こんな本を読んでいる

日々出版される本の洪水。翻弄されながらも気ままに楽しむ。あんな本。こんな本。
新しい出会いをありがとう。

『淋しきカリスマ 堤 義明』を読んでいる

2005年04月22日 | 読書ノート
  戦後のどさくさで宮家の土地を強引に手に入れ,それにプリンスの名を冠してホテルをつくった財界人・政界人である,先代,堤康次郎。東急の五島慶太とのライバル関係は,「盗人慶太にピストル康次郎」と評され有名だ。事業の進め方の強引さや複雑な家族関係をつくりだす,女性に対する異常とも言える執着は,「英雄色を好む」では片付けられない,複雑な心理が背景にあるのではないかと思うが,衆議院議長まで上り詰める栄達と . . . 本文を読む

『新トロイヤ物語』

2005年04月21日 | 読書ノート
 トロイシリーズの締めくくりは,阿刀田高著『新トロイヤ物語』。この『新トロイヤ物語』は,1冊で3つのお話が楽しめる,めちゃくちゃお得な本だ。3つの話とは,ホメロスの『イリヤス』,『オデュッセイヤ』とヴェルギリウスの『アエネイス』。プリアモスの栄華からはじまるトロイの興隆と木馬の計での陥落(阿刀田さんは地震で城壁にヒビ入ったという説で木馬の計を退けますが・・・)。陥落後,ギリシア帰還に失敗し流浪を強 . . . 本文を読む

シュリーマン『古代への情熱』

2005年04月20日 | 読書ノート
トロイと言えばトロイヤの遺跡。シュリーマンが発見したあの遺跡。例の『古代への情熱』(2005年ブックレビュー1月)である。小学校高学年の時,担任の先生から,ダーウインの『種の起源』とともに読むように勧められながら,手に取ることのないまま徒に時をかさね,中年になってやっと,そして,この元旦,悲願を果たし『古代への情熱』を読み終えた。思えば,長い道のりだった。  シュリーマンと同じくらいな歳になっ . . . 本文を読む

映画 『トロイ』

2005年04月19日 | Weblog
映画『トロイ』の封切から,もう1年がたつ。子供がまだ小さいので,映画と言えば,『ドラえもん』か『クレヨンしんちゃん』か『名探偵コナン』か相場はだいたい決まっている。はじめの頃は欲求不満が溜まっていたけれど,その内,封切を見れない生活にも慣れてきた。という訳で,1人で映画館というのは5年ぶりくらいで,見たのが,昨年夏に見た,この『トロイ』である。  なんと言ってもごひいきのヘクトルが登場する。 . . . 本文を読む

キリコの『ヘクトルとアンドロマケの別れ』

2005年04月18日 | 絵心は無いけれど・・・
 ダビンチの「洞窟の母」が昨日のブログの題材になったので,ついでに,お気に入りの絵についての記事を一つ。そのお気に入りとは,キリコの『ヘクトルとアンドロマケの別れ』(倉敷,大原美術館)。寄り添う二人の幾何学的な構図が,アキレスとの一騎打ちに負け死骸を馬車でさらされるヘクトルの悲劇とアンドロマケの深い悲しみを雄弁に物語っていて物悲しい。  残念ながら,大原美術館のWEBギャラリーにはこの作品は載 . . . 本文を読む