もっちぃーの宮崎暮らし

宮崎在住の私が、焼酎を飲みながら気ままにやってます(旧「もっちぃーの焼酎ぶろぐ」をリニューアル)。

会社形態について

2008-05-22 00:39:10 | 旧「もっちぃーの焼酎ぶろぐ」
たまには変わった切り口から蔵元について考えてみようかと…。

蔵元の「会社形態」について。
株式会社とか有限会社とか、そういうやつです。

「だから何なんだ」と言われそうですが、私のいつものウンチクなので、
単なる読み物として見て頂ければと…。

さて、まず企業形態を区分してみると、以下のようなものがあります。

 1.株式会社
 2.有限会社
 3.合名会社
 4.合資会社
 5.個人事業
 6.協業組合

これら一つひとつについて、掘り下げてみたいと思います。


1.株式会社

これは皆さんご存知のよくある企業形態ですね。
出資者である株主と経営者である取締役等が制度的には分離しています。
多くの株主を募ることにより資金を確保できるので、それにより事業を拡大する
ことが可能になります。

一般的に大企業に向いた企業形態ですから、いわゆる超大手のメーカーはこの
形態になっていますね。
例えば、
・薩摩酒造株式会社、
・霧島酒造株式会社、
・大口酒造株式会社、などなど。

なお、日本ではあまり規模の大きくない企業であっても株式会社の形態をとる
ことが多いので、小さな蔵元でも株式会社は多いです。
例えば、私の好きなところでいえば、
・大和桜酒造株式会社、
・大石酒造株式会社
・株式会社尾込商店、といったあたりなど。

結局、どんな規模の蔵元でも採用できますから、一番多い企業形態ですね。


2.有限会社

有限会社は株式会社よりも規模の小さい会社になじむ形態です。
出資者と経営者が分離している点では株式会社に似ていますが、株式会社の
株式のように頻繁に売り買いされて株主が変わるようなことがないため、
出資者に余計な口出しをされることなく経営ができるということが言えます。
その代わり資金集めが少しやりづらくなるので、その分規模拡大にはイマイチ。

そのためか、この形態をとる蔵元には、規模拡大よりもこだわりの造りに専念
する蔵元が多いように思います。
例えば、
・有限会社森伊蔵酒造、
・有限会社萬膳酒造、
・高良酒造有限会社、
・櫻井酒造有限会社、など、なかなか面白いところがそろってます。

ところで、法律の改正により、今後は新規で有限会社を作ることはできなくなり
ました。すでにある会社はそのままでいられますので、税などで若干有利な有限
会社は、このままの形態を維持していくものと思われます。


3.合名会社

小規模な会社に向いた企業形態です。
出資者=経営者、つまり経営者の個人的資産の範囲内で経営することになりま
すので、規模拡大に向かない、個人経営的な会社になります。
この企業形態を採用している蔵元さんは少ないですが、当然規模の小さいとこ
ろが多いです。
・田村合名会社
・大山酒造合名会社
・古澤醸造合名会社、など。

どこも「小さいゆえのこだわり」が感じられる蔵元ですよね。
こういうところにがんばってほしいものです。


うーん、なんだか長くなりそうな予感…。

残りは後半に続く…、でいいですか?


-本日の運動-
ジョグ5㎞、シーガイア園内道路。

-本日の焼酎-
「八幡」を生で。おにぎりがつまみなんですが、これが非常にあいます!

-本日のBGM-
アイアン・メイデン「サムホエア・イン・タイム」。


八幡

2008-05-19 00:18:18 | 旧「もっちぃーの焼酎ぶろぐ」
焼酎好きな方々に絶大な?人気を誇るレギュラー酒である、高良酒造さんの
「八幡」です。
今年になってから購入したものを、先日開けました。

私の行動範囲である宮崎~大隅半島では、高良さんの焼酎は少ないので、
ホントにたまにしか買いません。

私の中では「血眼になってでも探す」というほど好きな銘柄ではないので、
たまたま見つけたら買いますよ、といった位置づけです。
ですから、今回開けたこの瓶も、かなり久しぶりに購入し、開栓したものに
なりますね。ブログでの登場も初めてなんじゃないかと…。

もちろん、嫌いじゃないですよ。
というか全然好きです。値段と味を考えたら、酒屋にあれば買います。
他に手に入りやすくて好きなのがあるから、ムリして探さないないというだけ。

