循環型社会って何!

国の廃棄物政策やごみ処理新技術の危うさを考えるブログ-津川敬

座間味島のいま

2008年03月08日 | その他
 既報、ミニ高炉について座間味村の宮里清之助議員から送られてきた資料を抜き出して編集します。ここには都市部で相手にされなかった㈱還元溶融研究所なる企業が世俗から遠く離れた沖縄の小離島(宮里氏の表現)に狙いを定めた様子が生々しく報じられています(写真は10年前のモデルプラント)。
同時に都会に住む私どもには想像もつかぬ離島の暮らしが浮かび上がってくるようです。これまで我々は離島というものをもっぱら観光資源のレベルで捉えてきましたが、このルポからは離島での深刻な環境問題が側側と伝わってくる思いがします。

座間味村の現状 
 2007年12月19日、定例議会を終えてわかったのは以下のとおり。
 ゴミ熔融炉が動いていないこと。操業の目処も立っていないこと。さらに操業をするには幾つもの課題を解決しなければならないこと。
 12月20日の新聞(別添)で報道されたので多くの方はすでにご存知だろう。ゴミ熔融炉が動いていない、操業できない事になった原因について、役場側は10月操業において不具合が出たことによると説明してきた。
 熔融炉の前請負業者との裁判とは関係がないことによるものである。私が聞き取り調査において説明を受けたのは、熔融炉の窯にゴミを搬入する作業の不具合が起きたこと、具体的には、ゴミは蓋つきの容器に入れてベルトコンベア式に熔融炉のゴミ投入口まで運ばれ投入される。こうしたゴミ投入システムを二つ動かして投入作業をしている。
 この二つのゴミ投入ラインのうち一つが誤作動を起こした。
 ゴミを運ぶ容器のふたが閉まらず、そのまま動き出し、その容器の開いたままの蓋がベルトコンベアラインで引っかかりベルトコンベアを破損してしまった。
 これは、作業オペレーションシステムが正常に作動しなかった事によるもと考えられ、その調整及びセンサーの交換等が必要と考えられるという事である。
 それと、この事故で破損したベルトコンベアの補修・修理も当然起こってくる。
 ゴミ投入ラインは二つあり、一つがこれにより作動しなくなったが、もう一つのラインだけでゴミ処理作業を続ける事になった。
 これはたまりに溜まったゴミを早急に処理しなければならないためであり実際去年の暮れからゴミ処理は行われてなかった。そのため待ったなしの状態にあったためだと思われる。通常とは違うゴミ投入作業で行われたが、ここで熔融炉の窯に異変が起こる。熔融炉の窯の温度が一向に上がらない。
 どうにか窯の温度を上げようと窯に酸素を強制的に送り込むが、それでも窯の温度は上がらない。40~50本の酸素ボンベの酸素を使用するがそれでも窯の温度は上がらずじまいで終わる。
 窯の温度が上がらないことは、窯の中のものが熔融しない事になる。本来、ゴミを高温でガス化し、それを燃焼させる事によって処理し、フィルターを通しその他不純物を除去し二酸化炭素と窒素ガスだけを大気に排出すことと、窯に残ったドロドロの溶岩みたいなスラグを窯の下にある出銑口から取り出す、出てくることによって一連の作業を終えるのであるが、温度が上がらないという事はそのような事がおこらない事を意味する。
 悪い事に操業中に一旦温度が上がったが、このトラブルから窯の温度が上がらないためにドロドロのはずのスラグが凝固しはじめ、出銑口を詰らせる恐れとそれによる窯そのものの破損の恐れが出てきたために操業を止めざるを得なくなったと私は理解している。
このことも作業管理オペレーションシステムに関連すると考えられ、いずれにしろオペレーションシステムを設計したメーカーに原因と操業復旧に係る作業を依頼しなければ、物理的な修理をしても安全安定的な操業に結びつく事にはならない。
 そこで出てくるのが前請負業者であり、設計・建設すべてにおいて、このミニゴミ高炉式熔融炉に携わった企業であり、彼らの協力がなければ解決ができない状況にある。
 村の説明は今までは電装関係の“不具合”とされてたが今回の議会答弁では電装関係の“故障”との答弁に私は聞き取れた。これは議事録で後日確認する事にする。
 故障という世間一般に使われている単語がこれまでは村には存在しなかったが、今回この単語が認定された事はこの熔融炉の実態に一歩近づいたと思っています。しかし、専門家に言わせると故障ではないとの意見もある。どの言葉を使おうとも現状は同じであり、今後、座間味村ではこのような状態を指して故障となる。

