澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

台湾 高雄、恒春半島の旅 (番外編) 総統選挙

2015年12月21日 12時04分39秒 | 台湾

 台湾総統選挙は12月18日に告示され、来年1月16日に投票予定。
 
 私たちが高雄滞在中(12月12~15日)、TVでは総統候補者の名簿登載順のくじ引きを報道していた。最有力の蔡英文候補(民主進歩党)は二番目を引き、「真ん中で、左右を見渡せる蔡英文にふさわしい」とか、もっともらしい説明が付けられていた。
 公示前だったので、旅行中に見たのは、こんな垂れ幕のようなものだった。


蔡英文候補(右)

 
台湾南部は民進党(民主進歩党)の支持基盤。台南や高雄、さらには屏東県などの台湾南部には、中国国民党の支持者である外省人は少ない。おそらく、このまま順調に選挙運動が進めば、蔡英文候補が圧勝し、中国国民党政権を終わらせることだろう。

 日本人である私が、蔡英文氏を支持すると言ったところで、何ほどの意味もないのだが、この総統選挙の結果は、日本社会のこれからにとっても、とても重要な意味を持つ、そのことだけは考えておきたい。

 東日本大震災に際しては、中華民国(台湾)政府は真っ先に救援隊を組織し派遣、国中で義援金キャンペーンがおこなわれ、二百六十億円もの義援金が日本に贈られた。一方、韓国のネット上では、義援金どころか、「ざまあみろ、日本」「日本沈没」という嘲りが飛び交った。

 「台湾は親日国」と漠然とは知りながらも、台湾が「」であるのか「地域」なのか、「中国」の一部であるのか否か、このことをはっきりと意識する日本人は少ないのではないか。日本のマスメディアは、中国に媚びて、意図的に台湾報道を制限しているのだから、やむを得ない面もあるのだが…。

 台湾の日本語世代(日本統治時代に日本語で学校教育を受けた世代)はもはや80歳半ば以上になった。この世代が、日本統治時代(1895-1945年)を肯定的に評価していたからこそ、今日まで「親日感情」が続いてきたのだ。そのことを忘れ、「日本に憧れているから親日なんだ」と思うような、的外れの思い上がりは慎むべきだろう。
 
 台湾総統選で蔡英文候補が勝利すれば、馬英九のような一方的な中国への傾斜は止められるだろう。このままいけば、台湾は「ひとつの中国」(大一統)という強迫観念的イデオロギーに絡めとられてしまうところだった。

 鵝鑾鼻(がらんび)灯台から、「慟哭の海峡」と呼ばれるバシー(巴士)海峡を臨んだ今回の旅行は、かつて「大日本帝国」の一部であった台湾の光と影に少しだけ触れた旅でもあった。
 
 
 
 

 


 



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