最近あまりにも焼酎に関する記事が少なくて、そろそろお叱りを受けそうなので、
たまには真面目な記事など…。
新聞記事に、新しい芋の品種ができたというのがありました。
リンクは →
コチラ です。
この記事に出てくる「九州沖縄農業研究センター」というのは、宮崎県の都城市
(桜で有名な母智丘公園の近くです)にある、政府系の研究機関ですね。
焼酎用の芋の品種に詳しい方ならば、「ジョイホワイト」を生み出した機関として
ご存知かもしれません。
一般的によくある品種改良としては、異なる品種のおしべとめしべを交配させて
新しい「種」を作って…、ということになりますよね。
しかし、畑に植えるサツマイモは「種」を植えるわけではなく、「ツル」を刺し芽
するような形で植えますから、単年度で簡単に交配種ができるということでは
ないようです。
ですから、新しい品種を生み出すのには非常に時間がかかり、概ね10年ほどだと
いうことを聞いたことがあります。
今回の新聞記事にある品種も12年かかったとありますね。
そういう訳で、コチラのような専門の研究機関によって、時間をかけて新品種が
生み出されるということになっているようです。
研究センターのホームページを覗かせてもらったところ、これまでに同センターが
生み出したサツマイモの新品種の一覧がありましたので、リンクを張っておきます。
→
コチラ です。
昭和41年の「コガネセンガン」や昭和60年の「シロユタカ」などおなじみのもの
から、
平成6年の「ジョイホワイト」や平成7年の「アヤムラサキ」のように最近焼酎の
材料として人気の出てきた品種や、
平成13年の「ムラサキマサリ」(『赤霧島』『赤江』など)や平成15年の「ダイチノユメ」
(『日向あくがれ 大地の夢』『萬年 無濾過 大地の夢』など)のように、つい最近
出始めた銘柄など、本当にいろいろあって面白いです。
普通、私たちが焼酎の製造過程に思いを馳せるとき、農家がサツマイモを作る
ところからがスタートのように感じますが、
こちらの研究機関のように新しいサツマイモの品種を生み出すところがあってこそ、
さまざまな味、風味をもった焼酎を楽しむことができるんだな、と再確認させて
くれますよね。
しかも品種改良には非常に時間がかかるということを考えれば、もっと評価されても
いい分野かもしれません。
今回新聞記事になった「ときまさり」という品種も、現在は櫻の郷醸造の試験醸造
だけのようですが、数年後にはいくつかの蔵元から新銘柄として出ているかもしれない
ですよね。
こういうふうに、新品種のサツマイモからその後の銘柄展開を追っかけるというのも、
今後の新しい焼酎の楽しみ方になるかもしれないです。
-本日の焼酎-
杜氏潤平を生で。相変わらず繊細な味わいで、この壊れそうな味わいは、ロックにも
お湯割にも出来ませんね。こういう飲み方を限定する焼酎というのも、もっと
あってもいいかもしれません。