日本の花・花を詠んだ句

日本に咲いている四季の花・花を詠んだ句を紹介します♪

和を以て 桔梗の五瓣 ととのへり

2024年07月09日 | 夏の花


7月に入り、連日厳しい暑さが続いております。
くれぐれもご無理をなされませんよう、お体に気をつけてお過ごしくださいね♡

小庭では桔梗が咲きはじめました。
今年は記録的な猛暑日が続き心配しておりましたが、
ふたつの花が仲良く咲きそろいまして・・・
可愛らしい花姿に癒されております♡

「和を以て 桔梗の五瓣 ととのへり」

昭和時代から平成時代にかけて活躍された俳人「丸山 海道(まるやま かいどう)」が詠んだ句です。

◎和を以て(わをもって)→仲良くすること

◎五瓣(ごべん)→5つの花びら

“和を以て”といえば・・・
聖徳太子の十七条の憲法の第一条に記されております、
「和をもって貴し(尊し)と為す」いう言葉が知られていますね。

“何事を行うにも人々が仲良く和合してゆくことが大切である”
もうすぐパリオリンピックがはじまりますが、
先日、戦争で悲しい表情をされていた選手の皆さんの姿に心が痛みました。

悲しい戦争が一日でも早く終わりますように・・・
きっと世界中の方々が平和を願い続けていらっしゃることと思います♡
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そよ風に 雲の匂ひや 夏薊

2024年06月28日 | 夏の花


今日は雨の一日ですね。
昨日までは暑い日が続いておりましので、少しほっとしています。

3月下旬ごろから友人の畑へお手伝いに行っておりまして・・・
お手伝いと言いましても、ほとんど役には立っていないのですが、
自転車で約30分ほどの場所に畑が広がっています。

畑には週1回ほどのペースで行っておりまして・・・
先日、道端に背丈が1m近くある大きな薊(あざみ)を見つけました。
とても大きな薊で、たくさんの蕾をつけて気持ち良さそうに咲いていました♡

「そよ風に 雲の匂ひや 夏薊」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「佐野 青陽人(さの せいようじん)」が詠んだ句です。

◎夏薊(なつあざみ)→初夏から夏の間に花を咲かせる薊・夏の季語

自転車でアップダウンのある山道を通って畑へ行っているのですが、
我が家の自転車は、変速機能がない普通の自転車で・・・
上り坂では自転車を引いて歩いています。

今月から気温が高く暑い日が続いておりましたので、
畑作業を終えた後は汗びっしょりで・・・
帰りの上り坂は大変なのですが、
山道ですので木陰を歩いておりますと、時々涼しい風が通り抜けます。
道端には紫陽花や薊などの初夏の花々が咲いておりまして・・・
季節の花々と採れたて野菜に元気をもらっています♡
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沙羅の花 見んと一途に 来たりけり

2024年06月11日 | 夏の花


6月に入り暑い日が多くなってきましたね。
こまめな水分補給を心がけながら体調に気をつけてお過ごしくださいね♡

三重県より素敵な画像とメッセージが届きました♡
“今朝、玄関を開けると沙羅(しゃら)の木の花(夏椿)が咲いていました。
毎年咲くのを楽しみにしているので、朝から嬉しくなりました。”

「沙羅の花 見んと一途に 来たりけり」

昭和時代に活躍された女流俳人「柴田 白葉女(しばた はくようじょ)」が詠んだ句です。

◎沙羅の花(しゃらのはな・さらのはな) → 日本では夏椿(なつつばき)・ 夏の季語

沙羅の花(夏椿)は、朝に咲いて夜に散る・・・
たった一日だけの “無常の花” として古くから愛でられています。

清楚な白い花には気品があり、
“はかない美しさ” に多くの人々が魅了され続けていますね♡
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紫陽花や 帷子時の 薄浅黄

