登記もろもろ覚え書

司法書士の覚え書き

自筆証書遺言の検認

2011-07-04 | Weblog
自筆証書遺言の検認  


自筆証書遺言の場合、公正証書遺言と異なり
家庭裁判所の「検認」を受けなければその遺言書を執行できない。

検認の目的
・相続人に対して遺言の存在およびその内容を知らせる。
・検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造変造を防止する。

①申立

遺言書の保管者または遺言書を発見した相続人が、
遺言者の最後の住所地の家庭裁判所に申し立てる。


②申立に必要なもの(管轄裁判所によっては異なる場合もあるかも・・です)

遺言書の検認手続の申立てがあると、裁判所はまず相続人全員に通知することになる。
それゆえ、裁判所は、いったい誰が遺言者の相続人なのか確認しなければならない。
そのために概ね以下の書類が必要となる。


遺言者(被相続人)の一生の戸籍謄本

※遺言者の出生時から死亡時までの遺言者に関するすべての戸籍を調べ
配偶者や子、隠し子などまで、相続権がある人を隈なく確認する。


相続人全員の戸籍謄本

※相続権のある人が生存していることを確認する。
したがって通常は現在の戸籍のみでよい。
死亡している場合は相続人が変化していくことがあるのでさらにその調査が必要となる↓


相続人である子が死亡している場合、その人に関する一生の戸籍謄本

※遺言者の子が遺言者よりも先に死亡している場合は、代襲相続が発生し、その子に相続権が移る。
ゆえに遺言者の子のさらにその子供がいること、いないことを確認する。
遺言者の子が遺言者よりも後に死亡している場合、相続人は遺言者の死亡した子であるが、その地位を
その配偶者および子が引き継ぐので、やはり一生の戸籍が必要となる。
ちなみに前者の場合、遺言者の子が相続人となり、後者の場合は、遺言者の配偶者と子が相続人として
通知を受けることになるので、かれらの戸籍謄本(抄本)も必要になるのだろう。



申立書には、遺言者や申立人に関する事項のほか、相続人の住所、職業、生年月日、
電話番号などの記載も必要となる。その記載により裁判所から通知がされることになる。
さいたま家庭裁判所では、相続人の住民票は不要ということであり、申立書の記載が
信用されることになる。


なお、戸籍などの書類は、その写しをとって提出しておけば、
検認手続きがすべて終了したときに返却してもらえる(原本還付請求)


遺言書そのものは、検認手続きの際に必要なのは当然だが、申立の時点では不要とのこと。  





収入印紙800円 これが手数料である。


Ⅵ郵券(切手)80円×相続人の数×2




③手続き

申し立て→裁判所から各相続人に検認期日の通知→検認期日に遺言書を開封、検認


検認期日には申立人は必ず出席しなければならない(要遺言書)。
その他の相続人は自由である。



④検認が終わったら

遺言を執行するために必要な「検認済証明書」を申請する。
遺言書1通につき150円分の収入印紙と申立人の印鑑が必要。



検認に要する時間は、日程が合えば、申立から3週間ほどで済む場合もあるようである。

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