司馬遼太郎を読んだ
タイトルは「坂の上の雲」である
文庫本で8冊あった
今年の夏
四国松山を訪問したことが切掛けだった
読み応えのある内容であった
明治の初めから日露戦争が終わるまでの30年
ロシヤとの戦争を克明に記した歴史小説である
俳句の正岡子規
松山に生まれ東京で記者となり
若くして病没したが
ベースボールを野球と訳した当人と知って驚いた
打者、走者、直球、死球、すべて子規の発明だそうだ
海軍の秋山真之 陸軍騎兵の秋山好古は兄弟であった
松山伊予藩の貧乏士族の出自だそうだ
子規と交友があり互いに影響し合ったとか
旅順を攻略した乃木希典大将
軍神と聞いていたが
実は凡庸な人であったと書いてあった
死ななくても良い罪なき兵士を1万人も死なせた
無謀な正面突撃を繰り返したと言う
我が心の英雄像が崩壊した
ガッカリした
東郷平八郎連合艦隊長官
対馬海峡にバルチック艦隊を向かえ
これを撃滅した
最初の1時間で大勢を決したと言う
信じられない戦果であった
戦端を開くにあたり
発した兵員への発令は次の如し
敵艦見ゆとの警報に接し 連合艦隊は直ちに出動
之を撃滅せんとす
本日天気晴朗なれども浪高し 皇国の興廃この一戦にあり
連合艦隊参謀秋山真之の作だそうだ
本日天気晴朗なれども浪高し 皇国の興廃この一戦にあり
我が家を出て会社に向かうとき いつも口ずさみたい言葉だ
イメージトレーニングに最適だ
坂の上の雲の時代
ただ黙々と坂の上の雲を目指して
明治の人は坂道を登って行ったのだ
錚々たる人たちと庶民が綴った歴史があった
坂の上の雲の時代
わが国は明治維新の直後にして世界では赤子であった
国力も兵力もなかった
日露の戦争はアリが象に刃向かうが如き戦争であった
ロシヤは一等国
今で言えば超大国であった
日本は三等国
農業国にして太平の眠りから覚めて30年に過ぎなかった
信じられない組み合わせであった
ロシヤにとっては皇帝ニコライ二世の野望に始る侵略戦争であったとか
日本にとっては生きるか死ぬかの祖国防衛戦争であったとか
負ければ対馬、北海道をロシヤに割譲せねばならぬという危機感があったとか
ロシヤにとっては皇帝が統治する官僚機構の軍隊がいやいや戦ったとか
日本は頂点に天皇を戴くといえども素朴な国民の純粋な思いで戦ったとか
ロシヤと日本の庶民の文化の構造が異なっていたとか
日英同盟でイギリスが何かに付け日本を支援したとか
勝っても疲労困憊
余力の全くなかった日本であったが
戦争の早期終結にアメリカ大統領が一肌脱いだとか
あらゆることが日本に味方したのであった
要するに運がついていたのだ
だが
こんな戦争の始まりを小国日本がよく決意したものだ
政府の要人は慎重論であったが
新聞などの世論が開戦を主張し これを抑え切れなかったそうだ
信じられない
自分は人が人を殺す戦争を賛美する気は毛頭ないが
現在のわが国の軟弱振りを見るに付け 少しは思う
偉大な明治の先人の気力を少しは見習えと
一寸の虫にも五分の魂があるのだ
戦う前から負けると思うな
繰り返す
本日天気晴朗なれども浪高し 皇国の興廃この一戦にあり
この意気込みを忘れてはいけない
如何に力の強い相手であろうと
如何に勝つ気のしない相手であろうと戦う前から負けていてはいかんのだ
勝てる勝負も負けて終わる
せめて知力と精神力では相手の上を行け
日清戦争も日露戦争も勝った日本だ
いずれも当時の超大国を相手に立ち上がって勝ったのだ
我々はその末裔だ
明治は遠くなりにけりだがこの事実を時には思い起こせ
同胞よ 同輩よ 仲間達よ
自信を持とう 今よりは強くなろう
精神力とエネルギーが漲った
久方ぶりだった
読むに長時間を要したが読み応えのある本であった


