Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

「中高生とは目を合わせるな」

2007-01-25 08:12:14 | ひとから学ぶ
 妻が隣近所であった作業に行って、雑談をした際の会話である。「○○さんはたくさんある農地をみんな売って、海外へ行って暮らすってよ」「早く行っちゃえばいいのに・・・」などというおばさんたちのまことしやかな噂話である。噂の主は、なかなか家にいなかったり、隣近所の会議にも顔を出さなくなってきて、よけいにそんなことを言われたりする。それこそたくさん土地を持っているから、こんな時代の田舎の土地と言っても、すべて処理すれば、老後をひとりで暮らす分くらい余裕だろう。そんな噂が流れても、だれも疑うことはない。地域社会の崩壊については、さまざまな視点で触れてきてはいるが、「田舎らしさ」なんていわれる隣近所のかかわりも、まったく消えてしまってきたこの時代である。

 雑談の中でも出たというが、年老いてきたおばさんたちにとって、押し売りも含めて、家にやってくる怪しい人たちをどう払いのけるかが厄介なことのようだ。加えて電話を利用して営業する人や、もっといえば○○詐欺というやつもいて、人を信用できなくなっていることは確かだ。学生さんが勉強のために地域に入って聞き取りをするなんていっても、怪しまれてしまって簡単にはいかないようだ。「中学生や高校生がいても、顔を見て話しちゃだめだに」とか、「いろいろ聞かれても何もしゃべらない」なんていうことがおばさんたちの間で語られるというのだ。「かかわらないのが一番」、まさに都会の雑踏の中の人とのかかわりとまったく同じか、もっと疎遠な社会になっているのかもしれない。「人を見たら悪人と思え」とまで言っているから、大変なことだ。地域の若者たちが、こんな社会じゃ暮らせない、と思うのは当たり前かもしれない。

 凶悪犯罪が起こるたびに、地域社会で共同で防犯活動をしようなどと話すが、なかなか現実はきびしいことになっている。毎日のように報道される殺人事件や、若者たちの荒れた姿の報道を見れば、弱者であるオンナや老人が、強い意志を持つなんていうことはできないだろう。悪いことを「悪い」などといって注意することなどもってのほか、ということになる。
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