今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

・雨降山、城峰山

2012年12月13日 | 山登りの記録 2012

平成24年12月9日(日)
 雨降山1,012.5m、城峰山1,037.7m

 12月に入って益々寒くなってきた。今年の冬は寒い冬になるという、既に正月明けくらいの寒さになっている。一級の寒波がやってきて、しばらくは寒さが続くという予報だ。先月の七面山で転んで胸を打ち、その痛みもまだ有るのでこの週末はそのリハビリ山行だ。北の方はそんな訳で雪が平年以上に積もっているので、久々に西上州方面に行くことにした。年の始めに行った父不見山登山の時、ついでに登っておこうと思った城峰山と、御荷鉾山系の末端にある雨降山なら県境を挟んで向かい同士の山で、それぞれの山から見比べられる。余りに軽い山であることもあって、今迄登っていなかったのだった。

 車で登山口まで1時間半も掛からないが、土曜の夜に旧鬼石町(現藤岡市)の御荷鉾スーパー林道の雨降山登山口へ向かった。下久保ダムの神流湖畔から御荷鉾スーパー林道に入り、夜の11時に雨降山登山口に着く。登山口先の林道スペースに車を停めて直ぐにシュラフに潜った。6時半にアラームで目覚めるが、まだ暗いのでまたシュラフに潜ってしまった。大分明るくなり、支度をしてバナナカステラを食べ、7時21分に車から出る。登山口には雨降山の登山コースを解説する案内板と、『雨降山小鳥がさえずる森』と書かれた野鳥の絵入りの解説板があった。今のところ、登山口には車もなく、登る人もいない様だった。登山口からしばらくは舗装された林道を歩き、杉林の登山道に入る。振り返ると、シルエットになってアンテナが立つ城峰山が大きい。杉林の中を登っていくと小さな木の鳥居があり、そこからは急な登りになった。鳥居の所にはNHKと群馬テレビの中継所を示す標識もあった。
   
 杉の薄暗い上りをジグザグを切って高度を稼ぐ。道は明瞭だし、立派な木の標識も沢山あって登り易い。杉林の上りが終わると、薮もない落ち葉の積もったナラの明るい斜面になる。安蘇山塊の山を思わせる明るいナラの林だ。8時11分に蛙のオンブ岩を通過する。下から見た方が、蛙がオンブしているようにも見えるが、そう見るのはかなり苦しい。その先でも山の斜面にばらまかれた様な蛙のオンブ岩と同じ岩質の岩が沢山見られる。緑がかった色合いながら、皆石灰岩の様だった。その上はもう幅の狭い稜線状になって、登り上げたところに3つ並んだ石碑が立っていた。一つは大きく、他の二つは少し小さい、全て○○霊神と書いてある。大先達の文字もあるので、修験の先達の功績を記念するものだろうか?この山は修験の山だった様だ。

 そのまま尾根を登り上げると、今度は『日本武命』と刻まれた小さな石碑があった。ヤマトタケルノミコトを祀るものだろう。岩を避けて右手に回り込むと8時27分に、NHKとGTVのアンテナが立つ雨降山東峰に着いた。北に東御荷鉾山が近い。ここにも『神武天皇』とか『御嶽山大神』と刻まれた石碑がある。大きなアンテナの下には物置の建物や、一段下がって登り返した東には、トイレと水資源開発公団の反射板も立っていた。反射板の所からは秩父方面が、テレビアンテナの所からは北面の展望があった。榛名や妙義、赤城山の上毛三山が、その向こうから押し寄せている雪雲の手前に見えるが、少し霞んでいる。風は余りないが空気は非常に冷たく寒い。しばらくは写真を撮って景色を眺め、8時56分に山頂に向かう。
   
 東峰から一旦下って、雑木の尾根を北面に巻きながら登り、次いでやや急な登りを少しで9時12分に木々の中で眺めのない雨降山山頂に着いた。三等三角点標石がぽつんとあり、方面標識が立っていた。木々越しに周囲を透かして見える程度で、葉が落ちたこの時期でも展望の少ない山頂だった。平坦で小広い山頂の、陽が当たる南側は暖かい。傾斜が始まる木の根元に腰掛け、鍋焼きうどんを作って食べた。木々を透かして、下久保ダム湖(神流湖)の碧の水面が見下ろせる。空気が冷たく、手袋を少し外していても指先がかじかむ寒さで、熱い鍋焼きうどんは丁度良い。熱いアルミ箔の鍋で指を温めた。誰もやってこない静かな山頂だった。
   
