岩手医大は19日、矢巾町に移転を予定している付属病院などの整備方針を発表した。
新病院は入院患者を中心に受け入れ、現病院(病床数1166床)と同程度の1000床規模とし、盛岡市の同大付属循環器医療センターなどは外来患者の診察を行う「内丸メディカルセンター」として統合する。いずれも2018年度内の開院を目指す。
同大によると、新病院とメディカルセンターの整備にかかる総事業費は550億円の見込み。新病院は延べ床面積8万5000~10万平方メートルで、12~13階建てにする計画。14年度までに設計を終え、15年度に着工する。現病院は県と市と協議の上、再開発する予定だ。
東日本大震災で被災した沿岸部の医療機関では、患者のカルテが流失したことから、新病院建設予定地の隣に来年3月完成予定の「災害時地域医療支援教育センター」に、県内全域のカルテなどの医療情報データを保管する。県立療育センターと同盛岡となん支援学校も新病院敷地内に建設する計画だ。
盛岡市中心部のメディカルセンターは県内外からの交通の利便性を生かし、検査入院向けに活用。50床程度に抑える。ガン外来化学療法や放射線療法など高度医療を提供する。
同大の小川彰理事長は19日の記者会見で、「地域医療の中核病院として高度な医療を提供するほか、県内外の病院と様々な連携をしたい」と語った。