Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

トライアングル交差点

2008-12-22 12:40:11 | つぶやき
 伊那市駅から権兵衛トンネルに向かって西進する道は、駅から真っ直ぐに西に向かうと小沢川を渡り川北町へ入る。段丘を登ると信号機にたどり着き、角には真光教会の白い建物が現れる。ここの信号機を「河北町」という。かつてはY字形の三叉路だったのだろうが、小沢川を登ってきた幹線道路がつながり一応十字路になっているが、かつてのY字形をした道路の姿は残っていて、真っ直ぐ西に向かうと権兵衛トンネル。右折して北西に向かうと伊那ICへ向かう。伊那ICはもとより、伊那市街地から北進する春日街道へ入る人は、大方この「川北町」の信号機を右折して行く。春日街道は右折して300メートルほどのところにある次の信号機を右折すると連絡でき、この道は伊那市と南箕輪村境を通過して箕輪町、辰野町方面へ連絡する幹線道路である。今でこそ上段に広域農道が開通して南北を縦走する車はこの道と二分されているが、広域農道がかなり上段を走っていること、小黒川に春日街道とを連絡する橋が開通し、さらにその道が前述の「川北町」の交差点に連絡するようになって、縦走する車が広域農道へ集中していたものが、再び春日街道へ移ってきている。街中を走る国道153号もバイパスが完全ではないこともあって、ちょうど谷の中ごろを縦走している春日街道は、伊那谷北部の最も中心的な道路ともいえるだろう。なお「春日街道」は通称で、正式には県道沢尻箕輪線という。

 「川北町」と次ぎの「沢尻」の交差点は、そういう意味ではこのあたりの人は誰しも一度は通ったことがある交差点である。市内から「川北町」まで登る道は、けして広い道ではないが一応国道361号で、この道がそのまま権兵衛トンネルにつながり、木曽谷へ連絡する。権兵衛トンネルは平成18年2月4日に開通したトンネルで、木曽と伊那という谷を直結した画期的なトンネルでもある。まだ開通して3年弱というところであるが、この開通に合わせ、伊那ICとの連絡を良くするために、「沢尻」の信号機から春日街道をまっすぐ南に行って市内から登ってきた国道361号とТ字に連絡できるようわずか200メートルの区間に新たに道路を開けた。Y字の頭の部分を直結したわけだ。その道がなければ伊那ICから権兵衛トンネルに向かうには、「沢尻」で左折して「川北町」で鋭角に右折するというルートをとるわけで、とても大型車が右折する環境では「川北町」はなかったのである。直結されて新たに「川北町」の西側の国道361号上にできた交差点に信号機が設けられたのは、開通して1年以上を経てからである。この信号機が「沢尻南」である。



 さて、前述したように「川北町」から「沢尻」を経て北へ向かうのがこれまでの流れであったため、市街から登って北へ向かう車のほとんどは、「川北町」で右折することになる。これが今までの慣れであることは言うまでもないが、距離的にも最短となる。ところがこの三つの信号機は連動していない。ようは「川北町」の信号が青になって右折した車が「沢尻」で必ず青になっているわけでもないし、必ず赤になっているわけでもない。それぞれの信号機はそれぞれに仕組まれているから最短ルートであるからといって最短時間とは限らないのである。わたしはこのトライアングル地帯を毎日のように通る。市街から登っていって「川北町」を右折するのと、そのまま西進して「沢尻南」を右折するのとでは、「沢尻」を通過する際には後者が8割、前者が2割の割合で先に通過することになる。簡単に言えば今までどおり「川北町」を右折するよりは、「沢尻南」を右折した方が早いということである。しかし、今までの慣れがあるために、ほとんどの車は「川北町」を右折する。当初はわたしも同じルートをとっていたが、連動しない信号機にいらいらして、後者のルートを絶えずとるようになると、後者が早いことが明確に解った。しかし、逆に市街地に入るルートでは必ずしもその通りではなく、「沢尻」を左折するのと「沢尻南」を左折するのは混雑度合いにもよるが、五分五分、あるいは「沢尻」で左折する方が早いことの方が多い結果となる。何度も言うが連動させないがための不思議なトライアングルなのである。

 慣れと選択という繰り返しを誰しも試すものなのだが、このトライアングルに関しては、いまだその選択に疑問を持っていない人が多いということなのだろう。わが町にも似たような交差点がある。こういう交差点は、だいたいが新しくショートカットしたような新設道路に付随して登場することになる。そして今までの慣れなら従来どおりのルートをとるものの、果たして「どちらが早いだろう」と疑問を持てば、いろいろ試行錯誤をするものである。せっかくショートカット道路を造っても、その道を利用するのは右左折や道路の広さなどから大型車だけという道路が存在したする。
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