 9時41分に雨降山を下る。西に少し稜線を辿り、標識に導かれて南に下る。林道を何度か横切り、西側の眺めが良い痩せた藪尾根に下る。東西御荷鉾山や、その下に岩が目立つ愛宕山、西洋のお城の様な白いみかぼ高原荘の建物が西御荷鉾山の下に見える。そこからは一下りで、『展望台』という名前のスーパー林道の休憩スペースがある広場に降り立った。ここは法久峠という地名がある。『展望台』とあるが、スーパー林道が開設された当初、周囲の木々を切って眺めが良かった時に付けた名前で、今はほぼ眺めはない。ここはスーパー林道と法久(ほっく)に下る道の分岐になっていた。小さな小屋掛けの中に、顔がつるっとして目鼻の無い法久峠地蔵尊が赤いお掛けをして鎮座していた。ここから林道を下って、10時48分に車に戻った。この時間になっても、登山口周辺には他に車は見られなかった。今日雨降山に登ったのは、結局ぼくだけだった様だ。
  
 車に乗って次の城峰山登山口に向かう。地図を見ると、神流湖の向こうに渡って城峯公園から林道に入り、直ぐに城峰山頂に繋がる林道になる様にある。しかし、ナビ任せで走ったところ下久保ダムを過ぎてから橋を渡って埼玉県に入り、神川町の市街地を抜けて秩父市(旧皆野町)の満願の湯や秩父華厳の滝の方まで、えらく大回りしてから城峰山への道に繋がった。ナビは林道を避けている様だった…。なので、城峰山登山口のうち、最も山頂に近い城峰キャンプ場に着いた時は、もう11時48分になっていた。駐車場には他に1台車が停まっていた

 城峰キャンプ場は、城峰山頂の100m程下の平坦地にあるキャンプ場だ。テントサイトが一本道の下に2列、整然と並んでいる。オートキャンプ場ではないので、車をテントサイトまで入れることはできない。入口に大きな駐車場があった。キャンプ場入口を11時58分に出発する。キャンプ場は既に営業を終了しているので、ヒトケもなくひっそりとしている。

 100m程歩いてキャンプ場管理舎の前を抜け、城峯神社に出る。城峯神社は、山の上の神社としては神社本殿の意匠も凝ってなかなか見事な建築物だ。柱や梁、屋根下には、褪せているとは言え彩色が施され、凝った彫り物も沢山見られる。往時には、信仰を集めて多くの寄進者もあった神社であったのか、寄進されたものを見ると、寄進者の住所には群馬県高崎市の文字も見られるから、信者は近在ばかりではなかった様だった。神社付近で上から降りてきた2人のハイカーとすれ違う。1台停めてあった車の主らしい。

 神社の先で木々が途切れて崖になり、柵のある展望台になっている。ここからは、両神山方面を俯瞰する広大な眺めがある。あいにくの強い寒波により、奥秩父方面からは白い雪雲の雲提が長く延びて両神山はその末端に埋まりかけている。両神山辺りまで寒波の雪雲が押し寄せている。神社の脇からは登りになって、ほんの一段登ると左が天狗岩で右が山頂の分岐になる。分岐には小さな奥社の建物(説明書きには平成16年に再興された中宮とある)があり、中を覗くと更に小さな奥宮があり、日本武尊のつもりなのか?片肌脱いだ稚拙な作りの人形がその傍らに置いてあった。

 分岐からは先にパラボラアンテナが見え、雑木が茂る稜線をゆるく登って12時18分に城峰山山頂に着いた。駐車場から神社や奥社を覗き、説明看板を読んだりしながらで20分、立ち止まらずに歩けば15分だろう。城峰山には下から登れば2時間半はかかる登山ルートもある。登り道は幾つもあるが、キャンプ場からだとお散歩程度だった。山頂には展望搭デッキにもなっている大きなパラボラアンテナが立っている。アンテナ脇には一等三角点標石と、関東ふれあいの道の看板や、山名標柱、一等三角点を説明する看板類などがあった。

