2017年度駒場祭まとめⅡ

2018-01-08 18:42:47 | 写真集
部員のしゃなぎです。年が明けてしまいましたね。
本年も東大LEGO部をよろしくお願いいたします。

前回に引き続き、駒場祭の作品を紹介していきます。


東大ロゴ



設計:V.14
「以前からある、わが部を代表するかのようなポジションの作品。見た目をそのままに、強固に作り変えました。ただし厚みはそのまま、むしろ薄くなってます。ここ数年のパーツの進歩って素晴らしいですね」(V.14)


そして今回のポイント、後ろから見てもかっこいいんです!






駒場キャンパスマップ2017



駒場祭委員さんとの合同企画で2009年に制作した「駒場キャンパス立体地図」をベースに、
キャンパスの変容に合わせアップデートを行った作品です。




今回新たに制作した、21 KOMCEE (設計:しゃなぎ)




2009年制作当時の先輩も来てくださり、エモさがありました。
当時ネットで見ていた作品に自分の担当部分が加わると、なんとも不思議な感じです。




大怪獣襲来




統括:しゃなぎ
来場者の方により楽しんでもらえるものにしたいということで、ゴリゴリ動くものを大型作品で本格的にやってみようという方針で進めました。

作品に「怪獣が街を襲い、レゴでできた建物がバラバラに壊れる」という演出を組み込むことで、
「あぁ、こんな場面見たことある!」となるような世界観を提示し、
「え、壊しちゃうんだ…笑」とちょっと驚いてもらうこともできるのではないかなあと考えました。



その分、メンテナンスに時間を頂くことになってしまいましたが…。今後の課題としていきたいところです。

今回の作品は分担で設計・組み立てを行いました。
以下、制作者のコメント付きです。



怪獣 担当:V.14



「『歩いて、火を吹いて街を壊す怪獣を作ってくれ』と頼まれました。シン・◯ジラを何度も観ましたが、どうするのか悩んだ結果尻尾に補助輪が必要だという結論に至りました。透明パーツでこっそりと付けてあります。火はアクション系セットでおなじみの、スタッド・シューターを用いてブロックをはね飛ばすことで表現しました。動力にはマインドストームEV3(今年新調しました)を組み込み、タブレットで遠隔操作しました」(V.14)






壊れる建物 担当:このやろー、V.14



「副部長さんの考えた崩壊する機構をもとに設計しました。会社名は当たりさわりのなさそうなものにしたつもりです。実際に組んで見るとうまくいかないところが結構あって大変でしたが本番までになんとか間に合わせることができました」(このやろー)
「『建物をバラバラにしたい』と言われたので、外壁が崩れ落ちるようにしました。ドミノのように上から下に順に外れます。できれば内側の骨格も倒したかった」(V.14)









歩道橋 担当:ニシモ



「手すりに苦労しました。ミニフィグ(LEGOの人々)にとっては怪獣を正面に見られる大迫力のスポットかもしれません」(ニシモ)




郵便車 担当:ニシモ



「街でよく見かける赤い車体に白い郵便マークの車です。運転手さんは怪獣を見てビックリしたことでしょう」(ニシモ)



郵便局 担当:Steven



「なるべく現代風の配色を心掛けました。ポストと、建物内にあるATMがポイントです」(Steven)




壊れた建物 担当:Hachi



「『怪獣に熱線で攻撃されたビル』というつもりで作りました。内部全体にTECHNIC(実際の機械の構造を再現するセットなどで見られる、強度を出しやすいパーツ)で作った鉄筋っぽいフレームがあります。TECHNICとシステム(普通のブロック)が入り混じっているので、設計も組み立ても予想より苦労しました。水道管が壊れて水が漏れているのがチャームポイントです。以前組んだCITYのセットから着想を得ました」(Hachi)






サラ金ビル 担当:マイク



「限られたスペースの中で、誰もが見て分かる看板を選んだ結果、サラ金ばかりになってしまいました…」(マイク)




神社 担当:りょうへい



「当初は別のもの(没案)を置く予定だったが、没になったので急遽こちらを制作。制作者は神社研究会とかいうサークルの一員らしい」(りょうへい)






