アロマテラピー学習ブログ

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参照。

現代のアロマテラピー

2008-01-12 12:57:49 | アロマテラピーの歴史
イギリスで起こったホリスティック・アロマテラピー
 1950年代から1960年代にフランスで活躍した生化学者マルグリット・モーリーは、精油を使った心身の美容と健康法として新しい考え方を示した。彼女はインド、中国、チベットの伝統的な医学や哲学を研究し、精油を植物油に希釈して、マッサージするという方法を示した。この方法は、フランスの内服中心、薬理作用重視のアロマテラピーとは対照的に、精神と肉体のアンバランスに対しての個人的な処方によって、そのバランスを正常化するという方法論を提示している。彼女はこの研究成果を著した”ル・キャピトル…ジュネス”「最も大切なもの…若さ ”the Secret of Life and Youth”」を1961年に出版し、美容の国際的な賞である「シデスコ賞」を受賞している。この著作は後に英訳され、イギリスのアロマテラピーに大きな影響を与えた。多くのアロマテラピストが彼女の研究成果を、実践的に展開する方法に向かったのである。これが後にイギリスにおけるホリスティックアロマテラピーと呼ばれるようになった。
※ホリスティック
「全体的」「包括的」などと訳される。ここでは身体に起こったトラブルをその部分だけの問題と捉えず、心を含めた全身的(体質)、全人格的なものとしてアプローチすることを言う。

イギリスにおける大衆化
 イギリス人たちは、持ち前の自然を愛する心で、このアロマテラピーを歓迎した。1960年代から1980年代にかけて、シャーリー・プライス、ロバート・ティスランドたちは、アロマテラピースクールを開設し、多くの専門家たちを育てた。またそれらを卒業したアロマテラピストたちは美容サロン、医療現場、そして福祉の施設、カウンセリングの手法として、多彩な展開と大衆化を実現していく。

アロマテラピーの学術的研究
 イタリアの医師ガッティーが1920年代に、同じくイタリアのカヨラが1930年代に、それぞれ精油の心理的作用と、スキンケアへの応用といった幅広い分野にわたって研究している。1970年代に入って、香りが神経症やうつ病に効果があることが知られるようになった。ミラノの植物誘導体研究所長のパオロ・ロベスティは、イタリアにあるオレンジ、ベルガモット、レモンなどの柑橘類の精油とその加工品を、このような症状に対して用いると非常に有効であることを発見した。この研究は香りの精神科の臨床例としては、世界最初のものといわれている。
 香りの心理効果についての研究として有名なものに、日本の東邦大学名誉教授、鳥居鎮夫博士((社)日本アロマ環境協会名誉会長・2005年現在)のものがある。鳥居博士は、随伴性陰性変動(CNV波)と呼ばれる特殊な脳波を用いて、香りの刺激作用や鎮静作用を研究した。このときに使われた香りは、ラベンダーやレモンだった。彼はイギリスのアロマテラピストたちとの交流もあり、アロマテラピーの学術研究の先駆者として高い評価を得ている。

日本におけるアロマテラピーの紹介と普及
 日本におけるアロマテラピーの紹介は、書籍の翻訳がその先駆けとなった。アロマテラピーに関する情報は、当初イギリスを中心に活動するアロマテラピストの著作の翻訳本に頼らざるを得なかったが、やがて、国内にも本格的なアロマテラピースクールが都市部を中心に活動を始めるようになった。
 
日本アロマテラピー協会の設立
 1995年年初に阪神淡路大震災があり、日本中が「癒し」に対して関心を高めた中、アロマテラピーが急速にマスコミで紹介され始めた。この年も暮れにかかる頃、今も法人会員として活動する6人のメンバーらが発起人となり、日本アロマテラピー協会の設立の準備が進められ、1996年4月、日本アロマテラピー協会が設立された。日本アロマテラピー協会はアロマテラピーの愛好家や各分野の専門家が結集した中立の非営利団体として、2005年3月現在約23,500人の個人会員と163社の法人会員を擁する日本最大のアロマテラピー団体である。また、海外のアロマテラピー関連団体との交流を図っており、国際的にも最も大きなアロマテラピー団体の一つとして知られている。(2005年4月1日より(社)日本アロマ環境協会に昇格)

現代生活とアロマテラピー
 工業の発達は、私たちに便利な生活をもたらした。しかしその反面、自然と一体化した生活から離れてしまったこともまた事実である。急速なライフスタイルの変化は、私たちの心と身体にさまざまなストレスを与えるようになっている。アロマテラピーは、ストレスの多い現代の生活に潤いと安らぎをもたらす「癒し」として関心を集めている。またアロマテラピーを学ぶことで、身の回りの自然環境や住環境、体内環境にも目を向けることができる。香りを取り入れる身近な生活文化の中に、日々の「癒し」を見つけることができるに違いない。


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