登記もろもろ覚え書

司法書士の覚え書き

共有物分割

2010-12-25 | Weblog
土地や建物の共有者がその共有状態を解消するための方法に共有物分割があります。共有物分割協議により、持分を他の共有者に移転し、その旨の持分移転登記する場合の登録免許税は、一定の場合に評価額の1000分の4に軽減されます。

(登録免許税法別表一第一号(ニ)ロ、登録免許税施行令第9条)


【事例】
甲と乙は一筆の土地を共同所有していた(持分各2分の1)。甲と乙は、共有状態を解消すべく、二筆に分筆し、各々共有物分割により持分を譲り渡すことにした。しかし、分筆登記をしたのち、乙はその持分を丙に移転してしまった。その後、甲は丙との間で共有物分割の協議をし、それぞれ甲から丙へ、丙から甲へと持分全部移転登記しようとしている。
当該共有物分割協議による持分移転登記の登録免許税は軽減されるか?

【結論】
登録免許税施行令第9条の規定の適用はなく、登録免許税は1000分の20となる。

※分筆登記をした当事者が共有物分割の登記を申請する必要があるということで、「分筆登記をしてから共有物分割による持分移転をする」という共有者の地位(登録免許税の特例を受けられるという地位)は承継されない、ということか・・




【登録免許税施行令第9条】
(共有物の分割による移転登記等の場合の課税標準)
第九条  共有物である土地の所有権の移転の登記において法第十七条第一項 又は別表第一第一号(二)ロ若しくは(十二)ロ(2)の規定の適用がある場合におけるその共有物について有していた所有権の持分に応じた価額に対応する部分は、当該共有物の分割による所有権の持分の移転の登記に係る土地(以下この項において「対象土地」という。)につき当該登記(以下この項において「対象登記」という。)の直前に分筆による登記事項の変更の登記(以下この項において「分筆登記」という。)がされている場合であつて当該対象登記が当該分筆登記に係る他の土地の全部又は一部の所有権の持分の移転の登記(当該共有物の分割によるものに限る。以下この項において「他の持分移転登記」という。)と同時に申請されたときの当該対象土地の所有権の持分の移転に係る土地の価額のうち当該他の持分移転登記において減少する当該他の土地の所有権の持分の価額に応じた当該対象土地の持分の価額に対応する部分とする。


【平13.5.31裁決、裁決事例集No.61 721頁】
租税特別措置法第84条の4第2項の特例は、[1]共有物分割による持分移転登記の申請に係る土地全てが、もともと共有の1筆の土地であって、同一の分筆登記によって生じたものであること、[2]共有物分割による持分移転登記が、[1]の分筆で生じた他の土地の共有物分割による持分移転登記と同時に申請されていること、の二つの要件を備えている場合に限って適用されるものであるから、仮に、数筆の土地について共有物分割による持分移転登記が同時に申請された場合であっても、その申請に係る土地が、もともと共有であった1筆の土地から同一事件に係る分筆登記によって生じたものでない場合には適用がないところ、本件申請に係る本件各土地は、請求人らが共同で競落したことに基因して共有することとなったものであって、分筆登記前の土地について共有関係があったものでないから、本件登記申請には本件特例の適用がない。

http://www.kfs.go.jp/service/MP/12/0404000000.html

さいたま地方法務局本局(統合)

2010-12-03 | Weblog
さいたま地方法務局への統合の日程が決まったようです。
【平成23年1月11日】
大宮支局、岩槻出張所(蓮田市の不動産登記管轄のみ久喜支局へ)を統合。
【平成23年3月22日】
戸田出張所を統合

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現在の管轄
さいたま市のうち
浦和区、中央区、桜区、南区、緑区
(商業登記は大宮区、西区、北区、南区を含む)
  ↓
平成23年1月11日
さいたま市全域
(商業登記は蓮田市を含む)
  ↓
平成23年3月22日
さいたま市、戸田市、蕨市
(商業登記は蓮田市を含む)

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さいたま市にかかわらず、管轄が非常に複雑になっています。
逐一、ホームページなどで確認しましょう。

http://houmukyoku.moj.go.jp/saitama/static/click_map01.html