おなじみの品質マネジメントシステム(ISO9001)の認証は取得したが、一向に不良は減らない。売上げも伸びない。利益も上がらない。一体、認証取得の何処にメリットがあるのか、さっぱり分からないとお嘆きの経営者が多い。
このような経営者からお話をお伺いすると、どの経営者にも共通して大きな誤解をしておられることに気付く。誤解は、①品質マネジメントシステムには成熟度の概念がないこと、②継続的改善の根本的な考え方の理解が浅いこと、の2点に代表される。
①の成熟度の概念については、品質マネジメントシステムの認証登録を何か資格試験のように考えておられることだ。認証さえ取得すれば、審査機関から品質経営の優秀さが認められたというような誤解をしておられる。認証取得とは、規格で決められた最小限の要求事項が手順として実施されていることを審査機関が確認したというだけで、その組織の経営が優秀であることを認めたものでも何でもない。規格の要求事項には、組織のコアコンピタンスやパフォーマンスについて何も触れていない。従って、単に手順の適合性だけの世界で満足している組織には進歩がなくても認証の継続は可能となる。成熟度とは、他社との差別化の因となるものであり、その会社の戦略や文化や技術やノウハウの中に凝縮しており、審査では一切評価の対象とはなっていない。繰り返しになるが、最小限の規格の要求事項さえ満たしておれば、認証取得後、進歩が全くなくても、時には退行・劣化していても認証登録が継続される仕組みとなっているのである。
②の継続的改善についても、ISOの本質的なレベルで継続的改善を理解されている経営者は少ない。ミスや失敗の本質的な原因を究明して、根本原因を除去することが再発防止策であり、是正処置であることが理解されていない。口では、是正処置とか再発防止とか言っておられても、その内容は単に表面を糊塗するだけの修正処置であることが多い。原因の除去を通じて行った合理化や効率化の結果を、組織のノウハウやコアコンピタンスに凝縮させ、定着させることが行われていない。スピードや効率の美名の下に何ら根本的な処置を行おうとせず、同じミスを頻発させている。組織の全体で改善を継続的に蓄積していこうとする意思も意欲も低い。経営者は部下に丸投げして、部下の報告を鵜呑みにしている事例も多い。
①、②の理解が浅い状態で、ただ認証を継続しているだけの組織は認証を返上した方が、より仕事が円滑にできるような気がすることもある。中途半端で消化不良のマネジメントシステムが継続されることで、自己満足に陥り、本来行われるべき継続的な改善活動を阻害するような逆効果が発生する可能性がある。経営者は、今一度、自社のISO品質マネジメントシステムの機能と効果についてじっくりと考えて欲しい。


このような経営者からお話をお伺いすると、どの経営者にも共通して大きな誤解をしておられることに気付く。誤解は、①品質マネジメントシステムには成熟度の概念がないこと、②継続的改善の根本的な考え方の理解が浅いこと、の2点に代表される。
①の成熟度の概念については、品質マネジメントシステムの認証登録を何か資格試験のように考えておられることだ。認証さえ取得すれば、審査機関から品質経営の優秀さが認められたというような誤解をしておられる。認証取得とは、規格で決められた最小限の要求事項が手順として実施されていることを審査機関が確認したというだけで、その組織の経営が優秀であることを認めたものでも何でもない。規格の要求事項には、組織のコアコンピタンスやパフォーマンスについて何も触れていない。従って、単に手順の適合性だけの世界で満足している組織には進歩がなくても認証の継続は可能となる。成熟度とは、他社との差別化の因となるものであり、その会社の戦略や文化や技術やノウハウの中に凝縮しており、審査では一切評価の対象とはなっていない。繰り返しになるが、最小限の規格の要求事項さえ満たしておれば、認証取得後、進歩が全くなくても、時には退行・劣化していても認証登録が継続される仕組みとなっているのである。
②の継続的改善についても、ISOの本質的なレベルで継続的改善を理解されている経営者は少ない。ミスや失敗の本質的な原因を究明して、根本原因を除去することが再発防止策であり、是正処置であることが理解されていない。口では、是正処置とか再発防止とか言っておられても、その内容は単に表面を糊塗するだけの修正処置であることが多い。原因の除去を通じて行った合理化や効率化の結果を、組織のノウハウやコアコンピタンスに凝縮させ、定着させることが行われていない。スピードや効率の美名の下に何ら根本的な処置を行おうとせず、同じミスを頻発させている。組織の全体で改善を継続的に蓄積していこうとする意思も意欲も低い。経営者は部下に丸投げして、部下の報告を鵜呑みにしている事例も多い。
①、②の理解が浅い状態で、ただ認証を継続しているだけの組織は認証を返上した方が、より仕事が円滑にできるような気がすることもある。中途半端で消化不良のマネジメントシステムが継続されることで、自己満足に陥り、本来行われるべき継続的な改善活動を阻害するような逆効果が発生する可能性がある。経営者は、今一度、自社のISO品質マネジメントシステムの機能と効果についてじっくりと考えて欲しい。