2024年05月23日 | 夏の花


小庭の紫陽花(あじさい)が色づきはじめました。
四季咲きの紫陽花を小さな苗から育てて6年目になります。

昨年は樹高を低くする剪定にチャレンジしておりまして・・・
無事に花芽がでてくれるか心配しておりましたが、
樹高もなんとか1m弱くらいで花が咲いてくれました♡

「紫陽花や 帷子時の 薄浅黄」

江戸時代を代表する俳人「松尾 芭蕉(まつお ばしょう)」が詠んだ句です。

◎帷子(かたびら)→夏用の衣
 帷子時(かたびらとき)→帷子を着る季節

◎薄浅黄(うすあさぎ)→浅黄色を薄くしたような淡い黄色
 浅黄色(あさぎいろ)→薄い黄色

芭蕉は、薄浅黄色の夏衣を着ていたのですね♡
“あさぎいろ” には「浅黄色」と「浅葱色」の二つの色があります。
それぞれの色は全く違う色です。

<浅黄色>:薄い黄色
黄色は、苅安(かりやす)という草、黄蘗(きはだ)という木の皮、クチナシの実など、
今でいう “草木染め” で染められていました。

<浅葱色>:ごく薄い藍色
浅葱色は、藍(あい)で染めた時の薄い藍色。
薄い葱(ねぎ)の色にも似ていることから浅葱色と呼ばれるようになりました。

二つの “あさぎいろ” は、平安時代から使われていた色名です。
江戸時代よりも遥かに色をつくることが難しかった時代・・・
色に対する想いは、とても深かったことと思われます。

平安貴族の女性たちの正装とされていた十二単(じゅうにひとえ)など・・・
衣装でも繊細な色の変化を楽しまれていました。
源氏物語の登場人物たちも、美しい十二単や狩衣(かりぎぬ)を身にまとっていますね♡
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芍薬や 棚に古りける 薬箱

2024年05月13日 | 夏の花


昨日は母の日でしたね♡
小庭では日本芍薬(にほんしゃくやく)が満開を迎えました。
いつも母の日のころに綺麗に咲いてくれます。
球根から育てて七年目になります。

今年は5月に入ってから白と薄いピンクが咲きはじめまして・・・
その後、濃いピンクが咲きはじめ、一昨日に満開となりました。

「芍薬や 棚に古りける 薬箱」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「水原 秋桜子(みずはら しゅうおうし)」が詠んだ句です。

◎芍薬(しゃくやく)→夏の季語

芍薬の花は、開花から三日程度で花が終わります。
我が家の日本芍薬は、花が終わりに近づくにつれて薬のような香りがします。

芍薬は、古くから薬草としても活用されておりまして、
現在も漢方薬に使用されているとのことから、
なんとなく漢方薬の匂いに似ているようにも思います。

この句を詠まれた水原 秋桜子は、
名前に秋桜(コスモス)の花の名前が入っておりますが、男性の俳人です。
本業は産婦人科医で、ご実家の病院が皇室御用達の産科であったことから、
秋桜子もたくさんの皇室の赤ちゃんを取りあげられていたそうです。

芍薬は、昔から漢方薬として極めて重要な植物とされておりましたので、
医師としても大切にされていた植物の一つだったことと思います。

また、「ホトトギス四S(シイエス)」の一人としても知られています。
ホトトギス四Sとは、水原 秋桜子、山口 誓子(やまぐち せいし)、
阿波野 青畝(あわの せいほ)、高野 素十(たかの すじゅう)の四人ことで、
共通のイニシャルをとって四Sと呼ばれていたそうです。
ちなみに四人とも男性の俳人です。

当時、俳句雑誌「ホトトギス」の黄金時代を築いていた四Sの方々が詠まれた俳句は、
現在もたくさんのファンの方々に愛され続けています♡
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風さけて 入り日涼しき 菖蒲の日

2024年04月27日 | 夏の花


もうすぐ端午の節句ですね。
先々月に陶器の雛人形の画像を送っていただいた方より、
素敵な画像が届きました♡

とても可愛らしい陶器の五月人形ですね。
“鯉のぼり”と “お道具”も、とても可愛いですね♡

「風さけて 入り日涼しき 菖蒲の日」

江戸時代に最も活躍された女流俳人「加賀 千代女(かがの ちよじょ)」が詠んだ句です。

◎入り日(いりひ)→沈みゆく太陽・夕日・落日
◎菖蒲(あやめ)の日→端午(たんご)の節句の別名・夏の季語

端午の節句は五節句のうちの一つになります。
端=はじめ、五月最初の午(うま)の日=午(ご)と五(ご)の文字の音が同じということから、
奈良時代以降、5月5日が “端午の節句” として定着してゆきました。

