循環型社会って何!

国の廃棄物政策やごみ処理新技術の危うさを考えるブログ-津川敬

タテ軸の視線こそ

2009年08月06日 | その他
意外だった。財部誠一(たからべ・せいいち)というテレビコメンテーターがいる。どちらかといえば少し右がかったジャーナリストだ。 慶應義塾大学を卒業し、野村證券に入社。出版社勤務を経て、現在テレビ朝日系の『サンデープロジェクト』、BS日テレ『財部ビジネス研究所』などに出演する論客である。
 その 財部氏が7月29日、「不毛な財源論より脱官僚こそが争点だ」というタイトルのメッセージをメディア系のメルマガに寄稿した。
 以下、その一節を紹介しておくが、なぜ意外だったかといえば、少々左がかったコメンテーターでさえ、「自民・民主のマニフェストをじっくり比較して」などという頭の悪いコメントしか出せない中で、財部氏の場合は財源問題の本質をズバリ突くような発言になっていたからである。

◆自民党のバラマキは官僚へのバラマキ
《7月28日、民主党のマニフェストが公表された。当然のごとく、自民党からは財源を示さぬ、無責任な人気取り政策だとの批判が続出した。「財源を示すことなしに、耳さわりの良いことばかりをあげつらねた民主党のマニフェストは究極のポピュリズムだ」。
 いよいよ総選挙政権交代がリアリティをもってきたいま、私たちは民主党の財源問題をどのように受け止めたらいいのだろうか(中略)。
 結論から言えば、民主党への財源批判は不毛な議論に思える。なぜなら民主党のマニフェストは終始一貫、永年の自民党の政策に対するアンチテーゼになっているからだ。これまでの自民党政治を続けるのか、やめるのか。民主党のマニフェストはそれを国民に突きつけているからだ。では自民党は何をやったのか。
 史上最大の景気対策となった14兆円の補正予算の中身はすべて官僚まかせという、驚くべき醜態を見せていたのである。それを知っていたから、マスメディアは「だたのバラマキだ」と酷評した。
 ところが、民主党のマニフェストが明らかになるや、それを見た自民党から「バラマキ批判」が噴出した。なかには「14兆円の補正予算よりバラマキだ」などという声まで自民党幹部から漏れてくる始末だ。
 表面だけをみていると、似たり寄ったり、五十歩百歩の感も否めないが、おなじバラマキでもその底流に流れている思想はまるで違う。自民党のバラマキは霞が関の官僚たちへのバラマキに終止しており、最終的な予算の使途は官僚が決める。
 対照的に民主党のバラマキは国民への直接給付だ。官僚に予算をばら撒くのではなく、国民に直接ばら撒く。同じバラマキでもはるかに筋がいい。脱官僚政治を望むのか、望まないのか。それこそが次期総選挙の争点といっていい》。

◆「タテ軸の視線」こそ
 道路財源がどうとか、児童手当はどっちに歩があるかなどというのは枝葉末節の話で、今度の総選挙は政権交代がテーマなのだ。一見、民主的手続きに見えるマニフェストなる献立表が自民と民主を横並びにしてしまったのである。
 以前もこのブログで触れたことだが、財界・政界から「マニフェスト伝道者」とあがめられている北川正恭の罪は予想外に大きい。三重県の地元からは「マニフェスト詐欺師」と呼ばれている人物だ。
 いま必要なのは自民が戦後60年間、何をやってきたのかの検証である。もう少し焦点を絞るなら、小泉以後の8年間、自民党がやってきた罪業を「タテ軸の視点」で検証することなのだ。
 自民党が官僚にバラまいた予算で国民生活が向上したのか。年金システムは破綻し、医療制度も崩壊寸前である。失業率は改善されるどころかますますひどくなり、予算をバラまくために赤字国債を無制限に発行して日本を借金漬け国家にしたのである。
 その糾弾なしに「どちらの児童手当が有利か」などと比較してもナンセンスである。申し訳ないいい方だが、「あの財部さん」でさえ、脱官僚政治を選択するのか否かの総選挙と位置づけている。
 あとは民主党が小刻みにブレないことだ。

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