 アンテナの展望塔をらせん状に登ると、展望方位盤もある立派な展望デッキで360°の展望台になっている。風こそ大したことはないが、空気はおそろしく冷たい。直ぐに顔がこわばり、手袋を外していた手指がかじかんでくる。展望デッキからは素晴らしい眺めだが、雪雲が迫っている両神山などの北西側は雪雲の雲舌が延びてきて霞んでいる。榛名や赤城も、やはり北から押し寄せる雪雲のためか霞んでいる。高崎や前橋の市街地は良く見えるが、この時期太陽の角度が低くて逆光になる南側の秩父市方面はあまり良く見えない。無残な姿の武甲山はシルエットになっていた。西側や東京方面は伸びてきている木々に隠れ気味で邪魔をされ、やはり良くは見えなかった。朝登った雨降山は北にすぐ近く、辿った道もそれと確認できた。雨降山から西に続く東西御荷鉾山から赤久縄山への稜線が一番良く眺められる。真下には神流湖も見えていた。展望を一通りカメラに収め、あまりに寒いので、展望塔は早々に退散して下に降りた。

 陽が当たり風も遮られて暖かい展望塔上り口に腰掛け、パンやみかんを食べた。休んでいる間は誰も山頂にやって来なかったので、独り占めでゆっくりできた。1時5分に山頂を下り、分岐から先の痩せた岩場を辿って天狗岩まで足を伸ばすが、木々が茂ってあまりここからの眺めは無かった。そのまま下り、神社に降りる。下の登山道から登って来たらしい2人のハイカーと相次いですれ違い、1時40分に駐車場に戻ってきた。帰り支度をしていたら、車が一台やってきて2人がまた登っていった。駐車場を後に来た道を引き返して神川町から鬼石に抜け、父不見山に登った時に寄った『桜山温泉センターうしおの湯』で入浴した。あまり混んではいなかったが、浴場に入るなり塩素臭が鼻を突く。施設はまあまあだが、温泉としてはあまり評価できない。一日冷えた身体だけは良く温まり、早くも夕暮れの雰囲気になった鬼石を後に帰路についた。
 胸の痛みもまだ残ってはいるが、軽い山をのんびりのリラックスハイクで、気分的には充分リフレッシュできた山だった。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
城峰山は初春に行ってました (ノラ)
2012-12-13 22:12:32
あさぎまだらさん こんばんは。城峰山は1992.3.22に行っていたようで,皆野にユキワリソウだったかを見に行って下から登ってました。帰りもえんえん歩いてますね。雨降山は良く調べないとどれが何処の雨降山か分からなくて。車で簡単に行けてしまうと山の印象が薄くないですか?神社と電波塔だけを覚えているような。20年もむかしであれば当然のようです。しかしいまさら行く気もしないですね。でも一等三角点はかなり新しそうです。点が当用漢字ですね。昔の写真を探してあったら公開してみます。しかし毎日寒いですね。今冬は何度山に行く気が起きるやら。
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軽い山 (あさぎまだら)
2012-12-13 23:22:52
ノラさんこんばんは。
両山とも軽い山ですね。リハビリ山でなければ登らない様なところです。なので登っていなかった訳です。
でも、雨降山はシブサが結構良かったですし、城峰山は眺めの良い山です。たまにはこういう山もイイですね。
この一等点の標石は最近更新されたようですね。そういえば、同じ書体の四等点標石も最近見ますね。四等は標石がないものが多かったですからね。
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一等三角点は私が見た時もこの字体 (ノラ)
2012-12-14 19:27:59
あさぎまだらさん こんばんは。写真見たら私が行った時から既に新しい字体でした。私の記憶違いです。どうも風邪ひいたみたいです。寒気がします。なので今週も山はお休みですね。
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雨です (あさぎまだら)
2012-12-15 00:09:39
ノラさんこんばんは。
久しぶりに外は雨が降っています。からから天気だったので、お湿りです。日曜は晴れて寒気も収まるらしいですが、ぼくも残念ながら日曜は仕事なので…山はお休みですね。
三角点標石は、新しいといっても20年や30年は経っているんでしょう。
寒さが続いたので、風邪ひいたんですね。お大事にしてください。年内にあと何回山に行けるかなあ。ちょっと年末で仕事も忙しくて。
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