江戸時代には、菖蒲(しょうぶ)=武士を重んじる=尚武(しょうぶ)の節句として、
武家の間で盛んに祝われるようになります。
家の後継ぎとして生まれた男の子が無事成長してゆくことを祈念し、
一族の繁栄を願う重要な行事となり・・・
端午の節句=男の子のための節句として定着してゆきました。

また、“菖蒲(しょうぶ)の湯” に入ることから “菖蒲(しょうぶ)の節句” という別名もあります。
ちなみに菖蒲湯の菖蒲は、花を咲かせる花菖蒲(はなしょうぶ)とは異なる植物になります。

◎葉に香りのある菖蒲=葉菖蒲=サトイモ科の植物
◎花菖蒲=アヤメ科の植物=端午の節句の頃に咲く花

現在では “こどもの日”=子供たちの成長を祝う日として定着していますね。
爽やかな香りの菖蒲湯には、リラックス作用・血行促進の効能があるそうです♡

近所の公園には、美しい菖蒲(あやめ)の花が咲いていました。
これから色とりどりの花菖蒲も見頃を迎えますね♡
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白さるすべり 風に膨らむ 夕まぐれ

2023年08月20日 | 夏の花


残暑お見舞い申し上げます。
お盆を過ぎましたが、連日にわたり厳しい暑さが続いています。
くれぐれもご無理をなされませんよう、お身体に気をつけてお過ごしくださいね♡

夕方に自転車で走行しておりましたら、道沿いに “白さるすべり”が咲いていました。
風にゆれて涼やかに咲く花姿に癒されました。

「白さるすべり 風に膨らむ 夕まぐれ」

昭和時代から平成時代に活躍された女流俳人「渡邉 千枝子(わたなべ ちえこ)」が詠んだ句です。

夏から秋にかけて(約百日)、ふんわりとした紅色の花を次々に咲かせることから、
漢字では「百日紅(さるすべり)」と書いて「ひゃくじつこう」とも呼ばれています。

俳句の季語では、白色の花は「百日白(ひゃくじつはく)」というそうです。

暑い夏の盛りに美しく咲く百日紅と百日白・・・
江戸時代に中国から伝来し、当時は神社や寺院などに多く植えられていたそうです。
現在は街路樹などとして親しまれていますね。

大きな樹木の下は、夏の日ざしを避ける木陰ををつくってくれます。
木陰から見上げる夏空と、ふんわりとした美しい花々・・・
毎年楽しみにしている夏の風景です♡

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *
台風7号により被害にあわれた皆様に心からお見舞い申し上げます。
皆様の安全と一日も早い復旧を祈念しております。
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蓮白し もとより水は 澄まねども

2023年07月25日 | 夏の花


各地で梅雨明けが発表されて厳しい暑さが続いていますね。
くれぐれもお身体に気をつけてお過ごしくださいね♡

三重県の親戚の方より蓮(はす)の画像が届きました。
今年は開花が早く、見頃のピークは過ぎてしまいましたが、
まだ咲いてくれていた花々を見ることができたそうです。

真っ白な白蓮(びゃくれん)は、ほんとうに美しいですね。
古くから「蓮の花は 泥より出でて 泥に染まらず」と言われておりまして・・・
“清らかな心”のような美しい花として親しまれています。

「蓮白し もとより水は 澄まねども」

江戸時代に最も活躍された女流俳人「加賀 千代女(かがの ちよじょ)」が詠んだ句です。

◎蓮(はす)→夏の季語
◎もとより→昔から
◎ども→ ・・・けれど

先日、京都に居ります義母が安らかに天国へ旅立ちました。(行年八十五歳)
蓮の花は仏教とも深い関わりがありますね。
蓮の花の上に仏様が座られていたり、仏像の台座には蓮の花があしらわれています。

仏さまになったお義母さんは蓮の花の真ん中に座って・・・
私たちを笑顔でずっと見守ってくださっていることと思います♡

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *
秋田県の記録的大雨により、
被害にあわれた皆様に心からお見舞い申し上げます。
皆様の安全と一日も早い復旧を祈念しております。
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百合咲けば 百合の高さに もの思ふ

