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【生きるヒント】⑨呼吸法

2011-05-26 00:14:11 | 高森光季>生きるヒント
 自律訓練法による「ライト・トランス」のことを書いたので、ついでに、瞑想の前段準備の方法としての「呼吸法」のことも書いておきます。
 まあこれもいろいろとあるでしょうから、一つの例として参考にしていただければと思います(これは私がやっていた「古神道流・鎮魂瞑想」のものです)。

 呼吸法は、①リラックス状態を導く、②気のエネルギーで心身状態を高める、③瞑想に備えて酸素を取り込んでおく、といった効用がありますから、「静思」の前に行なうといいのではないかと思います。また、健康増進のために普段に行なうのもいいと思います。

 肝心なことは、横隔膜を使う「腹式呼吸」をするということと、深くゆっくりとした呼吸をするということです。
 腹式呼吸は、歌を歌う人や武道をやった人は、馴れていることでしょうけれども、一般の人が意識してやろうとしても案外難しいものです。
 要するに、息を吸う時、腹部が膨らみ、息を吐く時、腹部が縮むという呼吸法です。胸部はほとんど動きません。肺を膨らませる際に、横隔膜を下げ(当然お腹が出る)、縮める際に横隔膜を上げる(お腹がへっこむ)わけです。
 腹式呼吸をマスターする簡単な方法は、「四つん這いになってやる」ということです。膝と手をつくワンワンスタイルですね。こうすると肩を上下させることができず、肺式呼吸はやりにくくなります。そしてその姿勢で、お腹をぐっと引っ込めて息を吐き、お腹をすっと膨らませて息を吸う。こうやって横隔膜を上下させるコツをつかむわけです。

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 呼吸法および瞑想をする際には、あぐらを組むのがいいと思います。別に正式の禅のような「結跏趺坐」(両足部を反対の腿の上に乗せる)をする必要はありません(馴れないと痛いだけですw)。
 お尻の下には、かなり厚めの座布を入れます(座布団を二つ折りにするか、ビーズクッションや枕のようなものを使う)。厚ければ厚いほど楽です。
 重要なことは、背筋をピンと伸ばすことです。「リラックス状態だから筋肉に力が入ってはいけないはずでは」と思うかもしれませんが、背筋だけは別です。背筋だけはしっかりと背骨を支えておかないと、肺や内臓が圧迫されて、変な事になります。ただし、肩の力は完全に抜かなくてはなりません(肩を軽く上下させてからダラーッとした状態に持っていく)。
 顎を軽く引いて、ごくわずかにうつむく状態がいいとされています。ただし、顔を上げ気味にして「上からの何かを受ける」姿勢もなかなか効果があります。
 目は半閉じでも、完全な瞑目でも、自分の好みに合わせてでよいと思います。
 手は膝のあたりに置くか、指を組んで臍下(丹田)に置くか。流派によって「印契」(いんげい、ムドラー)を組む場合もありますが、無宗教(非宗派)ならその必要はありません。呼吸法の時は膝に置き、掌を上に向け、親指と中指を軽く触れあわせるのがいいかなと思います。瞑想の時は丹田に置き、指を組んで左の人差し指と親指で円を作り右の同じ指でそれを包むといった感じがいいでしょうかね。

◆止息法

 これは腹式呼吸をはっきりマスターするために、まずは肺式呼吸を行なうというやり方です。
 まずは「呼(は)く」。呼吸は「呼」から始まります。思いっきりお腹を引っ込めて(横隔膜を上げて)息を吐き出します。この際、少し体を前に折って(頭を前に垂れて)、内臓を圧迫するのもいいようです。一気にやるのではなく、ゆっくりと8~10を数えながら、口(少しすぼめるのがいいかも)から吐き出します。もう吐けないというところから、さらに一押し、二押し、お腹の皮が背中とくっつくくらいまで、しぼるように吐きます。
 苦しいくらいになったところで、今度はゆっくりと息を吸います。鼻から、やはり8~10をゆっくりと数えながら息を吸うのですが、「止息」では腹式呼吸ではなく、肺を膨らませます。お腹はへこんだままで、思いっきり胸を膨らませるわけです。そしてこれ以上吸えないというところまで行ったら、そこで息を止めます。
 そこで6~8をゆっくり数え、次に吸った息を「丹田に落とし」ます。胸をへこませ、臍下を中心とした腹部を膨らませるわけです。息は止めたままです。
 そこでも6~8をゆっくり数え、そして吐き、最初へ戻ります。
 これを5回ほど繰り返します。

◆静息法

 腹式呼吸ができて、あまりおうぎょうな呼吸法は不要だなと思うようでしたら、肺呼吸を使わない「静息法」があります。止息法と併用してもいいと思います。
 吐く時は止息法と同じです。ゆっくりと、思いっきり吐きます。
 吸う際に、今度は肺を膨らませず、下腹を膨らませます。これもゆっくりと8~10を数えながら行ないます。そしていっぱいに吸ったら息を止め、8~10数えて、吐きます。吐く時も吸う時も丹田を意識することが重要です。これも5回ほど繰り返します。

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 両方とも、できるだけゆっくりと行なうのがいいようですが、肺活量は人それぞれなので、テンポもそれぞれでいいようです。
 呼吸法で肝心なことは、呼気とともに内の汚れが浄められ、吸気とともに大いなるエネルギー(気)が入ってくることをイメージすることです。そして取り入れたエネルギーが丹田から身体全体に向けて行き渡ることをイメージすることです。
 これをやってから「静思・瞑想」に入れば、心はゆったりとし、瞑想中の呼吸も静かになるので、より深い瞑想に入れると思います。

 別に瞑想だけでなく、呼吸は健康によいものです。デスクワークが多い現代人は、ともすると呼吸が浅くなりがちです。普段の生活でも、時折ゆっくりとした深い腹式呼吸をするのはいいのではないかと思います。

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