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日本の花・花を詠んだ句

日本に咲いている四季の花・花を詠んだ句を紹介します♪

文学に 執す額澄み 白つつじ

2023年04月15日 | 春の花


4月になり、近所の学校では子供たちの元気な声が聞こえています。
通学路沿いには、ピンクや白のつつじが綺麗に咲いていました。
中でも透き通るような白つつじがとても綺麗で・・・
しばらく見入っておりました♡

「文学に 執す額澄み 白つつじ」
 
昭和時代に活躍された女流俳人「柴田 白葉女(しばた はくようじょ)」が詠んだ句です。

◎執す(しっす・しふす)→深く心にかける・とらわれる・執心(しゅうしん)する
◎白つつじ→春の季語

つつじは、日本では古くから親しまれており、
日本最古の和歌集「万葉集(まんようしゅう)」にも登場しています。

名前の由来は、花が連なって咲く様子から「つづき」・・・
花が筒状に咲く様子から「つつ」などと呼ばれており・・・
次第に「つつじ」と呼ばれるようになったと言われています。

今年は桜の開花も早かったですが、つつじの開花も早いですね。
近所には小学校、中学校、高校が隣接しておりまして・・・
新一年生たちの一生懸命な様子を見ておりますと、とても微笑ましくなります。
通学路のつつじたちも、子供たちを応援してくれているようです♡
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人声に ほつとしたやら 夕桜

2023年03月30日 | 春の花


関東地方では、桜が咲きはじめてから雨の日が多く、
今日は久しぶりに晴れて穏やかな一日となりました。

夕方に自転車で走行しておりましたら、
あちらこちらで桜を楽しまれている方が多くいらっしゃいました。

小学校の校門前の立派な染井吉野(ソメイヨシノ)たちは満開で・・・
たくさんの花びらが道脇に積もっていました。

川沿いには立派な大島桜が並んでおりまして・・・
真ん中の1本だけが満開で、他の木は蕾の状態でした。
いつも訪れている方のお話では、
咲きはじめる木の順番は、毎年違っているとのことで、
「今年は真ん中から咲きはじめましたな。」と笑顔でおっしゃっていました。

画像は、古くからある神社の入り口付近の桜です。
この辺りはアップダウンが多く・・・
坂を下りたところに目印のように立派な桜が咲いていました。
夕日に照らされて、ほんとうに綺麗でした。

古くから大切に守られてきた小さな神社・・・
平安時代の頃、神社周辺は”天神地祇の御座所(てんじんちぎのござしょ)”として敬われていたそうです。
江戸時代には”鎮守社(ちんじゅのもり)”とされ、現在も地域の方々に大切に守られています。

「人声に ほつとしたやら 夕桜」

江戸時代を代表する俳人「小林 一茶(こばやし いっさ)」が詠んだ句です。

江戸時代の人々は、どこへ行く時もいつも歩かれていました。
夕方に人気のない山道を歩いていましたら不安な気持ちになりますね。
寂しさも感じながら歩き続けておりますと・・・
綺麗な桜が見えてきました。

美しい夕桜を愛でている人たちを
笑顔で見つめている様子が目に浮かびますね♡
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紅梅に 小鳥の羽を 拾ひけり

2023年03月08日 | 春の花


3月になり、関東地方では昨日から暖かい日が続いています。
季節の変わり目ですので、体調に気をつけてお過ごしくださいね♡

先日、久しぶりに海沿いにある八景島近くの公園へ行って参りました。
懐かしいパン屋さんでパンを買って、公園のベンチで食べておりましたら・・・
手に持っていたサンドイッチをトンビに取られてしまいました。

そう言えば、ずいぶん前に息子も手に持っていたメロンパンをトンビに取られて・・・
驚いていたことを思い出しました。

トンビに取られないように注意しながら昼食を済ませて、
海岸沿いを歩きながら八景島シーパラダイス方面へ向かいました。

シーパラダイス入り口付近の公園に、大きな紅梅の木が並んでおりまして、
青空と松の木とのコントラストがとても綺麗で・・・
撮影をしておりましたら、外国人女性の方がカメラを持って何かを探していらっしゃるようでした。

「何かお探しですか?」と尋ねましたら、
とても上手な日本語で「紅梅が綺麗ですね。さっきメジロがとまっていて・・・
メジロを探しているんです。」とのことで、一緒に探してみたのですが、
結局、メジロを見つけることはできませんでした。

神奈川県の海沿いには、トンビなどの大きな鳥も生息していますが、
可愛らしい小鳥たちも生息しています。

「紅梅に 小鳥の羽を 拾ひけり」

大正時代に活躍された女流俳人「高橋 淡路女(たかはし あわじじょ)」が詠んだ句です。

春の訪れとともに、小鳥たちの可愛らしいさえずりが聞こえるようになりますね。
今年は桜の開花も早いそうです。
これから見頃を迎える春の花々と小鳥たちに会えるのを楽しみに・・・
また素敵な句を紹介させていただきたいと思っております♡
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その中に 小さき神や 壺すみれ

