カキぴー

春が来た

再発・転移がんと、放射線ホルミシス

2011年12月25日 | 健康・病気
2009年10月出版の米長邦雄著「癌ノート」の特徴は、前立腺がん治療の体験談に加えて、東京女子医科大学放射線腫瘍学講座・秋元哲夫准教授の解説が、項目ごとに添付されていること。 一例を挙げると、「再発のリスク」について専門家の立場から、こんな解説がされている。 「癌の治療では、どんな早期の癌でも絶対、ということはありません。 そのため治療が予定通り終わっても、再発がないかを注意しながらの定期健診が必要になります。 前立腺がんの場合では低リスクに分類されるような早期癌であっても、100%の治癒率はありません。 しかし前立腺癌の特徴は進行が比較的ゆっくりのため、治療してから再発までの期間も、他の癌より長い(遅い)傾向があります。」

「逆の言い方をすると、癌が治癒したと判断できるまで5年でも不十分で、10年、15年と長い期間の経過観察が必要ということになります・・・。」  こうした長期にわたる再発の実態が公表されるようになったのは近年のことで、それを知っていれば 『「前立腺がん」根治を諦めない人のために』 などという著書を、僕は書かなかったはず。 なぜなら僕が放射線治療を終えたのが2007年の6月、本の出版が2009年11月だから僅か2年3ヶ月しか経っておらず、本を出して間もなく癌の状態を示す「PSA](前立腺腫瘍マーカー)の数値が、少しずつ上昇してきてるからだ。 

参考までにPSAの推移は、治療終了時が0・42ng/ml、およそ2年を経過した2009年5月の数値が0・059ng/mlでこれがボトム、そして2011年9月には0・716ng/mlまで上昇している。 PSAの上昇について、主治医の東北大学病院・荒井陽一教授はこう説明する。 「放射線治療後に起こるPSAの上昇・下降の繰り返しは、放射線治療の後遺症として見られる現象で、再発かどうかの見極めはボトムの数値プラス2ng/mlを基準としている」。 つまり僕の場合3ヵ月毎の検査で2・059ng/mlに達すれば再発と判断し、ホルモン治療を再開することになるとのこと。 さて先日行われた「前立腺がん患者の会」では会員のYさんが長い闘病の末、死去したことが伝えられた。 

Yさんは摘出手術後の再発から十数年にわたり、あらゆる手を尽くして延命してきたが治癒することはなかった。 メンバーの大半は再発・転移で治療中の患者だが、原発事故以来「放射線ホルミシス」への関心が高まり、30マイクロシーベルト程度の低線量放射線シートを補助的医療に用いており、実際にPSAの下降がみられたという報告が幾つかあった。 実は僕も玉川温泉の鉱石でホルミシス効果を実験中。 この石は10×10cmほどの楕円形で厚さは5cmぐらい、採取が禁止された昭和27年以前のもので、線量は表面が110・マイクロシーベルト裏が20・マイクロシーベルト。 就寝のとき脇に石を置いているが、10月と12月の2ヶ月間使用してみて年明けの定期健診でどんな結果が出るか、楽しみにしている。 

ところで、あれがホルミシス効果だったのかと思い起こす事例が有る。 2年前、友人が脳腫瘍の手術を受け抗がん剤治療を受けていた頃、彼の奥さんに付き添って血液内科の主治医から説明を受けた。 内容は、治癒が期待できる強い薬を使えるのは65歳までで、70歳を過ぎた彼の場合残念だが根治は諦めてほしいというもの。 その足で脳外科の教授に会いその旨報告すると、「抗がん剤治療が終わったら、弱い放射線を全体に何回かかけるんです。 きっと良くなる筈です」 と事も無げにおっしゃった。 そして事実その通り彼は全快し、現在再発の兆候もない。 ことわって置くが、がん患者は「低線量被ばく」が絶対安全であると確信してるわけではない、しかし最後のよりどころとしてホルミシスへの期待は極めて大きい。     


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