この焼酎は、特有の濃さと風味がありますね。
それでいて口当たりがとてもやわらかいので「しっかり味なのに後口もよい」
ということになり、焼酎好きが寄ってくるのもよくわかります。

私はこの特有の濃さが旨く感じられる日もあれば、ちょっとイヤみに感じたり
する日もあります。実は今日はちょっとイマイチの日…。
生で飲むからよくないんだ、との声も聞えてきそうですが…。
(私のバカ舌です。高良ファンのみなさん、すいません。)

さて、写真の八幡は今年(20年)1月の瓶詰めなんですが、
ラベルの住所が「川辺郡川辺町」のままで、薩摩焼酎のマークもありません。
田倉やろかせずのラベルは「南九州市」で薩摩焼酎のマークもあったのですが、
八幡だけ遅れての変更なのでしょうか?

たまーーにしか買わない焼酎なので、よくわかりませんけど…。


-本日の運動-
ジョグ約6㎞。シーガイア園内道路。

-本日の焼酎-
島娘(生)→ 八幡(生)→ 純芋(生)。
焼酎にも飲み合わせがあるのかな。八幡の後の純芋は旨くなります(ホント?)。
酔っ払ってるだけかもしれませんが…。

-本日のBGM-
ロイヤル・ハント「パラドックス」。D.C.クーパーのいた頃が好きです。

もぐら

2008-05-16 00:13:36 | 旧「もっちぃーの焼酎ぶろぐ」
最近飲み干してしまった焼酎、その2。
「もぐら」、焼酎ギルドのPBです。

焼酎ギルドといえば、だいぶ前になりますがこのブログで私が批判的な意見を
書いて、お叱り?のコメントをいただいたこともありました。

その節は失礼しました。

ちなみに、その時のやりとりとしては、私が「既存の焼酎を小手先で少し変えた
だけで、違う銘柄として少し高い値段をつけて出すのはいかがなものか」と書いた
ところ、「ギルドはブーム前から消費拡大に努めてきた」といったようなコメント
をいただきました。

結局、消費者が自分の知識と判断でそれぞれ決めればいいことなんですよね。
私も少しは大人になりましたけど(w。

さて、その議論のころに、モノは試して飲んでみないとと思い購入していたこの
「もぐら」ですが、焼酎棚の奥に押しやられていて、中々開栓の機会がないまま
最近までねむっていました。

んで、何気に先日あけました。

おお、結構うまいじゃん。

うまく表現できないのが申し訳ないのですが、全体的に「丸くて太い」感じです。
名前やラベルの雰囲気もあるのでしょうが、そんなイメージです。
それでいて雑味がないのでイヤな感じが残りませんね。
良い意味で、味、香りともに突出したものはありませんでした。
コガネセンガンを、ベーシックにしっかり造りました、ってな感じです。

普通に楽しめましたし、空くのも早かったです。


最近の業界の情勢を見るに、既存の焼酎を無濾過にするだとか、ブレンド比を
変えるだとか、長期貯蔵にするだとかして、付加価値をつけて値段を上げるもの
が多くなったように思います。
以前にしたギルド系についての私の議論も、いまとなってはカワイイくらいな
気がします。

結局、どういった工程にどの程度価値を見出すのか、値段にどれだけ反映させて
もいいものか、消費者個人の判断次第ですね。


-今日の焼酎-
 島娘(生)→ 八幡(生)。つまみは黒豆。
 生は生なんですが、薄いのから濃い方へが私の基本。

-今日のBGM-
 ジョー・リン・ターナー「アンダー・カバー2」
 ジョーの渋い歌声が、焼酎に合います…。カバー曲も名曲ぞろいだし…。

さつま松の露

2008-05-13 23:28:42 | 旧「もっちぃーの焼酎ぶろぐ」
私のブログ、焼酎ブログといいつつ特定銘柄についてあまり書いていないので、
今回から数回に分けて、最近飲んでいる(飲み干した)焼酎について書いていこ
うかと思います。

まずは櫻井酒造さんの「さつま松の露」。

櫻井さんの焼酎と言えば「櫻井」の文字の入った「金峰櫻井」や「造り酒屋櫻井」
「古酒櫻井」など、見た目にもカッコいいラベルの方が有名ですが、もともと
これがレギュラー酒ですね。