タイトルは「坂の上の雲」である
文庫本で8冊あった
今年の夏
四国松山を訪問したことが切掛けだった
読み応えのある内容であった
明治の初めから日露戦争が終わるまでの30年
ロシヤとの戦争を克明に記した歴史小説である
俳句の正岡子規
松山に生まれ東京で記者となり
若くして病没したが
ベースボールを野球と訳した当人と知って驚いた
打者、走者、直球、死球、すべて子規の発明だそうだ
海軍の秋山真之 陸軍騎兵の秋山好古は兄弟であった
松山伊予藩の貧乏士族の出自だそうだ
子規と交友があり互いに影響し合ったとか
旅順を攻略した乃木希典大将
軍神と聞いていたが
実は凡庸な人であったと書いてあった
死ななくても良い罪なき兵士を1万人も死なせた
無謀な正面突撃を繰り返したと言う
我が心の英雄像が崩壊した
ガッカリした
東郷平八郎連合艦隊長官
対馬海峡にバルチック艦隊を向かえ
これを撃滅した
最初の1時間で大勢を決したと言う
信じられない戦果であった
戦端を開くにあたり
発した兵員への発令は次の如し
敵艦見ゆとの警報に接し 連合艦隊は直ちに出動
之を撃滅せんとす
本日天気晴朗なれども浪高し 皇国の興廃この一戦にあり
連合艦隊参謀秋山真之の作だそうだ
本日天気晴朗なれども浪高し 皇国の興廃この一戦にあり
我が家を出て会社に向かうとき いつも口ずさみたい言葉だ
イメージトレーニングに最適だ
坂の上の雲の時代
ただ黙々と坂の上の雲を目指して
明治の人は坂道を登って行ったのだ
錚々たる人たちと庶民が綴った歴史があった
坂の上の雲の時代
わが国は明治維新の直後にして世界では赤子であった
国力も兵力もなかった
日露の戦争はアリが象に刃向かうが如き戦争であった
ロシヤは一等国
今で言えば超大国であった
日本は三等国
農業国にして太平の眠りから覚めて30年に過ぎなかった
信じられない組み合わせであった
ロシヤにとっては皇帝ニコライ二世の野望に始る侵略戦争であったとか
日本にとっては生きるか死ぬかの祖国防衛戦争であったとか
負ければ対馬、北海道をロシヤに割譲せねばならぬという危機感があったとか
ロシヤにとっては皇帝が統治する官僚機構の軍隊がいやいや戦ったとか
日本は頂点に天皇を戴くといえども素朴な国民の純粋な思いで戦ったとか
ロシヤと日本の庶民の文化の構造が異なっていたとか
日英同盟でイギリスが何かに付け日本を支援したとか
勝っても疲労困憊
余力の全くなかった日本であったが
戦争の早期終結にアメリカ大統領が一肌脱いだとか
あらゆることが日本に味方したのであった
要するに運がついていたのだ
だが
こんな戦争の始まりを小国日本がよく決意したものだ
政府の要人は慎重論であったが
新聞などの世論が開戦を主張し これを抑え切れなかったそうだ
信じられない
自分は人が人を殺す戦争を賛美する気は毛頭ないが
現在のわが国の軟弱振りを見るに付け 少しは思う
偉大な明治の先人の気力を少しは見習えと
一寸の虫にも五分の魂があるのだ
戦う前から負けると思うな
繰り返す
本日天気晴朗なれども浪高し 皇国の興廃この一戦にあり
この意気込みを忘れてはいけない
如何に力の強い相手であろうと
如何に勝つ気のしない相手であろうと戦う前から負けていてはいかんのだ
勝てる勝負も負けて終わる
せめて知力と精神力では相手の上を行け
日清戦争も日露戦争も勝った日本だ
いずれも当時の超大国を相手に立ち上がって勝ったのだ
我々はその末裔だ
明治は遠くなりにけりだがこの事実を時には思い起こせ
同胞よ 同輩よ 仲間達よ
自信を持とう 今よりは強くなろう
精神力とエネルギーが漲った
久方ぶりだった
読むに長時間を要したが読み応えのある本であった


