澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

台湾政治を変えるか、「時代力量」とChthonicの林昶佐

2016年01月20日 21時08分34秒 | 台湾

   おととしの紅白歌合戦だったか、サザンオールスターズの桑田佳祐がチャップリンの独裁者(つまりヒトラー)を真似たのか、ちょび髭姿で歌った。それが安倍首相を独裁者と揶揄しているのではないかと問題になった。桑田が真顔で「平和」を説けば説くほど、滑稽なむなしさを感じる人は多かったはず。所詮、ロック・ミュージシャンの「思想」など、児戯に等しい浅薄なものだと。
 
 先日の台湾総統選・立法院選挙で、新政党「時代力量」から立候補して当選した林昶佐は、ヘビーメタル・バンド「Chthonic(ソニック)」のリードボーカル、Freddyとして有名だ。彼の代表作であるアルバム「高砂軍」の中の一曲「玉砕」(Broken Jade)では、昭和天皇の「玉音放送」が曲中に使われていることからわかるように、Chthonicはサザンのようなチンピラバンドではない。皇軍兵士として太平洋戦争に参加した台湾原住民を採りあげ、「祖国」とは何かをファンに問いかけた。「日本」を題材に使ってはいるものの、それは「親日」「反日」という次元では全くない。「台湾独立」という、その政治主張は明確そのものだ。


Chthonic(ソニック)の林昶佐(左)と葉湘怡(Doris Yeh) ドリス(葉)は「自由チベット」とペイントし、背後には「チベット国」の国旗がある。この二人は、夫婦。

 台湾総統(大統領)および立法院(国会)議員選挙をつぶさに視察した宮家邦彦氏(元外務官僚)は、日本のマスメディアが「高め目線」から台湾の選挙を報道していることに疑問を呈している。国民が自由に選挙権を行使できるようになってからわずか20年余りの台湾を、「なかなかやるじゃないか」という高め目線で見るのは間違いだというのだ。そのひとつは、女性の進出がはるかに顕著だという事実。総統選挙の総統・副総統のペアは、三大政党とも男女の組み合わせだったし、立法院議員113人のうち40人は女性だ。また、「台湾は中国の一部ではない」「台湾は台湾」という台湾人意識の中で生まれた「時代力量」のような政党に、若者たちが積極的に関与しているという事実。これらは、政治意識、政治参加の度合いにおいて、台湾は日本よりむしろ進んでいるのではないか、という指摘だった。

 彼我の違いの最たる例が、サザンとChthonicだろうか。
 Chthonicの次の映像が、そのことを如実に示しているようだ。
 

  



 

 

 



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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
楽しみ (TY)
2016-03-18 09:42:56
「ニガウリ」を楽しんでおります。林昶佐には常々(日本人として複雑な気持ちを抱えながら)感動しております。林昶佐とCHTHONICのルーツについてお教え願えませんか。
楽しみ (TY)
2016-03-18 09:45:47
「ニガウリ」を楽しんでおります。林昶佐には常々(日本人として複雑な気持ちを抱えながら)感動しております。林昶佐とCHTHONICのルーツについてお教え願えませんか。
はじめまして (ケイ)
2018-03-19 22:40:50
しあさってに台湾に行きます。
MegaPort FestでChthonicも観る予定です。
(現地のファミマで無事発券できるといいのですが)

行こうと思い立ってから、台湾の事について色々調べています。

日清戦争後に日本が上陸した時は、霧社事件をはじめとして、なんどか抗日事件があったようですが、第二次大戦時には、日本人と台湾人は、お互いに尊敬しあう戦友になったようですね。

勇敢で、ものすごく正直な高砂軍の兵士には日本人も感動したし、当時台湾に渡った日本人は、台湾の為に良い事をした人が沢山いるようです。
橋、道路、上下水道、製糖工場などを作ったり、物資の少ない中でも、日本人も台湾人も分け隔てなく診てあげたお医者さんや、台湾が中国に反乱するのを台湾人の為に説得したのに、反乱の首謀者とみなされて中国軍に殺されてしまった弁護士など、当時の台湾には、立派な行いをして、台湾の人達に慕われ、尊敬された日本人や台湾人と日本人のハーフの人が沢山いたようです。

台湾が親日なのは、そのような立派な行いをした人達のおかげであり、私たちは、それを忘れて上から目線になったりしてはいけないと思いました。

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