日本の花・花を詠んだ句

日本に咲いている四季の花・花を詠んだ句を紹介します♪

石垣に 金糸梅咲く 在家かな

2017年06月28日 | 夏の花


雨上がりに、金糸梅(きんしばい)にとてもよく似た花を見つけました。
画像は「未央柳(びようやなぎ)」という名前の花です。

金糸梅は、江戸時代(1760年頃)に中国から渡来し、
梅の花に似た黄色い花で、
花から伸びているたくさんの「おしべ」が、まるで金糸のような姿から
その名が付いたと言われています。

「石垣に 金糸梅咲く 在家かな」

大正時代から昭和30年頃まで活躍された俳人「吉田 冬葉(よしだ とうよう)」が詠んだ句です。
この句は「鶯 竹里」という別号で詠まれています。
正しい読み方はわかりませんが「おう ちくり」、「よう ちくり」でしょうか?・・・

◎在家(ざいけ)→出家していない人、仏教の信者

鮮やかな金糸梅が咲いている家から、お経が聞こえてきたのでしょうか?
終戦後の風景のように感じられました。
きっと金糸梅の小さな可愛らしい花々が、心を癒してくれていたのでしょうね。
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紫陽花や はなだにかはる きのふけふ

2017年06月21日 | 夏の花


紫陽花(あじさい)が見頃を迎えていますね。
画像は、近所に咲いていた「額紫陽花(がくあじさい)」です。
よく見かける華やかな品種と比べますと少し地味な感じですが、
個人的には、静かに咲いている額紫陽花の方が好きです。
ちなみに額紫陽花は、紫陽花の原種だそうです。

紫陽花は、6月(水無月・みなづき)の季語として知られていますね。
著名な俳人や歌人たちが詠まれた句にも多く登場しています。

「紫陽花や はなだにかはる きのふけふ」

明治時代を代表する俳人・歌人「正岡 子規(まさおか しき)」が詠んだ句です。

◎はなだ(縹)→薄い藍色(あいいろ)
◎きのふけふ→昨日(きのう)、今日(きょう)

紫陽花は、雨の日には色が濃くなったり・・・
咲く場所や時期によっても色が変化しますね。

この句は、紫陽花の様子を「時の移ろい」に重ねて詠まれた句だそうです。
明治34年(1901年)から20世紀がはじまりました。
この時代、多くの人が「時の移ろい」を感じられていたのかもしれませんね。
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