私の行動範囲である宮崎~大隅半島の酒屋では、まず見たことがないです。
一説では、宮崎の松の露酒造の「松の露」との関係で遠方に出荷できず、鹿児島
でも蔵元の近くでしか売っていないなんて聞きましたが、真偽の程はどうなんで
しょうか? 知ってる方いましたらお願いします。

ちなみに私は、薩摩半島のとある酒屋さんから送ってもらっています。
元値が2000円もしない焼酎なので数本頼めば一本当たりの値段が「造り酒屋」
よりも安くて済むんですよね。

私は「造り酒屋」がものすごく好きなのですが、値段も高いですし、いつでも買
える訳ではありませんので、櫻井さんの白麹が飲みたいときには、コレを複数本
注文して送ってもらうようにしています。

櫻井さんの焼酎の特徴は、芋の甘み、旨みがしっかり出ているのに、全く雑味や
エグい感じがないこと。そのレベルがかなり高いと思います。
モロミの出来に自身がないと、蒸留や濾過の過程で濃い目に味をもって行くのに
勇気がいるんじゃないかと思いますが(私の想像)、櫻井さんは芋の下処理におい
てかなり丁寧に痛んだ部分を取り除いているということを聞きまので、
そういった丁寧な仕事によりこの味が生まれているんではないかと。

そして、その基本線は、レギュラー酒であるこの「さつま松の露」でも十分に
現れていますね。

基本的に、飲み飽きしない白麹の焼酎が好きな私にとって、この焼酎の完成度は
かなり高いです。わざわざ値段の高い「造り酒屋」を買う必要はないかな、と
思っています。近くに売っていればもっとうれしいのですが…。

ところで、「さつま松の露」にもほんの少しだけ黒麹の焼酎がブレンドされてい
るらしいと聞きましたが、本当でしょうか???
ずっと白麹だと信じてましたが…。
そうであるならば、黒麹のブレンド比率が少ない順に「さつま松の露」「小さな蔵」
「金峰櫻井」となるんでしょうか?
ちなみに、この順番が私の好きな順番でもありますね。基本的に白麹好き。

さて、今回開けたこの一升瓶も、あっと言う間に空っぽになってしまいました。
他の焼酎も数本開いていたのですが、こればかり手が伸びて、1週間もかからず
空でしたね…。

これにてこの焼酎の在庫が無くなったので、また注文しなければ…。


微生物パワー

2008-05-11 02:06:51 | 旧「もっちぃーの焼酎ぶろぐ」
以前の記事で、私が熱帯魚を飼っていると書いたことがあります。
その中で、魚の住みやすい環境を作るためには、いかに微生物に有害物質を分解
してもらうのかが大事だということに触れました。

その有害物質とは、魚の排泄物に含まれるアンモニアがメイン。
アンモニアは、水中に住んでいるバクテリアである「ニトロソモナス」というのに
よって亜硝酸へ分解され、この亜硝酸は別のバクテリアである「ニトロバクター」と
いうのによって比較的毒性の低い硝酸塩へ分解されます。

ですから、水槽の水をキレイに保つには(見た目のキレイさではなく毒素が少ない
という意味で)、この二種類のバクテリアが住みやすい環境を作ってやり、
化学変化のサイクルを維持してやる必要があるということになります。
そのため、さまざまな濾過装置や濾材(バクテリアの住み家となる素材)が売られ
ています。

濾過の細かい方法については、書き出したらまたキリが無くなるので置いておくと
しまして、ここで強引に焼酎の話しへ。

焼酎(お酒)は、デンプンを「麹菌」の働きで糖質へ変えて、その糖質を「酵母菌」
の働きでアルコールに変える、というのは皆さんもご存知ですよね。
ですから、杜氏さんは、麹菌や酵母菌が上手く働けるような環境を作ることに
全力を尽くしているみたいです。
全体が均一に、そして丁度よい速さで変化していくように、温度管理をしたり
かき混ぜたりと、微生物の機嫌を取りながらの仕事になりますよね。

さて、水槽と焼酎、どちらも2つの微生物が関与していて2つの化学変化が発生し、
その微生物の住みよい環境作りが大事と言う共通点があるということで、なんだか
自分の好きな趣味の本質が似てるな~と思い、こうしてネタにしてみました。

ちょっと強引ですかね…。

我が家では他にも、パンを焼くのにイースト菌を使ったり、ヨーグルトメーカーで
ヨーグルトを作るのに乳酸菌にお世話になったりしています。

目に見えない微生物は、その働きをイメージするのは難しいですが、自然界の
仕組みの中では非常に重要な役割を果たしているんですよね。
時間があれば、そういう方面の勉強とかもしてみたいな~、なんて…。


酒税の軽減措置延長

2008-05-09 00:45:50 | 旧「もっちぃーの焼酎ぶろぐ」
たまには税金のお話しなど…。

焼酎一本の税金(酒税)っていくら位なのかご存知ですか?