2022年04月12日 | 春の花


関東地方では、一昨日から季節外れの暑い日が続いています。
台風の影響もあるようですが、数日前との寒暖差がほんとうに大きくて・・・
季節の変わり目ですので、どうぞ体調にお気をつけてお過ごしくださいね♡

画像は、一昨年前から試行錯誤しながら育てている菫(すみれ)です。
ホームセンターで80円ほどで販売されておりまして・・・
はじめは小庭の片隅に植えて育てていたのですが、
新芽を虫にほとんど食べられてしまい、昨年は花が咲きませんでした。

その後、秋に植木鉢へ植替えをしてからは、
葉っぱを食べられることもなくなり、無事に冬越しをしました。

品種のタグには、「すみれ」とだけ記されておりまして・・・
葉っぱの形を調べて花姿をあれこれと想像したりしながら、大切に育てていました。

4月に入ってから、はじめて一つだけ花が咲きました♡
薄紫色の花びらのグラデーションがとても綺麗で、その後も次々と順調に咲いてくれて・・・
可愛らしい花姿に日々癒されております。

葉っぱの形や花の様子から、古くから日本に自生している「本菫(ほんすみれ)」、
「有明菫(ありあけすみれ)」、「野路菫(のじすみれ)」の何れかのようです。

また、葉の形がスペード型の菫では、
「立壺菫(たちつぼすみれ)」、「匂立壺菫(においたちつぼすみれ)」、「曙菫(あけぼのすみれ)」、
「大葉黄菫(おおばきすみれ)」が古くから自生している品種として知られているようです。

「その中に 小さき神や 壺すみれ」

明治時代から昭和時代初期に活躍された俳人・小説家「高浜 虚子(たかはま きょし) 」が詠んだ句です。

◎壺(つぼ)→草木を植え込んだ庭
◎壺すみれ(つぼすみれ) →壺(庭)に生える菫の総称・ 春の季語

菫は、日本最古の和歌集「万葉集」をはじめ、昔の書物にも数多く登場しており、
古くから多くの俳人、歌人に愛されてきました。

平安時代の菫は、現在の菫よりも濃い紫色だったようです。
当時、紫色は高貴な色とされておりましたので、
小さいながらも美しい花を咲かせる菫は、
特別な存在の花として親しまれていたことと思います♡
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見ぬものを 見るより嬉し さくら花

2022年04月02日 | 春の花


4月になりました。
先週は五分咲きほどだった染井吉野(ソメイヨシノ)も、あっという間に満開になりました。
関東地方では、昨日から寒い日が続いておりまして・・・
もうしばらく満開の桜を楽しめそうです。
寒暖の差が大きい時季ですので、どうぞ体調にお気をつけてお過ごしくださいね♡

「見ぬものを 見るより嬉し さくら花」

江戸時代に最も活躍された女流俳人「加賀 千代女(かがの ちよじょ)」が詠んだ句です。

千代女さんは、52歳の頃に仏門に入り、
法名は「素園」と号され、「千代尼(ちよに)」と呼ばれるようになります。
この句は、千代尼になられて詠まれた句として親しまれています。

見たこともないものを見るよりも・・・
毎年のことですが、待ちどおしくしている桜の花を見るのが、
私には嬉しいのです・・・

江戸時代の人々が、美しい桜の花を見るのを心待ちにされていた様子が伝わってきますね♡
今の私たちも、毎年桜の開花をとても楽しみにしていますね。

楽しみと言えば、江戸時代には道中を巡る「双六(すごろく)」が大流行していたそうです。
江戸中の桜の名所を巡る江戸花見双六は、
日本橋をスタートし、江戸中の桜の名所を巡りながらコマを進めて・・・
最後は日本橋に戻って上がりになります。
各コマには、桜の名所の風景が描かれており、桜の種類も書かれていたそうです。
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一本の 紅梅を愛で 年を経たり

2022年03月08日 | 春の花


3月になり、日ごとに春を感じられるようになりましたが、
今日の関東地方は、とても寒い一日となりました。
季節の変わり目ですので、どうぞ体調にお気をつけてお過ごしくださいね。

三重県の親戚の方より綺麗な紅梅(こうばい)の画像が届きました♡
古くからお庭に植えられており、樹齢50年以上の古木かと思われます。

昨年、いつもはほとんど実がならない梅の木に、
たくさんの実がなったとの連絡をいただきまして・・・
我が家へもお裾分けくださいました♡

「一本の 紅梅を愛で 年を経たり」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「山口 青邨 (やまぐち せいそん)」が詠んだ句です。

◎紅梅→こうばい
◎愛(め)で→愛して大切にする
◎年を経(へ)たり→長い年月を過ごした・年齢を重ねた

以前、お宅の裏庭には小さな梅林があったように記憶しております。
私が小学生の頃に、祖母と伯母と一緒に梅の実を収穫したことがありまして・・・
収穫した梅で梅酒や梅ジャムをつくられていました。

今もずっと息子さんご家族に大切にされながら、
綺麗な花を咲かせてくれている一本の紅梅の古木・・・
やさしかった祖母や伯母、伯父がいつもみんなを見守ってくれているように感じられて・・・
元気パワーをいただきました♡
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奥にまで 夕日のさして 藤の棚

