今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

・大峰山、水晶山、大道山

2013年04月19日 | 山登りの記録 2013
平成25年4月14日(日)
大峰山(大峯山)1,327.3m、水晶山1,276m、大道山(堂叡山)1,289m

 1月に岳ノ山と大鳥屋山に登ってから、家族のことや仕事のこと等、色々あってとても山に行ける様な状況ではなかった。4月になり、やっと山に行けると思ったら土日のたびに嵐のようなお天気で相変わらず山には行けない。すっかり桜も散って、気づけばぼくの町の周囲の山々はもう若葉が萌え始めていた。そんな訳で、今度こそは山に行こうと予定を立てたが、3ヶ月近いブランクだから足が鈍っていて、長い距離やきつい山は歩けないだろう。

 昨年買った『信州ふるさと120山』をパラパラとめくっていたら、残雪の心配も無く、人も少なそうな、なお且つ半日プラスアルファくらいの行程の山…を幾つか見つけた。いずれも上田近辺の山だった。7年前に別所温泉がある塩田平を巡る山々をハシゴしたが、この辺りはそれ以来だ。この辺りでは冠着山と独鈷山にまず登り、そこから目に付いた子檀嶺岳と塩田平を巡る夫神岳や女神岳等に登った。上田市民の山として知られる太郎山の北にはそれに連なる1,200から1,300m前後の余り目を惹かない山々があるが、今回選んだのは、そんな山のうちの大峰山だった。この辺りで大峰山なんて名前も聞いたことは無いが、坂城ICから直登できるコースが紹介されていた。頂上からは北アルプスの展望もあるらしい。隣の水晶山やその向こうの大道山を周回して林道を降りるコース取りも可能だ。足と相談しながらどう辿るか決めよう。

 土曜の夕方に家を出る。途中で食事をし、一般道を特に渋滞も無く夜9時ごろ坂城ICに着いた。ガイドブックにあった高速道の高架橋前の駐車スペースではなく、大道山まで周回した場合のことも考え、水晶山林道の入口付近に車を停めた。直ぐ前に工場があるので、あるいは工場の予備駐車スペースかも知れないが、工場は日曜はお休みだろう。林道入口には水晶山・大道山登山口の看板が立っていた。まだ少し寝るのは早いが、シュラフに潜って眠った。高速道路を走る車の音が聞こえていた。

 6時にアラームをセットしておいたが、少し前に目が覚めた。充分眠ったので支度を済ませ、苺とホイップクリームのホットケーキを食べた。向かいに見える工場の敷地を囲むように桜の木が植えられているが、今まさに満開のお花見時だった。この辺りでは例年なら4月中旬から開花なのだろうけど、今年はどこも桜が早い。直ぐ上に大峰山に続く尾根が見ている。どうあっても雪が残って居る事もなさそうだが、靴の中への砂や小砂利混入避けにもなるかと思い、冬用のゴアのスパッツもつけた。

 6時13分に車を後にして高速道の上に付けられた細道(高速道横断用の迂回路)を回り込むと、大峰山に続く尾根末端にある畑の所に大峰山登山口の標識が立っていた。直ぐ先で丸太階段を登って赤松が茂る尾根に取り付く。そのまま松山の尾根をどんどん登って行く。高速道路を突っ走る車の音が少しずつ小さくなって、その分町を俯瞰する眺めになっていくが、もちろん木々が邪魔をしているので木々越しのものだ。尾根の真ん中を登って行く道は薄く、余り多くの人が歩いている感じではない。道の両脇にはビニール紐が延々と張ってある。所々に『松茸山なので入らないように』と札が下がっていた。キノコの時期には遠慮した方が良いコースだ。

 あまり急な登りでもないが、眺めもほとんど無く単調な上りが続く、北に谷を挟んで大道山と思われるピークが見えてくる。朝は結構冷え込んで車は霜で白くなっていた。今日は気温が上がって風も無く、行楽日和になると夕べのラジオでは言っていたくらいだから、これから気温が上がるのだろう。『…ふるさと120山』によると、大峰山頂までの間に「軍人山」とか「あかじらす」とか「大平・おおでいら」とかの幾つかのポイントが書いてあったが、特にそんな標識もなく、気づく程の違いも分からないまま、8時53分に頂上に着いた。途中、羽織っていたウィンドブレーカーを暑くなって脱ぐために少し休んだ平坦な所が大平でもあったか?

 大峰山山頂は西と南の樹林が払われていて眺めがある。春らしく霞んでいるから、もやっとしてあまり遠くは見えなかった。空気が乾いて澄んだ晴れなら素晴らしい展望台だろう。大峰山頂は、石積みの上に石祠があり、この辺の山ではどこでもそうだが、縁が故意に欠かれた三等三角点があった。タチの悪い人物が周辺の山の標石を割って歩いているのだろう。最近立てられた真新しい山名板と方面標識も立っている。『大峰』という名前からも容易に推測できるが、往時は信仰を集めた山らしく、この後に登った大道山は更にその中心でもあったのか?三体の立派な神像が並んでいた。