この記事へのコメント
 今日阿嘉島のゴミ処理場を見てきましたが、かなりのゴミのヤマ積みでした。どこまでゴミを放置するのか?あのゴミを入れる袋さえお金が要り、ゴミも燃やせない処理場にさえ数人作業員が!どこから賃金が支払えるのですか?
 いったいゴミはいつから燃やす事が出来るのでしょうか?先日の議会でこれからゴミがいつ燃やされるのかさ明確に出来ませんでした、ただ機会が故障してるとの言い訳で!各議員さん達に家庭はゴミが出ないのですか?それもと各自焼却炉をお持ちで?
 Posted by akajimatakesan at December 24, 2007 19:43
 いつもseinosuke.comを覗き見しています。

 このブログ今回で終わりになるだろうとのこと、裏に何があったのでしょうか。
清之助議員活動を妨げる、志を曲げさせ挫折したくなる動き、圧力でもあったのですか。
 沖縄の一小離島ながらも、村政問題点の説明と解説、村民の意見を良く汲み上げ、あるべき運動に対し方向性を与え、こうあるべきではないかとの警鐘をならしてきました。小さな村政を正しい方向に導くのに大きな役割を果たしているこのブログ、前の診療所医師離島、撤退に続くものではないか、又この一連活動の中間挫折を意味するのではないかと懸念しています。

添付資料
沖縄タイムス記事(2007年12月20日朝刊)
【座間味】座間味村(仲村三雄村長)で島の家庭ごみなどを処理する焼却炉が故障し、十九日現在で四百トン以上のごみがたまったままになっていることが分かった。同村が修理させようとしたが、故障部品の著作権が村と東京高裁で係争中の炉の製造業者にあるため、修理できない状態が続いている。村は和解協議で業者の了解を求めているが、条件面などで協議は進展せず、焼却炉の復旧のめどは立っていない。
 座間味島のごみ焼却施設(座間味村クリーンセンター)は、ごみを超高温で溶解処理する「ミニ高炉」を備え、二〇〇三年に開設。当初、一カ月置きの操業だったが、燃料となるコークスの価格高騰や操業経費がかさむなどの理由で、村は〇五年十月からは、ごみをためてから焼却するようになった。
 今年十月、昨年十二月下旬以降からたまったごみを燃やそうとしたが、炉にごみを投入する装置の電気系統のトラブルで操業を停止。現在、同センター敷地内には、村の推計で四百トン以上のごみが山積みになっている。
 村によると、故障した部品は業者がほかのメーカーに発注して作らせたもので、著作権法上の問題で、業者を通さず同部品メーカーに直接発注できないという。
 同問題は十九日、村議会十二月定例会の一般質問で複数の議員が追及。村は、東京高裁の和解勧告に基づき、「炉の運営や修理に当たって村が直接発注できるよう業者に了解を求めている」と説明した。
 仲村村長は「ごみがたまっていることは村民に対して申し訳ない」と陳謝。「問題が解決するまでの間、一部のごみ処理を他の自治体にお願いするなどの検討を進めている」と話した。

沖縄タイムス記事(2007年12月31日朝刊)
座間味村長に辞任要求/焼却炉燃料発注問題で議会全員協、決議
【座間味】座間味村議会(宮平秀保議長)が仲村三雄村長に対し、ごみ行政の混乱を招いた責任を取り、辞任するよう全会一致で求めていたことが三十日までに分かった。二十八日の全員協議会で決めた。仲村村長は拒否する意向を示している。
 複数の議員によると、仲村村長が今年二月、ごみ焼却炉の燃料「コークス」五百トン、約三千二百五十万円分の支払い契約に関する議案を議会に提出しないまま業者に発注した疑いが浮上。同問題を追及する中で発議された。議員が村情報公開条例に基づき、コークス取引に関する資料の開示を村に請求している。
 仲村村長は、沖縄タイムス社の取材に「(昨年十二月末からたまっている)ごみを十月に燃やす予定だったが、その次の燃料が足りなくなると困るので、業者にストックをお願いした。契約はしていない」と話した。議会の辞任要求に対しては「もう少し弁明する時間がほしい」として拒否する考えだ。
 発注先とされる業者は「予算が取れたら注文するから用意しておいてもらえないか、と言われたが、在庫を持つことはできないと断った。発注書は(手元には)届いていない」と話した。
 業者は、村が東京高裁で係争中の炉の建設業者とは別の業者。村が二〇〇六年三月、前業者とのシステム管理契約を打ち切った後、炉を稼働させる際の操業と燃料供給を請け負った。


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