登記もろもろ覚え書

司法書士の覚え書き

NPO法人の代表権を有しない理事の抹消登記

2012-07-03 | Weblog
特定非営利活動法人(NPO法人)

【従来の取扱】
理事の代表権に加えた制限は
善意の第三者に対抗できない。

定款で代表権を制限しても
その旨を登記することができない。

理事全員を
「代表権を有する者」として
登記しなければならなかった。


【法改正による新しい取扱】
(特定非営利活動促進法の一部改正)
(平成24年4月1日施行)

理事の代表権に加えた制限を
善意の第三者に対抗できないという規定が
削除された

「代表権の範囲又は制限に関する定めがあるときは、
その定め」が登記事項とされた(組合等登記令)



定款に「理事長」のみが法人を代表する旨の定めがある
特定非営利活動法人については、平成24年4月1日か
ら6ヶ月以内に、理事長以外の代表権を制限された理事
(代表権を有しない理事)について、「平成24年4月
1日代表権喪失」を原因とする変更の登記をしなければ
ならないことになった。(施行令附則第3条第1項)

平成24年4月1日以降の役員変更登記については
代表権のある理事のみを「理事」として登記し、
代表権のない理事は登記しない




(申請書例)

【登記の事由】
理事の変更

【登記すべき事由】
○県○市○○1丁目○番○号
理事 甲野太郎
平成24年4月1日代表権喪失

※以下代表権のない理事全員を同様に記載する。
代表権のない理事だけを抹消することにより
登記簿には代表権のある理事だけが残ることになる。


【添付書類】
定款 (理事長、代表理事の選任方法を証明)
理事会議事録、理事の互選書等 (定款所定の選任方法による)
就任承諾書


理事長(代表理事)が、単なる「理事」ではなく
「理事長(代表理事)」であることを証明する書面。
つまり、理事長(代表理事)に選任されていることを証明する
過去の書面を添付する。