日本風家屋 担当:もつぴ



「一階が商店ということで、三色の日よけと屋外に積み上げられたビールケースがポイントです。ほかにも正面のスライド式ガラス戸や2階の窓の欄干、壁がのっぺりしすぎないように色・模様・窓などを工夫しました。日よけが軒下にある点に関しては目を瞑りましょう」(もつぴ)




リフト 担当:よんまるいち、ロックウェル、テロリン
「リフトの制作者の一人です。扉が開く機構と上下の動き自体は部員のみんなが設計してくれました。
上がってくるものを何にしようか検討していたときに、こんなレールガンが出てきたら楽しい言って主張して、
設計に途中参加しました。
最終日まで順調に動かすことができず本当に申し訳ありませんでした。
初めてオリジナルの動く作品を作ったのですが、こんなに大変だとは思いませんでした」(よんまるいち)






「ジオラマの中には最終兵器:レールガンが設置されていました。苦労して駒場商事を守るために用意しましたが、結局怪獣に対抗することはできませんでしたね...。
さて、あまり目立ちませんが、レールガン部分は次のような動きをしています。

①ハッチ(道路の一部)が沈んで開く
②レールガンユニット(砲塔)が地下からせり上がってくる。このとき砲塔が上がってくるだけでなく、レールガン本体(砲身)は砲塔に対しても上昇する。
③砲身が倒れて発射体制になる
④撃っているようなアクション(砲身がカチカチと前後にスライド)をする
⑤上の③②①をそれぞれ逆回転させて砲塔が格納される
*これに加えて砲塔全体を水平方向に回転させることができます

この中で僕は③④*の動きの実装と②の実装の一部および改善を手伝いました。制作が半分くらい終わった段階から参加したので、すでに大きさなどの制約がある中でいかに複数の動きを組み込むかがポイントでした。
 砲塔の回転(*)は仕組みも実装も簡単で、画像のように固定された大きな円形ギア(黄色)の中に砲塔を入れ、砲塔側のギア(黒)を回転させるだけです。ちなみに画像はイメージです。



一方で砲身を倒す動き(③)と砲身をスライドする動き(④)はもう少し複雑です。スペースや重量の関係でモーターを減らしたかったのでこの2種類の動きは1つのモーターで実現しています。下の図のように、モーターを正回転するとまず砲身部分(駆動部①)が倒れて、完全に倒れてもモーターを回し続けるとスライド部分(駆動部②)が前に押し出されます。一定の距離押し出されるとばねの力で後ろに戻り、またスライドが始まります。モーターを逆回転すると、このスライド(駆動部②)は前向きにしか動かないようにロックされているため、撃つアクションは作動しません。モーターの回転は駆動部①が逆回転する、つまり砲身がたたまれた状態になるためだけに使われます。こうして2種類の動きが1つのモーターで可能になりました。



②のせり上げる動きはテロリンとよんまるいちが主に作ってくれました。砲塔全体が地下に設置されたベルトに固定されており、そのベルトを回転させることで実現しています。レールガンを地下の限られたスペースに格納するため、砲身部分は動滑車を利用して砲塔部分の倍速で上下するように作りました。ただでさえ重たい砲塔部分を持ち上げてさらに動滑車の機構まで作動させねばならないためベルトを回転させるモーターには大きな負荷がかかります。駒場祭初日・2日目にはこれが原因でレールガン部分を大型作品の実演に組み込むことができず、カウンターウェイトを設置しました。これ以外にも力の伝わり方を大きく変えたりと大工事をしたおかげで3日目はかなり順調に動いてくれたのですが、初日・2日目に観に来てくださった皆様には申し訳ない限りです...。
 僕はもともとMindstormsを使ったロボット作りからLEGOに関わるようになったので、五月祭・駒場祭と大型作品に動く要素があるのは嬉しいです。また実演する際に合計4個のモーターをスイッチとリモコンでカチャカチャと制御するのが楽しくて幸せでした。笑
 今後も動く大型作品に関わる機会があれば「見た目には過去の東大LEGO部の大型作品に劣らないクオリティなのにこれ動くの!」と驚いてもらえる作品にしたいな、と勝手に思っています」(ロックウェル)


続きます。