Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

ウチのヨメ

2007-01-07 11:15:18 | ひとから学ぶ
 知人のブログで、以前「最近芸能人や投書などで、夫が妻を特定する時の呼称として、「嫁」といっているのが多く、気になります」という文を読んで、確かに最近そういう呼び方をする人がけっこう身近にもいる、と認識していた。さきごろニュース番組で、年末の様子を街頭で聞き取る場面があって、中年のおじさんが「ウチノヨメ」という表現をしているのを聞き、かなり一般的な言葉になってきているんだ、とあらためて認識したしだいである。知人のブログでも説明しているように、本来は父母など自分より上の世代が嫁入した女性をさした名称だったはずだ。誰が使い始めたのか知らないが、どうも「ウチノヨメ」という言葉を日常的に芸能人かなんかが使ったのか、マンガなんかから出てきて一般化してきたのだろう。

 わたしも結婚してもう20年近くなるが、結婚当初は妻のことを何と呼ぼうか、と悩んだものである。今でもあらためて何と呼んでいるのか、なんて聞かれると困ってしまうくらいだ。お互いの中では「オイ」とか「オカアサン」、妻からはやはり「オイ」とか「アンタ」とか「オトウサン」なんていう、かなり昔風な雰囲気が漂っている。正直いって名前で呼んだことは一度もない。一時は他人に家のことを話す際には、「うちのヨメサン」というような言い回しをしていたのだが、もう10年以上にもなって「嫁さん」もないだろうと、しだいに「うちのカアチャン」になっていった。いまではすっかり「うちのカアチャン」が定番である。ブログ上では「妻」なんて書いているが、本当は「カアチャン」でも良かった。しかしながら、読んだ人が「母」と勘違いしてもいけないし、もっとも間違えないわたしとの関係、という考えからゆけば、結局「妻」に納まったわけである。しかしながら、他人に「うちのカアチャン」と表現していても、時として「母」と勘違いされているかもしれない、なんてしゃべりながらも不安に陥っていることもたまにある。でも、人との会話なんていうものは、どれほど私が勝手にしゃべっていることを相手が覚えているか、なんていうことは怪しいものだから、そんなことどうでも良いだろう、程度にわたしは気楽に考えている。

 でもあらためてテレビで一般人が「ウチノヨメ」なんて言っていると、確かに言葉尻から「妻が自分の支配化にあることを他者に対して表明しようとしている」ようにも聞こえてくる。
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