日本の花・花を詠んだ句

日本に咲いている四季の花・花を詠んだ句を紹介します♪

一本の 紅梅を愛で 年を経たり

2022年03月08日 | 春の花


3月になり、日ごとに春を感じられるようになりましたが、
今日の関東地方は、とても寒い一日となりました。
季節の変わり目ですので、どうぞ体調にお気をつけてお過ごしくださいね。

三重県の親戚の方より綺麗な紅梅(こうばい)の画像が届きました♡
古くからお庭に植えられており、樹齢50年以上の古木かと思われます。

昨年、いつもはほとんど実がならない梅の木に、
たくさんの実がなったとの連絡をいただきまして・・・
我が家へもお裾分けくださいました♡

「一本の 紅梅を愛で 年を経たり」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「山口 青邨 (やまぐち せいそん)」が詠んだ句です。

◎紅梅→こうばい
◎愛(め)で→愛して大切にする
◎年を経(へ)たり→長い年月を過ごした・年齢を重ねた

以前、お宅の裏庭には小さな梅林があったように記憶しております。
私が小学生の頃に、祖母と伯母と一緒に梅の実を収穫したことがありまして・・・
収穫した梅で梅酒や梅ジャムをつくられていました。

今もずっと息子さんご家族に大切にされながら、
綺麗な花を咲かせてくれている一本の紅梅の古木・・・
やさしかった祖母や伯母、伯父がいつもみんなを見守ってくれているように感じられて・・・
元気パワーをいただきました♡
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奥にまで 夕日のさして 藤の棚

2021年04月17日 | 春の花


今日は、春雨の一日でしたね。
季節の変わり目ですので、どうぞ体調に気をつけてお過ごしくださいね

一昨日の夕方、近所の公園の藤棚を見に行ってきました。
今年は桜の開花と同様に、藤の開花も早かったようです。
それでも、一本の藤の木から仕立てられた約10mほどの藤棚は、ほんとうに見事で・・・
夕日に照らされた紫の美しい花々に、しばらく見入っておりました。
(許可を得て撮影させていただきました。)

「奥にまで 夕日のさして 藤の棚」

昭和時代から長年にわたり活躍されている「鷹羽 狩行(たかは しゅぎょう)」が詠んだ句です。

藤の花は日本最古の和歌集「万葉集」をはじめ、昔の書物にも数多く登場しており、
古くから多くの俳人、歌人に愛されてきました。
平安時代では紫色は高貴な色とされており、紫の美しい藤の花は高貴な花として親しまれていました。
源氏物語の作者「紫 式部(むらさき しきぶ)」の「紫」も、
美しい藤の花から名付けられたと言われています。
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しんとして 露をこぼすや 朝桜

2021年04月02日 | 春の花


4月になりました。
今年の桜の開花は、例年よりも早く満開の時季を迎えましたね。

先月末に三重県の実家へ帰省しておりまして・・・
早朝に近くの神社へお参りに行きました。

「しんとして 露をこぼすや 朝桜」

明治時代を代表する俳人・歌人「正岡 子規(まさおか しき)」が詠んだ句です。

俳句では「桜(さくら)」は、春の季語になります。
「初桜」「朝桜」「夕桜」「夜桜」「山桜」「枝垂桜・糸桜」「八重桜」「遅桜」など・・・
古くから様々な季語で詠まれ、多くの句に登場しています。

◎「初桜(はつざくら)」→ その年に初めて咲いた桜のこと
◎「朝桜(あさざくら)」→ 朝に桜を観賞すること
◎「夕桜(ゆうざくら)」→ 夕方に桜を観賞すること
◎「夜桜(よざくら)」→ 夜に桜を観賞すること
◎「山桜(やまざくら)」→ 山に自生している桜のこと
◎「枝垂桜(しだれざくら)」「糸桜(いとざくら)」→ 枝が細くて垂直に垂れて咲く桜のこと
◎「八重桜(やえざくら)」→ 花びらが八重になって咲く桜のこと
◎「遅桜(おそざくら)」→ ほかの桜が咲き終わった頃に遅れて咲く桜のこと

神社の入口までには、見事な満開の桜並木がありまして、
朝日に照らされて光り輝く桜は、ほんとうに美しくて・・・
とても幻想的でした。

昨年12月にコロナ禍の中、父を無事にお見送りすることができました。
日々の感謝とお礼を神様にお伝えして、新しい御守りをいただきました♡
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沈丁の 小枝小枝の 花簪