簡単な計算方法がありまして、100mlで1度だと1円。
1800mlで25度の焼酎だと、18×25=450円 ということですね。

ただ、これまで中小の酒蔵を保護する目的で、税金が低めに据え置かれていま
したので、中小の蔵元だと、これよりもう少し税率が低くなっているんじゃない
かと思います。

さて、この税金を低めに抑えた措置が廃止されるのではないかと言われていまし
たが、とりあえず5年間は延長されてることになったようです。
まずは蔵元は一安心というところだと思います。

その法律が国会を通ったのが4月30日。
ご存知、ガソリン税の復活が決まった日ですね。
ニュースソースは → コチラ

そもそも税金は、各種の法律により個別に定められています。
消費税法とか酒税法とか印紙税法とか。。。

ところが、それらの税法で決まっている税金の税率であっても、諸事情から税率
を高めにしたり低めにしたりする必要が生じる場合があります。
そういった税率を変更するためにも法律が必要となりますが、それが1つに集約
されたのが「租税特別措置法」ということになります。
つまり、本来の税率は各法律に書いてありますが、その税率に変更があるかどう
か確認するためには租税特別措置法も見なければいけないということ。

んで、ガソリン税でもめにもめた同法律ですが、実はガソリン税以外の各種の
税金の特別措置も数多く含まれていて、それも同時にストップしたままになって
いたんですよね。
そして結局、ガソリン税は高くなるという方向でもとに戻りましたが、酒税に
関しては低かったままのもとに戻ったということで…。

そこで一つ疑問が。
4月に蔵出しされた焼酎には高い税金がかかっているのか?

酒税もガソリン税と同じ「蔵出し税」なので、製造元を出るときに税金がかかり
ますから、4月のガソリンが安くなったのと反対に、4月に出荷されたの焼酎は
高くなるのではないかという疑問が残ります。

しかし、酒税に関しては、適用が4月にさかのぼって適用ということになって
いるようですから、その心配はなさそうです。
ガソリン税は「下がる方」の変化でしたから、いまさら一般消費者に追加で税金
を払わせることはできませんが、酒税は「上がる方」の変化でしたから、役所の
方が取り過ぎた税金分を返せば済んでしまうんでしょう。
だからさかのぼり適用が可能なのではないかと。

だいたいお分かりいただけたでしょうか?

ちなみに私は税金に関する仕事をしている訳ではありません。
単なる焼酎ファンとして推移を見守っておりました…。


阿波岐原森林公園

2008-05-08 00:20:38 | 旧「もっちぃーの焼酎ぶろぐ」
タイトルにある「阿波岐原森林公園」と聞いて、皆さんピンときますでしょうか。

こちらの 地図 を見ていただければ分かるんですけど、
宮崎市の海岸線にある広大な公園で、観光地として有名な「シーガイア」も
実はこの公園の一部なんですね。

地図にある範囲で南北約5キロ。
さらにその北にもう一つゴルフ場(フェニックスカントリー)がありますし、
さらにその北に動物園(フェニックス自然動物園)がありますので、
そこまで含めると約10キロにも及ぶ広大な公園地域ということになります。

宮崎県は、人口当たりの公園面積が全国でも上位とのことですが、
こんなにバカでかい公園があれば、それもうなづけます。

公園とは言ってもほとんどが松林なんですが、その中に色々な施設が点在して
いて、遊歩道により細かく繋がっています。

少し前の記事で書きましたが、私はちょこちょこジョギングをするにあたって、
この辺りを思いっきり利用させてもらっています。

ジョギングするにはものすごくよい環境です。。。

メインのパークウェイを中心に、松林の中の園路や、海岸道路、ヨットハーバーや
海水浴場
など、縦横無尽に好き放題に選んで走っています。

しかも人が少ない…。

私は鹿児島から宮崎へ引っ越してくるに当たり、意図的にこの近辺を選んだの
ですが、思ったとおり、本当によい環境です。
これまで人生で十数回の引越しを経験してきましたが、今のところこの辺に永住
しようかと考えています。

