩き旅ですので、旅の安全を願って、
道端のあちらこちらに御地蔵さまがいらしたと思われます。

撫子は、夏と秋に花を咲かせます。
可愛らしい撫子の花に囲まれた御地蔵さまに、
手をあわせている優しい風景が目に浮かんできます。
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向日葵の ゆさりともせぬ 重たさよ

2017年07月19日 | 夏の花


今日は、日本列島の広い範囲で梅雨明けとなりました。
いよいよ夏本番となりますね。

画像は、一昨年の夏に咲いた大輪の向日葵(ひまわり)です。
春にタネを蒔いて、立派な花が咲きました。

「向日葵の ゆさりともせぬ 重たさよ」

明治時代から昭和時代初期に活躍された詩人・歌人「北原 白秋(きたはら はくしゅう)」が詠んだ句です。

◎ゆさりともせぬ→風を受けても揺れもしない・堂々とした

夏の厳しい暑さの中で、太陽の方を向いて凛(りん)として咲く向日葵は、
風に吹かれようとも揺れもせず、実に逞(たくま)しいですね。

向日葵の花言葉のひとつに「ずっと見守っています」という花言葉があるそうです。
一夏毎に大きく成長する子供たちを見守ってくれているようですね♡
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朝顔や つるべとられて もらい水

2017年07月12日 | 夏の花


今日も暑い一日でしたね。
我が家の朝顔が咲きはじめました。

「富士の空」と「富士の紅」いう名前の品種です。
二つ咲いているのが空、ちらりと見えているのが紅です。
これから夏本番となりますね。

「朝顔や つるべとられて もらい水」

江戸時代に最も活躍された女流俳人「加賀 千代女(かがの ちよじょ)」が詠んだ句です。

◎つるべ(釣瓶)→縄や竿(さお)をつけて井戸の水をくむ桶(おけ)
◎もらい水→よその家から水をもらうこと

早起きをして井戸へ行きますと、釣瓶に朝顔がからみついて咲いていました。
綺麗に咲いている朝顔を取ってしまうのは可哀想(かわいそう)だから、
そのままにして 近所へ水をもらいに行きましょう。

という情景を詠んだ句として知られておりますが、
千代女さんは、自然との共生をとても大切にされていた方でしたから、
すべての生物の源である “水の大切さ”を通して
“命の尊さ“への深い愛情も込められているように感じます。

千代女さんは、お父さんが表具師(ひょうぐし)というお仕事をされていた一般家庭で育った方だそうです。
表具師というお仕事は、掛軸(かけじく)、屏風(びょうぶ)、衝立(ついたて)、額(がく)、画帖(がじょう)、
巻物(まきもの)などの修理をはじめ、襖(ふすま)の新調、張替、障子(しょうじ)貼りなども行うお仕事です。

掛軸や屏風等に俳句や短歌などが記されていたのでしょうか?
幼少の頃から俳諧をたしなみ、12歳の頃に奉公先のご主人から俳諧を学ぶために弟子になり、
その後、16歳から73歳まで活躍し、1700余の素敵な句を残されました。

日常の何気ない風景を詠まれた句は、とても親しみやすくて心癒されますね♡
コメント (2)
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桔梗の花 咲く時ぽんと 言ひそうな

2017年07月05日 | 夏の花


7月(文月・ふみづき)に入り、暑い日が続いていますね。

小庭では2年前から育てている桔梗の花が、元気いっぱいに咲いています。
青紫の色がとても涼しげで、今夏も楽しませてもらっています。

「桔梗の花 咲く時ぽんと 言ひそうな」

江戸時代に最も活躍された女流俳人「加賀 千代女(かがの ちよじょ)」が詠んだ句です。

私も桔梗の蕾(つぼみ)を初めて見た時は、
花が咲く日が近づくにつれて蕾が大きくなり・・・
色も黄緑から青紫に変化し、
花が咲く直前には、さらに蕾が大きくなって・・・
青紫の色も、さらに濃くなっていく過程に興味深々でした。

江戸時代にも桔梗の花は親しまれており、
蕾は注目されていたようですね♡
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