 山頂から南に少し進んだ所からは、烏帽子岳と湯ノ丸山が高く、下には上田の市街が俯瞰できた。山頂標識のところに戻り、ジャンボどら焼きを食べて一休み。坂城の町並みを見下ろし、うっすらと高く見えている北アルプスの銀嶺の連なりを、どこがどの山か同定しながらのんびりと憩う。後から人がやってくる気配もなく、静かな雰囲気の山頂だった。麓の坂城中学校では学校登山も行われているらしく、それらしい標柱も立っていた。

 9時36分に大峰山を後に芝峠に向かう。北に雑木の多い急な下りを降りていく。明るい春の日差しがあふれ、シジュウカラやヤマガラのさえずりが賑やかだ。樹相は赤松、雑木から落葉松の植林になり、見通しの悪い樹林の道を緩く登ると水晶山への分岐に9時58分に着く。ここにまた標識があって『芝峠迂回路』と書いてある。水晶山は稜線からやや東に突き出したピークなので、ここを巻いて行くと水晶山へ登らずに芝峠に降りるようだ。分岐から落葉松の中を少し登ると落葉松林の中、およそ山頂らしくないところに水晶山山頂の標識が立っていた。10時3分に水晶山頂着。

 水晶山の山頂で少し休もうかなと思っていたのだが…とても休むような場所ではないので、直ぐに芝峠に下る。水晶山の急斜面を下ると、間もなく鞍部になって芝峠の標識があった。ここから水晶山林道に降りる道が下っていた。大道山へはまた雑木の緩斜面を上り返すようだ。あちこちに立っている真新しい標識(坂城町が立てたらしい)には目標地点までの時間が書かれているが、随分余裕を持ったコースタイムで書かれている様で、実際にはそれ程時間は掛からないだろう。

 落葉松の斜面を登ると、西側は一段下に平坦な落葉松林があり、その平坦な落葉松林を見下ろしながら尾根状の上りを登りついた所が大道山山頂だった。10時42分に大道山頂に着いた。標識によれば大道山には堂叡山という別名があるようだが、これは山頂にある三体の神像の中央にある尉官装束で幣束を持った神様(おそらくは御嶽山大神・御獄蔵王権現)の石像基石に刻まれている堂叡山という山号によるものだろう。左右の神像は左が三笠山と刻まれているから三笠刀利天か?、右は八海山と刻まれて不動明王が立っている。三体の神像の右には『堂叡山大日大聖不動明王』と刻まれた石碑、その右には三体神像より更に古そうな不動明王?らしい石像があった。これらからすると、古くは御獄信仰の修験の山として信仰を集めていた様だった。

 石像の前は木々が払われ、西面は窓が開いた様な眺めがあり、坂城の街を見下ろす。街の上には大林山や岩井堂山、冠着山が並び、更にその上には真っ白な北アルプスの連嶺がずらりと連なっていた。誰一人居ない静かで眺めの良い山頂だった。早速湯を沸かしてカップ蕎麦を食べた。地べたに寝転んで少し昼寝をしたり、久しぶりの山で、しばらくは人のいない山頂でのんびりくつろいだ。

 11時54分に大道山を下り芝峠に向けて降りる。落葉松林の切れ目から東に高く、雪もまばらになった四阿山と根子岳が見えていた。芝峠から水晶山林道終点までは一下りだ。落葉松の林道を暑く感じる日差しを浴びながら、ここからは長い林道歩きだった。しばらく下った先の車止めがある小広場には軽トラックが一台停まり、地元のご夫婦が休んでいた。にこにこしながら峠まで行ってきたのか?と聞かれた。少し林道歩きも飽きてくる頃、満開の桜が見えて来ると、13時34分に林道起点の駐車地点に戻ってきた。1時間半も長い林道を歩いたことになる。しばらくぶりの山だったが、軽い山でもあり、疲れは少なかった。

 帰り支度を済ませ、車に乗ってR18を引き返す。途中、東御市にある『ゆぅふるtanaka』という、しなの鉄道田中駅のすぐ隣にある温泉健康複合施設に寄った。こういった施設としては上等の部類で、塩素臭はあまり感じなかった。さっぱりとして帰路に着いた。

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2 コメント

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結構地元の人が整備しているのですね (ノラ)
2013-04-20 14:05:30
あさぎまだらさん こんにちは。地元の人が登る山って言う感じにしては静かな山ですね。それにしても大道山の山頂の神像は立派ですね。昔の人は信仰心が一杯あったのでしょうね。山の上に大きな像を祭るぐらいですから。道標も最近整備されたような感じが見られます。こういう山が町の傍にあるって言うのはいつも羨ましいと感じます。ちょっと行ってくるっていう感じで歩いて来れると思うので。
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地元の山 (あさぎまだら)
2013-04-20 20:09:39
ノラさんこんばんは。
地元の人にとってはわが町を見下ろせる特別の山なのでしょうね。ぼくのとこでも吾妻山から鳴神山はそんな山です。こういう山は外に出ていった人にとっても故郷の心の山、いろんな思い出に繋がっている景色なんだと思います。道標はホントに最近整備されたばかりのようです。もしかしたら、ふるさと120山で紹介されたので?かもしれません。御獄信仰の山なので、もしかしたら御嶽山が見えるのかもしれません。霞んでいましたが。
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