とねり日記

とりことや舎人(とねり)の
どげんかせんとの日々

田んぼごと始め

2018年04月15日 | 田んぼ・野良仕事
桜が散りはじめると、田植えの準備が本格的に始まる。

4月11日、塩水選と温湯消毒をおこなった。
去年は温湯消毒→塩水選の順だったが、今年は塩水選を先にすることにした。
なぜ?
一年一作、毎年迷うのが米作りなんです。

まずは塩水を作る。うるち米の場合、比重1.13の塩水にする。水10ℓに対し塩2.6kg。かなりの量の塩だ。ただ、わが舎のイセヒカリは若干、芒(のぎ)が長くて浮きやすいのでそこからさらに比重1.10まで水で薄める。塩は当日に溶かすと濃度にムラができやすいと、何かで読んだので前日に溶かしておく。
塩分濃度計で測るが生卵を浮かべてもおおよその濃度は測定できる(こちら)。


塩分濃度の目安は、概ね以下のとおり。
ウルチ:比重1.13(芒あり1.10)
モ チ:比重1.10(芒あり1.08)
これはあくまで目安で、芒の状態などを考慮して濃度を決めていく。

わが舎の種籾はウルチ、モチあわせて6種類あるので、この辺のさじ加減がややこしい。


そして今年はさらにもう1種…
「とねり米」?


実は一昨年くらいから、大師黒の株の中に黒くてスッと背の高い穂が混じるようになった。他の品種との交雑種なのか、大師黒が先祖返りしているのか、種籾を採取して育ててみることにした。色つやがよい、食味・香りがよいなど、優良な品種なら「とねり米」と名付けて増やしてゆこうというのが舎長の思惑。

さあ、種籾のみなさ~ん。お目覚めの時ですよ~。


少しかき混ぜて種籾を水になじませてから、浮いている種籾を容赦なくすくい取って捨てる。


ウルチが終わったら水で薄めて次はモチ。
これを7回繰り返し、ようやく塩水選終了。
次は温湯消毒。
ウルチは60度のお湯に10分、モチは58度のお湯に5分。
毎年、舎長と二人でワーワー言いながらしているが、ちょっとずつ作業が円滑に進むようになったかな。
大きめの容器を使うこと。沸騰したお湯を先に入れ、後から水で薄めて60度にすること。種籾を浸けると湯温がぐっと下がるので、60度近いお湯の入った別バケツにさっと種籾をくぐらせてから浸ける。などなど年々進歩している(それでも今年も写真を撮る間がなかった)。

温湯消毒がすんだら懸樋で引いた沢水に積算100度になるまで浸ける。
ルンペンストーブの煙突で作った少し自慢の「分水器」で。


さあ、来週は苗代づくりだ。これから忙しくなるぞ~。

備忘のため、これから1年間の田んぼ関係の作業日程を大まかに記しておこう。
3月下旬 畦はつり(半日)
4月上旬 田起こし(1日)
  中旬 塩水選・温湯消毒(半日)
  中旬 用水路掃除、取水堰のイネ板設置(圃場関係者皆で半日)
  下旬 籾ふり(半日)
  下旬 苗床(苗代)作り(1日)
  下旬 苗床に苗箱並べトンネル掛け(半日)
5月中旬 荒代掻き(1回目の代掻き)・ぬか撒き(1日)
  下旬 本代掻き・均平(1日)
  下旬 田植え(1日)
  下旬 補植(挿し苗)(2日)
  下旬 ぬか撒き(半日)
6月上旬~下旬 チェーン除草(5日おきに4回、各半日)
  中旬~下旬 分けつ肥(半日)
  下旬~7月上旬 田草取り(1~2週間)
7月中旬~下旬 中干し
9月上旬~10月中旬 稲刈り・稲木干し(3~4回、各半日~1日)
  下旬~11月上旬 脱穀・籾摺り(3~4回、各半日)
11月中旬 切り藁入れ・乳酸菌散布(1日)
  中旬 稲木片付け・田鋤き(1日)
 ※( )内の日数は二人で作業し機械のトラブルや悪天候などがない場合の目安。

ところで、安藤庵ととりこと舎のコラボイベント第4弾は7月1日(日)の予定なんですが、テーマは「アーシング」。田んぼに入って草取りしながら体に帯電している電気を抜く(えーっ!)という趣旨の企画です。詳しいことが決まりしだいご案内しますね。
コメント
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