とまあ、よいことだけ書きましたけれど、ご存知のとおりシーガイアの事業自体
には批判も多いですし、美しい松林も切り開かれ、臨海公園地域の開発のために
自然の砂浜も消失してしまっています。
この辺りは10年前はすばらしいサーフィンスポットだったそうなのですが、
今はこの公園地域では、海岸侵食などによりほとんど波乗りはできません。

こうしたマイナスの面もちゃんと理解した上で、とはいえ出来てしまった立派な
公園ではありますから、有意義に利用させてもらおうと思っている次第です。

公園内の個別の施設については、追って書こうと思っています。

皆さんも、宮崎への移住はいかがですか???

長期熟成(その4)

2008-05-02 00:29:17 | 旧「もっちぃーの焼酎ぶろぐ」
だいぶ間が空いてしまいましたが、長期熟成についての続き。

まず、アルコールと水の混和について。

よく言われていることですが、長期熟成により水とアルコールが混ざり合い、
まろやかさが増すというもの。
焼酎の「前割り」もこれを利用したものですね。
これは実際に自分の舌でも感じることのできる変化ですから、私も賛同できる
効果といえますね。

そもそも、アルコールは非常に他の液体と混ざりやすい物質です。

ただ単に「混ざる」というのではなくて、確かに分子レベルでの「混和」が起きて
いるのだそうです。
その証拠に、水とアルコールを混ぜると、もとの液体の合計よりも体積が少し減る
ということもよく知られていますね。

また、蒸留するときでも、アルコールと水が別々に上がってくるのではなくて、
ある程度混和した状態で一緒に蒸留されます(これを「共沸」といいます)。
沸点の低いアルコールが気化するときに、まだ沸点に達していない水の分子も
一緒に連れて行くという現象です。

それくらい水とアルコールは混和しやすい物質だということですね。

そうすると、そこまで混和しやすい物質であるならば、例えば2、3日の前割りで
焼酎が十分まろやかになることを考えると、数年も寝かす「長期」の熟成の必要
まではないんじゃないかと思うのですよ。
もちろんこれは素人の感覚的なものであって、どれくらい置いたらどれくらい混和
が進むのかという根拠データがある訳じゃないんですけど、混和のためだけに
長期置くのだとすると、ちょっと効果に疑問がある気がします。


さて、最後に焼酎の劣化について。

皆さんも経験されたことがあると思うのですが、焼酎を一度開封すると、香りが
少しずつ飛んでいきますよね。特に華やかな香りの紫芋系の焼酎だと、それが
よく分かると思います。
また、アルコールも揮発性ですから、少し飛んでしまい度数が下がっているかも
しれません。
そして、旨み成分に関しても、酸化により多少の劣化が考えられます。

その結果、どうなるのか。

香りも弱く、アルコールきつくもなく、味も薄めの……、
つまりは「飲みやすい」焼酎が出来上がってしまいますよね……。

そして「飲みやすさ」を「熟成されて旨くなった」と勘違いしている部分も多々
あるではないかと。

特定の銘柄を出して恐縮ですが、以前「川越1972」を飲んだときに思ったこと。
あまりにも透明な水に近くなったようで、芋の香りや旨みを感じられなかったん
ですよ。本当にさらさらとしたやわらかい水なんですが、やわらかすぎて何も
引っかからない。芋焼酎には感じられませんでした。
残っていたのは、米焼酎に似た蜜っぽい甘さだけでした。
(バカ舌ゆえの評価なので、違う感覚の方にはスイマセン。)

これを受けての私の結論としては、芋焼酎の香りや旨みというのは、長期熟成に
より若干のプラスの変化があるのかもしれないけれど、よい意味での「クセ」に
関しては、マイナスの方が大きいのではないかと。
やりすぎもよくないな、と。
一方、米焼酎のような甘さはちゃんと残っていたので、米焼酎である泡盛なら
長期熟成への期待もあっていいのかなとも思いました。

考えてみれば、芋焼酎は、蒸留してすぐに(若干のガス抜きをしたら)飲めると
いう優れた蒸留酒であり、芋の華やかな香りが特徴です。
例えば同じ蒸留酒でもウイスキーは、蒸留したては味、香りともに飲めたもの
ではないそうで、樽貯蔵により味を落ち着かせ、風味を添加させることで
ようやく完成します。