2021年03月06日 | 春の花


3月になり、風にも陽ざしにも春らしさの感じられるころとなりました。
季節の変わ目ですので、どうぞ体調に気をつけてお過ごしくださいね。

小庭の片隅には、3年目を迎えた沈丁花(じんちょうげ)が見頃を迎えています。
春のやさしい香りに癒されております。
沈丁花は、とてもゆっくりと成長する低木として古くから親しまれています。

我が家の沈丁花は、15cmほどの小さな苗から育てておりまして・・・
ようやく30cmほどの大きさになりました。
剪定はしておりませんが、自然に丸い樹形になって成長しています。

「沈丁の 小枝小枝の 花簪」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「山口 青邨 (やまぐち せいそん)」が詠んだ句です。

◎沈丁(じんちょう)→沈丁花(じんちょうげ)・春の季語
◎花簪(はなかんざし)→花をモチーフにした簪(かんざし)

沈丁花の手毬(てまり)ような花が、舞妓さんの「花かんざし」のように本当に可愛らしくて・・・
春の訪れとともに濃い桃色の蕾(つぼみ)がゆっくりと開花しながら、
花全体が淡い桃色へと移り変わってゆきます。
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枝こまやか 紅梅こころ こまやかに

2021年01月30日 | 春の花


一昨日は、関東地方でも雪がふり、富士山も真っ白になりました。
寒暖差の大きい時季ですので、どうぞ体調に気をつけてお過ごしくださいね。

自転車で15分ほどの場所に、古くからある梅林がございまして・・・
梅の様子を見に行ってきました。

紅白の可愛らしい梅の花が咲いている木もありましたが、
細かい枝には、まだたくさんの蕾がついており・・・
2月中旬ごろには、見頃を迎えるようです。
満開の時期を楽しみにしながら・・・
また様子をお知らせできればと思っております。

「枝こまやか 紅梅こころ こまやかに」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「山口 青邨 (やまぐち せいそん)」が詠んだ句です。

梅の花は、春の訪れを知らせてくれる花として古くから親しまれていますね。
冬の寒さにも、じっと耐えながら少しずつ可憐な花を咲かせてくれます。
そっと私たちのことを気遣ってくれているようですね♡
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八重桜 日輪すこし あつきかな

2020年04月26日 | 春の花


4月下旬になり、あっという間にソメイヨシノの時期が過ぎて・・・
近所の公園では八重桜(やえざくら)が満開でした。

八重桜の咲く頃は、朝晩の寒暖差が大きく、日中は初夏のような暑さの日もありますね。
青空のもと、大きくて牡丹の花のような八重桜は、
「牡丹桜(ぼたんざくら)」という名でも、多くの句に登場しています。

「八重桜 日輪すこし あつきかな」

昭和時代から平成時代に活躍された俳人「山口 誓子(やまぐち せいし)」が詠んだ句です。

◎日輪(にちりん)→太陽の別名
ちなみに、月の別名は「月輪(がちりん)」です。

*   *   *   *   *   *   *   *   * 
入院中の父が桜の咲く頃には、退院できたら・・・と願っていたのですが、
腸閉塞で再度入院になってしまい、今年は満開の桜を見ることができませんでした。
新型コロナウイルス混乱の中・・・
3月下旬までは、家族のみの面会はできていたのですが、
4月からは、家族の面会も一切できなくなってしまいました。
病院以外の高齢者施設等も、今は何処も同じ状況です。
特に高齢者のお世話は、色々な面で大変なことが多々あるかと思います。
大変な状況の中、多くの方々のお世話をしてくださっている医療従事者の皆様、
施設職員の皆様に心から感謝申し上げます。
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むめが香に のつと日の出る 山路かな

2020年03月08日 | 春の花


ほんとうに暫くぶりの投稿です。
皆様には大変ご心配をおかけしております。
年末年始に、父が体調を崩しまして・・・
一旦は回復したのですが、その後体調が急変して緊急入院になりました。
入院をしてから体調も回復し、安心していたのですが、
入院中に一人でトイレへ行こうとして転倒してしまい、
大腿骨骨折になってしまいました。
先々週に手術をしていただいて、ようやく一人でベッドから起き上がれるようになりました。

父自身も、80代にして初めて骨折を体験し、一時は痛みで体を動かすこともできなくて・・・
ようやく痛みも引いて、ベッドの上では自由に動けるようになりホッとしているようです。
抜糸後は、体調を診ながら回復してきましたら、
リハビリ専門病院へ転院して毎日リハビリをしていただくことになるようです。

