Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

塩見岳

2007-01-18 08:18:39 | つぶやき


 わが家から真東にそびえる山は、南アルプスの塩見岳である。伊那谷の平坦地はすでに日が陰り、太陽の光は南アルプスの山々にだけあたっている。赤くなって夕闇に消えてい行くのだが、その様子を写真で撮ろうとするが、普通のデシタルカメラではイメージ通りには撮影できない。やはり盛んに売れているというデジタル一眼レフがそろそろ必要なのか、なんて思ってしまうが、銭がないから無理な話である。この真東にそびえている塩見岳は、3年ほど前に息子が小学校のときに挑戦した山である。てっぺんまでわすがというところで引き返してきた山であるが、この山は飯田市あたりからもよく見えて、地元ではけっこう印象の深いやまであるようだ。ところがこの山の北側は現在の伊那市になる。上伊那郡長谷村と伊那市が合併したため、伊那市がこんなところまで広がってきたのである。基本的に伊那市は、わが家から30キロ近く北にあるのに、なぜ東側にある山が伊那市なんだ、なんて最近はいつも山を見ながら愚痴るのである。

 ヤフーの長野県地図を見てみるとよくわかる。伊那市が旧市域から下(南)に県境側が垂れ下がっているのである。まだ伊那市は良いほうで、松本市なんかは「何なのこの形・・・」という蝶形である。昭和の合併のころには、こんなおかしな形の合併はあまりなかった。おかしな形になりそうな場合は、同じムラが分離して別の市町村に分かれることも頻繁にあった。ところが平成の合併は、ほとんどが自治体ごと丸ごと合併というケースだ。だからへんてこりんな形になったりする。形ばかりではない。とてつもなく細長かったり、大きな市域を持つ自治体も出来上がった。静岡市なんかは南北100キロ近くある。高山市なんかを見ていると、香川県より大きいんじゃないか。山梨県の半分はあるぞ。てな具合に真剣に見ていると暇人のようだ。みんな馬鹿でかくなってどうするんだ、なんて心配するいっぽう、東京都も大阪府も合併は一件のみ。寂しいかぎりだ。まさに貧乏人がでかくなってますます貧乏になるんじゃないか、なんて思ってしまう。合併だらけの中国四国地方なんかは合併しないのが目立ってしまう。「あら、あなたの住所昔のままねー」なんて言われてしまいそう。愛媛県なんかは松前町と松野町という同じ「松」の字がつく2町だけ寂しく独り身だ。まあいろいろだ。鹿児島県にある「いちき串木野市」なんかは、二つの合併前の名前をそのまま足したから、やたらに長ーい市名になった。よほど大きいかと思えば、小さいものだ。なにしろ節操のない合併劇のようで笑えてくる。

 さて、飯田下伊那地方からは親しまれている塩見岳なのに、とうの伊那市の観光ページを開いても、塩見岳のことはあまり紹介されていない。当たり前といえば当たり前で、ただ市内の一部にはなったが、登山するには伊那市側からは厳しい。伊那市で最も標高の高い塩見岳だが、もしかしたら最もイメージされない場所なのかもしれない。
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