けっこう本読む。最近は洋書ばっかり読んでいるが、日本語の本も読む。日本語の本は新しい本を買うことはまずなくて、読み返しばかりである。新しい本も読みたい気がするが、今ある蔵書を全部読み込まないと申し訳ない気がしているのだ。
今ある蔵書を全部完璧に読み込むといっても、実際は、文字通りそれをこなすとすれば一生かかっても困難である。小林秀雄先生の本など、考えるヒントひとつ読んでも絶対完璧には読めないはずである。トルストイは、やっぱり一生かかると思う。
時間がないのだ。朝から晩まで家で読書をできる環境や、教職にいて研究と仕事が同じであるということでない限り、たくさんの本をわがものにするのは難しいと思う。むしろ、これと決めた手持ちの蔵書にチャレンジし続けることことが読書なのだ、という気さえしている。
そんな感じだから、なかなか、新しい本に手が出せない。時間がもったいない。書店の店頭に積まれた、「今、話題の、芥川賞受賞作品」など読んでみたいなどと思わない。思えば、昭和以降の生まれで、ワシが読んだ作家といえば、村上春樹くらいである。時間のフィルタを透過しないと嫌なのだ。