もう暫く入院生活が続くことになりますが、
焦らずに少しずつ回復してくれることを願っております。

先日、とても古くからある神社へお参りに行ってきました。
一本の大きな梅の木には、真っ白な花が咲いており・・・
ほんとうに美しくて・・・元気パワーをいただきました♡

「むめが香に のつと日の出る 山路かな」

江戸時代を代表する俳人「松尾 芭蕉(まつお ばしょう)」が詠んだ句です。

◎むめ→梅(うめ)
俳句では「梅」と言えば「梅の実」ではなく「梅の花」をさします。

◎のつと→短い時間内での動きの擬態語(いつの間にか・ぬうっと・・・等)

当時は、鶏(にわとり)が鳴いたり、空が明るくなりかけてくる頃に、
人々は起床して旅をされていたことと思います。
早朝に梅の香りに包まれながら、山路を歩いている道中・・・
綺麗な朝日が昇ってきた情景が目に浮かびます。

*   *   *   *   *   *   *   *
いつも私の拙いブログをお読みくださり、
温かく見守ってくださっている皆様に、心から深く感謝申し上げます。
今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます♡
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さまざまな こと思い出す 桜かな

2019年04月10日 | 春の花


四月になり、新元号「令和(れいわ)」が発表されました。
来月から新しい時代が始まりますね。

日曜日はポカポカ陽気で、あちらこちらで満開の桜がとても綺麗で・・・
淡いピンク色の染井吉野(ソメイヨシノ)の並木道を散策し、
家へ帰る途中の公園に、真っ白な花を咲かせた1本の大きな桜の木を見つけました。
葉っぱのグリーンとのコントラストがとても美しく・・・
しばらく見入ってしまいました。

「さまざまな こと思い出す 桜かな」

江戸時代を代表する俳人「松尾 芭蕉(まつお ばしょう)」が詠んで句です。

日本には多くの種類の桜があります。
野生種から園芸種を含めますと、約200品種ほどがあるそうです。

ちなみに、この白い桜は「大島桜(おおしまざくら)」という品種になります。
大島桜は、伊豆大島などの伊豆諸島、房総半島などに自生している野生種の桜です。
葉は、塩漬けにして桜餅に使われているそうです。

桜は、日本の春を象徴する花として古くから親しまれています。
そして今も私たちをずっと見守ってくれていますね♡
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一歩ゆき 一歩もどりて 丁字の香

2019年03月02日 | 春の花


三月になりました。
まだ小さい沈丁花(じんちょうげ)の苗木に、手鞠のような可愛らしい花が咲きました♡

沈丁花は、春を告げる花として古くから親しまれています。
花の香りが「沈香(じんこう)」という香りに似ており、
葉っぱの形が「丁字(ちょうじ)」に似ていることから、
その名が付いたと言われています。

「一歩ゆき 一歩もどりて 丁字の香」

昭和時代に活躍された俳人「星野 立子(ほしの たつこ)」が詠んだ句です。
「高浜 虚子(たかはま きょし)」の娘さんとしても知られています。

◎丁字(ちょうじ)→ 春の季語・沈丁花

沈丁花が咲く時季は、お天気の不安定な日が多く、寒暖差も大きいですね。
暖かくなったり、寒くなったり・・・を繰り返しながら、
季節は少しずつ春へと近づいてゆきますね。
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山路来て 何やらゆかし 菫草

2018年04月25日 | 春の花


近くの「桜山(さくらやま)」と呼ばれている公園の斜面に、
可愛らしい薄紫色の菫(すみれ)が咲いていました。

「山路来て なにやらゆかし 菫草」

江戸時代を代表する俳人「松尾 芭蕉(まつお ばしょう)」が詠んで句です。

◎山路(やまじ)→山の中の道
◎何やら→何だか
◎ゆかし→心が引かれる 慕わしい、懐かしい
◎菫草→すみれぐさ

この句は、1684年8月〜1685年4月に芭蕉がお母様のお墓参りを兼ねて、
お弟子さんと一緒に、江戸(東京都)から出身地の伊賀上野(三重県)への旅を記された
「野ざらし紀行」という紀行文で詠まれた句です。

春を告げる可愛らしい「菫の花」は、
今も私たちを、ふと懐かしい気持ちにさせてくれますね♡
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