2021年04月17日 | 春の花


今日は、春雨の一日でしたね。
季節の変わり目ですので、どうぞ体調に気をつけてお過ごしくださいね

一昨日の夕方、近所の公園の藤棚を見に行ってきました。
今年は桜の開花と同様に、藤の開花も早かったようです。
それでも、一本の藤の木から仕立てられた約10mほどの藤棚は、ほんとうに見事で・・・
夕日に照らされた紫の美しい花々に、しばらく見入っておりました。
(許可を得て撮影させていただきました。)

「奥にまで 夕日のさして 藤の棚」

昭和時代から長年にわたり活躍されている「鷹羽 狩行(たかは しゅぎょう)」が詠んだ句です。

藤の花は日本最古の和歌集「万葉集」をはじめ、昔の書物にも数多く登場しており、
古くから多くの俳人、歌人に愛されてきました。
平安時代では紫色は高貴な色とされており、紫の美しい藤の花は高貴な花として親しまれていました。
源氏物語の作者「紫 式部(むらさき しきぶ)」の「紫」も、
美しい藤の花から名付けられたと言われています。
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しんとして 露をこぼすや 朝桜

2021年04月02日 | 春の花


4月になりました。
今年の桜の開花は、例年よりも早く満開の時季を迎えましたね。

先月末に三重県の実家へ帰省しておりまして・・・
早朝に近くの神社へお参りに行きました。

「しんとして 露をこぼすや 朝桜」

明治時代を代表する俳人・歌人「正岡 子規(まさおか しき)」が詠んだ句です。

俳句では「桜(さくら)」は、春の季語になります。
「初桜」「朝桜」「夕桜」「夜桜」「山桜」「枝垂桜・糸桜」「八重桜」「遅桜」など・・・
古くから様々な季語で詠まれ、多くの句に登場しています。

◎「初桜(はつざくら)」→ その年に初めて咲いた桜のこと
◎「朝桜(あさざくら)」→ 朝に桜を観賞すること
◎「夕桜(ゆうざくら)」→ 夕方に桜を観賞すること
◎「夜桜(よざくら)」→ 夜に桜を観賞すること
◎「山桜(やまざくら)」→ 山に自生している桜のこと
◎「枝垂桜(しだれざくら)」「糸桜(いとざくら)」→ 枝が細くて垂直に垂れて咲く桜のこと
◎「八重桜(やえざくら)」→ 花びらが八重になって咲く桜のこと
◎「遅桜(おそざくら)」→ ほかの桜が咲き終わった頃に遅れて咲く桜のこと

神社の入口までには、見事な満開の桜並木がありまして、
朝日に照らされて光り輝く桜は、ほんとうに美しくて・・・
とても幻想的でした。

昨年12月にコロナ禍の中、父を無事にお見送りすることができました。
日々の感謝とお礼を神様にお伝えして、新しい御守りをいただきました♡
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沈丁の 小枝小枝の 花簪

2021年03月06日 | 春の花


3月になり、風にも陽ざしにも春らしさの感じられるころとなりました。
季節の変わ目ですので、どうぞ体調に気をつけてお過ごしくださいね。

小庭の片隅には、3年目を迎えた沈丁花(じんちょうげ)が見頃を迎えています。
春のやさしい香りに癒されております。
沈丁花は、とてもゆっくりと成長する低木として古くから親しまれています。

我が家の沈丁花は、15cmほどの小さな苗から育てておりまして・・・
ようやく30cmほどの大きさになりました。
剪定はしておりませんが、自然に丸い樹形になって成長しています。

「沈丁の 小枝小枝の 花簪」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「山口 青邨 (やまぐち せいそん)」が詠んだ句です。

◎沈丁(じんちょう)→沈丁花(じんちょうげ)・春の季語
◎花簪(はなかんざし)→花をモチーフにした簪(かんざし)

沈丁花の手毬(てまり)ような花が、舞妓さんの「花かんざし」のように本当に可愛らしくて・・・
春の訪れとともに濃い桃色の蕾(つぼみ)がゆっくりと開花しながら、
花全体が淡い桃色へと移り変わってゆきます。
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枝こまやか 紅梅こころ こまやかに

2021年01月30日 | 春の花


一昨日は、関東地方でも雪がふり、富士山も真っ白になりました。
寒暖差の大きい時季ですので、どうぞ体調に気をつけてお過ごしくださいね。

自転車で15分ほどの場所に、古くからある梅林がございまして・・・
梅の様子を見に行ってきました。

紅白の可愛らしい梅の花が咲いている木もありましたが、
細かい枝には、まだたくさんの蕾がついており・・・
2月中旬ごろには、見頃を迎えるようです。
満開の時期を楽しみにしながら・・・
また様子をお知らせできればと思っております。

「枝こまやか 紅梅こころ こまやかに」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「山口 青邨 (やまぐち せいそん)」が詠んだ句です。

梅の花は、春の訪れを知らせてくれる花として古くから親しまれていますね。
冬の寒さにも、じっと耐えながら少しずつ可憐な花を咲かせてくれます。
そっと私たちのことを気遣ってくれているようですね♡
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