昨日は「
ベートーヴェン・プロジェクト」第4回をすみだトリフォニーホールで聴く。交響曲全9曲の8番と9番が演目だ。9番は「第九」とか「合唱付き」と呼ばれ多くの方々が知る作品。今回の4回に渡るベートーヴェン・プロジェクトは、そのどれもが素晴らしく、指揮者、ブリュッヘンと新日本フィルの結晶がいよいよ第9番で昇華するのだと思うと、前日から気持ち高ぶるのであった。8番が始まる。40分に満たないと言えば、あるいは7番と9番の間にあるが故なのか、失礼ながら影が薄いとつい感じてしまう。だけど、一連のコンサートにあって、見事に演ずるブリュッヘンと新日本フィル。*
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(wikipedia)
20分の休憩を挟んで、オーケストラと合唱団が着席し第九が始まった。この日のためにiPodでだけど何度も聴いていた第九である。生の第九ははっきりいって別世界だ。興奮と感動の渦巻き状態にいよいよ第四楽章がやってきた。だけど、四人のソリストはまだステージに現れていない。そして、いよいよその時になって間髪入れずにステージ左からバリトンのデイヴィッド・ウィルソン=ジョンソンが颯爽と謳いながら登場すると、僕のカラダは自然と目が潤み涙が出てしまった。あくびを我慢したからでない。過去、感動はあっても涙が出たことなどなく、生まれて初めての体験だ。潤む涙目は止まらず、演奏と一体となっていたであろう自分であった。
2週間に渡り4回の「ベートーヴェン・プロジェクト」を聴き終え、コンサート鑑賞では過去にないスケールでいろんな経験、体験を得た。と同時に、それはブリュッヘン指揮、新日本フィルによって導き出されたベートーヴェンの遺産から、ほんの僅かだけれど自分のなかに音楽的な財産を培えたのだ。