そういった「長期貯蔵しないと飲めない」ものと「すぐに飲めて華やかさを楽しむ」
ものとの、そもそもの成り立ちの違いを考えると、長期熟成に対する考え方も
変わってくるんじゃないかと思います。
「長期熟成」という言葉はカッコいいですが、それが適した場合であるのかの
判断が、なにより大切なのではないかと。


長くなったので、まとめを書いておきますと、
・空気に触れることでよいことは少ないように思う。呼吸する生物はいないし、
 劣化しやすくなるし。
・だから通気性のある甕貯蔵はあまりよくないんじゃないかと思う
・瓶で熟成するにしても、微量の旨み成分の変化に賭けるしかないのだが、
 その効果についてはよく分からない。
・水とアルコールの結合については効果があるものの、それほど長期の貯蔵は
 必要ないのではないか。
・それでも長期貯蔵に賭けるなら、やりすぎないようほどほどに。
といった感じでしょうか?

ということで、
できたての焼酎はさすがにガス臭がするのでしばらく空気に触れさせ、
割り水したら瓶詰めして空気から遮断し、
混和するまで若干待ち(長期は不要)、
開栓したらそれなりの期間で飲んでしまう、
というのが一番旨いのかもしれません。

それって、いつも飲んでるいつもの焼酎ということになりますね…(w。


以上、全て私の勝手な独断によるものです。
単なるお遊びの読み物として理解していただければと思います。。。。。

長期熟成(その3)

2008-04-24 00:49:44 | 旧「もっちぃーの焼酎ぶろぐ」
また間が空いてしまいましたが、長期熟成についての続き。

まずは補足から。
長期熟成(その1)で、生酒は酵母が生きているから生物による熟成が進む、と
書きましたが、そもそも酵母によるアルコール発酵は「嫌気的」な変化ですから、
生酒が酵母により熟成する過程においても、空気は必要ないはず。
ですから、生酒の熟成においても「酒が呼吸する」という表現はありえないでしょう。

結局、生酒にも蒸留酒にも、呼吸をするような生き物はいない、ということ。
言い換えると、空気に触れさせる意味は薄いのではないかということ。


さて、本日の本題、化学変化について。

前に書いたように、焼酎の成分は「水」と「アルコール」と微量の「旨み成分」です。
化学変化をおこすとすれば、これらの物質ということになります。

まず「水」なんですが、水はそれ自体では変化は少ないものの、微量の他の成分を
含んでいますから、それらが劣化することは考えられます。
割り水をしてしまうと、それによる影響がでやすくなるでしょうから、原酒のまま
での保存がよいのかもしれません。
実際に蔵元で貯蔵しているのは、原酒のままが多いですよね。

次に「アルコール」。

アルコールと言うと、飲めないものを多く含んだ表現になりますから、正確には
「エタノール」ということです。

まず、エタノールは揮発性があるため、空気に触れていると量が減ってしまうので、
その点では密閉がよいかと。
また、エタノールが酸化するとアセトアルデヒドに代わりますが、これは人体に
有害なので、味の変化以前の問題かと…。
なお、密閉条件下でエタノールが旨み成分へ変化するなんて聞いたこともないので、
何にせよエタノールの長期保存にとって、空気と触れることに利点はないものと
思います。リスクに対する長期貯蔵の必要性は薄そうです。

さて、問題の、微量の「旨み成分」。
これって何なんでしょう?

よく聞くのが「高級脂肪酸」という言葉。要は、油分。
脂肪酸の中でも元素記号のC(炭素)を多く含むものを「高級」と呼ぶのだそう
ですが、どうしてもCと聞くと「酸化=劣化」というイメージが湧いてきます。
実際に、濾過が薄くて焼酎の華が浮いているような焼酎は、酸化して腐りやすい
と聞きますので、基本的に空気と触れるのはよくないんでしょう。

例えば肉などは腐る前が一番おいしいなんていいますが、まさか酸化して劣化する
ことで焼酎が旨くなってるなんてことはないですよね…。

酸化しないにしても、油分って、長期間置くことにより旨くなるんでしょうか?
そして、他には旨み成分として、何が入ってるのでしょうか?
長く置いておくだけで旨みが増すような成分が入っているんでしょうか?
化学変化において、「長期間でじわじわ変化する」のって、あるんでしょうか?