2023年06月15日 | 夏の花


関東地方も梅雨入りが発表され、雨が降ったりやんだりのお天気が続いています。
この時季は気温が上がり蒸し暑くなったり、気温が下がり梅雨寒になったり・・・
どうぞ体調に気をつけてお過ごしくださいね♡

梅雨の時季の花と言えば・・・
紫陽花(あじさい)が見頃を迎えておりますが、
道沿いに紫陽花と一緒に元気に咲いている百合(ゆり)の花を見つけました。

花が上向きに咲いているので「スカシユリ」という品種になります。
スカシユリの原種は、海岸の砂浜や山地に自生しています。
江戸時代に栽培種がつくられ、日本を代表する園芸種になったそうです。

「百合咲けば 百合の高さに もの思ふ」

昭和時代から活躍されている女流俳人「小檜山 繁子(こひやま しげこ)」が詠んだ句です。

小檜山さんは樺太(サハリン)で生まれ、
女学校時代(中学生)に敗戦を迎え、
昭和22年(1947年)、お父様の故郷である福島県へ移られたそうです。

私の義父も小学生の頃に樺太で過ごしておりまして・・・
昭和19年(1944年)にお母さんと弟さんを病気で亡くし、
引き揚げ船で北海道へ渡り、終戦を迎えました。

当時は小学校5年生で、
だんだん戦争が激しくなり、食べるものが少なくなり・・・
栄養失調が原因で多くの方が犠牲になっていた戦況を話しておりました。

終戦後、小檜山さんは青春期の大半を結核療養所(東京)で過ごされ、
療養所で俳句を学ばれたそうです。
療養所句会には車椅子で出席されていたそうです。

夏に美しく咲く百合の花々・・・
戦争を体験された方の様々な想いが込められているようにも感じられます。

現在、ウクライナとロシアの戦争が続いています。
悲しい戦争が一刻も早く終結され、安心して平和に暮らせるようになりますことを
世界中の人々が願っていることと思います。
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あぢさゐの 鞠のかなたの 空のこる

2023年05月31日 | 夏の花


明日から6月ですね。
雨の日が多くなり、梅雨入りする地域も増えてきました。
東海・近畿地方では、10年ぶりに5月の梅雨入りとなったそうです。
雨で気温の低い日が続いております。
お風邪などひかれませんよう、お身体に気をつけてお過ごしくださいね♡

小庭の紫陽花(あじさい)も綺麗に色づいてきました。
透き通った空のようなブルーの紫陽花です。

「あぢさゐの 鞠のかなたの 空のこる」

昭和時代に活躍された女流俳人「柴田 白葉女(しばた はくようじょ)」が詠んだ句です。

◎あぢさゐ→紫陽花(あじさい)
◎鞠→まり
◎かなた→あちらこちら

四季咲きの紫陽花を小さな苗から育てて5年目になるのですが、
剪定する箇所や時季を誤ってしまいますと花が咲いてくれなっかったり・・・
また、花の下から2〜3節目を剪定することが推奨されておりますが、
そのように育てておりましたら、1メートルを超えるくらい大きくなってしまったり・・・
色々と苦戦しながら育てております。

試行錯誤している中・・・
花が終わりかけの6月〜7月(梅雨明け前)でしたら、
低い位置でも元気そうな脇芽があれば、
その脇芽の上で剪定しますと背丈を低くすることができますし、
花芽がつくられる前の剪定になりますので、
翌年も開花してくれる可能性が高いことを教えていただきました。

そして、冬に落葉して休眠期に入ってから、
花芽を残して古い枝や交差している枝を剪定し、樹形を整えてあげるのが良いそうです。
ちなみに、ぷっくりした丸い形が花芽、尖った形が葉芽になります。
理想の樹高をキープしながら毎年開花させることは、とても難しいとおっしゃっていました。

何度も失敗ばかりで花が咲かなかったり、大きくなり過ぎたり・・・
紫陽花もビックリしているかもしれませんね。

剪定をしないと品種によっては、2m〜3mほどまで大きくなるそうです。
自由にのびのびと育ててあたいところですが、
我が家の小庭では難しい状況です。
今年は一段と大きく育ち、たくさんの花を咲かせてくれました。

四季咲きの品種ですので、あまり大きくなり過ぎるのも負担になってしまうようです。
教えていただいた剪定をしながら、大切に育ててゆきたいと思っております♡
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