澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

「エジプトの空の下~わたしが見た”ふたつの革命”」(飯山陽 著)を読む

2024年01月07日 21時23分17秒 | 読書

 「エジプトの空の下~わたしが見た”ふたつの革命”」(飯山陽 著 晶文社 2021年)を読む。
 イスラム思想研究者である飯山陽(あかり)氏は、最近、YouTuberとしても活動が著しい。私が著者の存在を知ったのは「虎ノ門ニュース」に登場するようになってから。小柄で美人なのに、ずいぶんとはっきり発言する人だと思った。

 目下、飯山氏は日本の中東研究者ほぼ全員を敵に回して戦っているらしい。中東研究は狭い「業界」であるので、大親分ににらまれたら最後、めぼしいポスト(大学教授の座)を得ることは至難のようだ。飯山氏は「日本の中東研究者は、アラブ(パレスチナ)側に肩入れしすぎていて、その言説は国民がアラブ世界を理解する妨げにさえなっている」と主張するが故に、数々のいやがらせに遭ってきたという。

 YouTubeで見る飯山氏は、かなりエキセントリックに喋るので、初めて見た人は好悪が分かれるかもしれない。だがこの著書「エジプトの空の下~わたしが見た”ふたつの革命”」を読んだあとは、ずいぶんと印象が変わった。
 
「大学時代の指導教官のひとりは、私のスカートが短すぎるとか、その髪の色はやめて今すぐ黒く染め直すべきだなどとひどくお説教する人で、すごく嫌でした。この先生は、万国の抑圧された人民は連帯して世界革命を起こせ!帝国主義を打倒せよ!と主張していましたが、こういうイデオロギーを掲げる人に限って他者、特に私のような「年下」の「女」に対して、きわめて抑圧的であったり権威主義的であったりするのはひどく矛盾しています。当時の私は、パレスチナ人は抑圧から解放されなければならないと主張するこの先生によって私が抑圧されるのは不当である、と憤慨したものです。」(本書p.120)

 この指導教官とは誰だったのか? 時期も学部も異なるが、同窓生である私は、あの大学にそんな左翼教授がいたのかと驚いた。同時に、東大大学院を目指すような才女(飯山氏)が史学科にいたことにも驚いた。凡庸で空虚な大学だとばかり思っていたが‥。砂漠のような教育環境の中で、何故、イスラム研究を志したのか、もう少し詳しく知りたいところだ。



  飯山氏は大学時代、ヘブライ語を習ったとき(大学ではなく外部の講習会だと思われる)、親パレスチナ、反イスラエルの日本人中東イスラム研究者が、講師のイスラエル人に対して「お前は野蛮な帝国主義者」だと罵倒するのを見た。

 「私は日本の中東イスラム研究者のほぼ全員が親パレスチナ、反イスラエルだということを知ってはいましたが、イスラエル人を目の前にして、お前も、お前の祖国の存在も不正である、死ね、滅べと言い放つ人を見たのは、この時が初めてでした。自分を正義だと信じて疑わない人は、自分とは異なる考えを持つ他者に対してこれほどまでに不寛容かつ暴力的になれるのかということに、正直驚きを隠せませんでした。」(本書p.127-8)

  「日本の中東イスラム研究者のほとんどは、アラブ人でもイスラム教徒でもありません。しかし彼らはパレスチナのみに正義があると頑なに信じ、「占領国家」イスラエルとシオニストを口汚く罵倒する人に喝采を送ります。そしてその立ち位置こそが正しいと信じ込むあたり、自らの独善性、他罰性に対しては全く無頓着です。中東イスラム研究業界に自分の居場所はないな、と私が思い始めたのはおそらくこの頃からです。」(p.129) 

 「中東イスラム研究業界 」とは具体的には、大ボスである板垣雄三、その師弟で東大教授の池内恵によって支配されているらしい。目下、飯山氏はその池内恵東大教授とX(旧ツイッター)上でバトルを繰り広げている。私のFacebookに対しても「ブロック」をしてきた
池内という人には、ある種の異常性を感じる。何の面識もなく、無関係な私にまで何故こんなことをするのか、何が接点になっているのか、全くわからないからだ。 

 飯山氏が指摘するように、池内教授が所属する東大先端科学研究センターが中東研究を利権化しているのか。はたまた、池内は博士号を持たない(博士課程単位修了)のに、飯山氏は博士号を授与されているから、そのことに対する嫉妬なのか?
 
 本書に描かれるエジプト人は、人間味はあるが、前近代的な精神構造を持つ、言わば面倒くさい人々。決して、アラブの大義とかで美化されるような連中ではない。ポスト・モダンの日本社会から見れば、遅れた人々と言えるのかも知れない。そんな中東アラブの実相を伝えず、親パレスチナ、反イスラエルと叫ぶ中東専門家は、国の外交政策を誤らせかねない存在だと感じる。

 つまり、「イカリちゃん」のお怒りはごもっともということだろう。


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