一番大事なところで投げやりですが、経年による化学変化により旨み成分が増すと
考えた場合、何が、どんな変化をするんでしょう???

水とアルコールが変化しないと考えた場合、やはり微量の旨み成分の変化に
夢を託すしかない訳で、とはいえ実際それらの変化について素人は説明できない
でしょうから、その辺に長期熟成の未解決な部分、ロマンを残すことになるんで
しょう。

沖縄の泡盛は、長期熟成させると旨くなると言います。
その際に、濾過は控えめに、度数は原酒のままで、そして甕貯蔵で、というのが
よいとされているようです。
濾過を控えめにすることにより旨み成分を多くし、原酒のままで割り水の影響を
廃して、甕により若干の空気の影響を受けさせる、と考えた場合、
やはり旨み成分自体が何らかの変化をすることを期待しているように思います。



私の文章、中々終わらないですね…。

あと、「水とアルコールの分子の結合」と、良くも悪くも「劣化」について書こうと
思っています。

ああ、長いな…、(その4)へ続きます…。

長期熟成(その2)

2008-04-19 00:28:25 | 旧「もっちぃーの焼酎ぶろぐ」
ちょっと間が空いてしまいましたが、長期熟成に関しての後半。

再度断っておきますが、私の書く事に科学的な根拠は薄いです。
単なる焼酎ファンの妄想に近いものがあります。
いろいろ勝手に考えて楽しんでいるだけなので、その辺よろしくです。

前回は生酒の熟成についてありきたりなことを書きましたけど、今日は蒸留酒に
ついての本論ということで。

蒸留酒は文字通り熱により蒸留して蒸気を集めたものですから、麹菌や酵母菌と
いった「生物」は基本的にいないはずです。当然です。
ですから「生物」の「代謝」による熟成というのはおこらないはず。

蒸留酒の中に入っているのは、水分と、アルコールと、そして微量の旨み成分で
すから、それらの成分の中だけで「熟成」について語らないといけないですよね。
それが大前提。

では、貯蔵容器による違いを整理しておきます。

ウイスキーのような木製の「樽」による貯蔵の場合、木の成分の染み出しにより
ウイスキーに色が付くように、生木である樽の成分が蒸留酒に影響を与えている
ことが考えられますから、焼酎の長期貯蔵とは異なるのではないかと思います。
ですから今回の話題からはそういった論点は除外。

「甕」貯蔵の場合、一般的によく言われるのが、甕の小さな気泡を通じて空気に
触れることができるので、それが影響を与えているのではないかということ。
どの程度空気に触れることができるのか分かりませんが、一般的にそうだと言わ
れているので、とりあえず信じることに…。
あと、甕の土の成分が溶け出すとか、遠赤外線効果があるとかいいますが、
サッパリわからないので、その辺はカットして…。

ステンレスやホーローのタンクは、タンクの成分が溶け出すということはあまり
考えられないですが、上面は空気に触れていますので、その影響は少しあるかと。

瓶貯蔵の場合は、瓶の上の方のちょっとした空間の空気以外には、基本的に空
気に触れることはないと考えてよいと思います。

前置きが長いですが、変化に関する本題へ。

まず、生物による変化。

上に書いたように、蒸留酒には基本的には「生物」と呼べるものはいないはず。
ですから生酒のような生物による熟成はありえないはずです。

蒸留前の微生物が生き残っているとか、空気中の微生物の影響なんてのも
聞いたこと無いですし、現実的ではなさそうです。

よくカッコいい表現で「焼酎が呼吸をして…」なんてことを聞きますけど、呼吸を
するような生物は蒸留酒の成分の中にはいないのであって、化学的な意味で呼
吸をすることはありえないと思うんですよね。
つまり生物が代謝活動により他の成分を生成するような過程は、蒸留酒の貯蔵
には存在しないのではないかと。

「呼吸する」なんて書くと、焼酎が生きているみたいでワクワクしてしまいます
けど、全く意味のない話だと思うんですよ。

ですから「甕」貯蔵における小さな気泡により「焼酎が呼吸する」といった表現
には、私は全く賛同しておりません。
あくまで個人的意見として…。

ということで、次に化学変化について。


と、思ったんですが、長くてめんどくさいので(その3)へ続く…。
(飽きっぽいのでスイマセン…。)